ソーシャル・メディアが本当に
民主化を促進するのか?
2011.02.26 写真もリバティから拝借
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=142
中国で一党独裁の終結を求める27日の「中国のジャスミン革命」
集会の呼びかけが、これまでの18都市から23都市に増えた
ことが25日に明らかになった。これはインターネットの
呼びかけによる。これまでどの民衆デモでもインターネットの
役割が指摘されてきた。
では、ソーシャル・メディアは、民主化を促進するのだろうか。
フォーリン・アフェアーズ(2月号)で、ニューヨーク大学教授
・クレイ・シャーキー氏は、The Political Power of Social Media
(ソーシャル・メディアの政治的パワー)と題して、
この問題を論じている。
シャーキー氏は、ソーシャル・メディアを、市民社会と
公共空間を強化するための長期的なツールとみなすが、
民主化の要因とはみなさない。
なぜか。──鉄のカーテンの向こう側で、東ドイツ、
チェコスロバキアその他の諸国で革命が起きたのは、飢えた国民
がいたことが原因ではない(飢えただけなら、スターリンの
1930年代、毛沢東の1960年代、金正日体制下のこの20年で
革命が起きたのではないか)。体制に抵抗するだけの強さを
持った市民社会が存在したことだ、という。そのとき、
市民間のコミュニケーションツールは、付随的な要因に
すぎなかったという。
たしかに思い出されるのはポーランドの「連帯」である。
ポーランドの革命運動が強くなったのも、歴史家のポール
・ジョンソン氏が指摘しているごとく、
「神を信じ、神の命に忠実であることが、彼らの絶滅をねらう
ナチスと共産主義者に対抗する最高の防御──ほとんど唯一の防御になる」
と知って、カトリック信仰を捨てなかったからであろう。
強固な市民社会がどこまで存在しているかということと、
ソーシャル・ツールがどこまでできるのかを見極めること、
それが中東に端を発する
民主化革命の行方を占うのに必要な姿勢かもしれない。(HC)
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