高速道路無料化「社会実験」の意味するところは。
[2010年07月28日(水)]http://blog.canpan.info/kobuna/

このブログでも何度もくりかえしていますが、高速道路無料化という政策は総合雑誌「ザ・リバティ」に1990年代にすでに取り上げられていた政策であります。それをどこで、聞いたのか、菅直人氏が、民主党のマニフェストとして取り入れてから、昨年の総選挙においても、継続して訴えていた政策であります。
私自身も民主党の市議時代、この政策が地域を活性化させるものと強い確信を持って、推進の立場を取っていました。青梅市は、圏央道という高速道路が一部区間開通していましたので、この道路の建設促進と、料金の低減を求めていました。西多摩地域でも地方議員が集まって協議会なども開催されていましたので、積極的に出席をしていました。
そうしたある勉強会の席上で、講師として話をしていた方(確か、東京都か、国交省の役人ではなかったかと記憶しています)が、この社会実験について触れました。当時は、圏央道の一部区間について「社会実験」を行うことが決まったばかりの時でしたが、「こうした社会実験とはほとんど、主旨もよくわからず、意味もない」ということを発言していたことを思い出しました。どうも、私には「高速道路の値下げ」とは言えないので、猶予期間ということで、「社会実験」ということにしているのだ、というように聞こえたのですが、そこまではっきりとは話さなかったとは思います。
確かに社会実験といっても、今まで有料であったところを無料化すれば、交通量が増えるのは当り前の話で、なぜ、こうした実験をおこなう必要があるのか、合理的な説明はおそらくできないと思います。民主党ももともとマニフェストで掲げたまではよかったのでしょうが、ガソリン税の暫定税率問題同様、道路予算のねん出のために、やむなく、無料化を断念せざるを得ない状況になっていますが、形式的に段階を踏んでいると見せかけて、時間稼ぎをしてるとみてよいのではないか、と感じました。
また別の機会にふれたいと思いますが、一段落したように見える景気ですが、依然としてアメリカを中心とする国際金融市場において、例のバーゼル合意のさらに踏み込んだ形での自己資本比率の制限がかかりそうな、危険な状況にあります。ここで、一気に高速道路無料化を進めて、物流コストの低下を促すのは大いに景気刺激策として有効になるといえます。見ていると、菅直人という人は、徹底的にリスクを避ける傾向の人にみえるので、ほとんど期待はできないのですが、主張だけはさせていただきたいと思います。
また、今回の記事を見ると、高速バスの人たちは渋滞で大変だ、高速道路や物流業者なども大変だ、などという話になっていますが、渋滞は大変でも、コストが大幅に低下していることについてはほとんど触れていないことは、非常に違和感を感じるといわざるを得ません。そしてそもそも、こうした当たり前すぎることを一面で報道する朝日新聞の編集のセンスについては、大きな疑問を抱かざるを得ません。
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