
トランプ氏、クリントン氏、ニューヨーク州予備選で圧勝 米大統領選
共和党では実業家のドナルド・トランプ氏が95人の代議員のうち、少なくとも89人を獲得。トランプ氏は指名獲得に必要な過半数の代議員の獲得に向けて勢いを得た。今後の選挙戦では、26日に東部の5州で予備選が行われるが、いずれの州でもトランプ氏が優勢だ。
他の候補は代議員数でトランプ氏を上回ることが困難になっており、7月の党大会までにトランプ氏が過半数の代議員を獲得できなかった場合の決選投票にわずかな望みをつないでいる。代議員数で2位につけるテッド・クルーズ上院議員にとっては、来月3日に保守派の強いインディアナ州で行われる予備選には何としても勝利したいところだ。
民主党の側では、ヒラリー・クリントン前国務長官が60%近い得票を集めて、こちらも圧勝。過去8回の予備選では、1勝7敗と負けが込んでいただけに、地元での勝利で息を吹き返した格好だ。民主党も共和党と同様に、26日に東部5州で予備選を行う。
米共和党主流派に変化、NY州圧勝のトランプ氏を評価する動きも
4月20日、米大統領選に向けた共和党の候補指名争いで首位を走る不動産王のドナルド・トランプ氏が、19日のニューヨーク州予備選で圧勝したことを受け、共和党主流派に変化が生じている。写真はメリーランド州で撮影(2016年 ロイター/Bryan Woolston)
[ハリウッド(米フロリダ州) 20日 ロイター] - 米大統領選に向けた共和党の候補指名争いで首位を走る不動産王のドナルド・トランプ氏が、19日のニューヨーク州予備選で圧勝したことを受け、共和党主流派に変化が生じている。
共和党全国委員会(RNC)の春季会合が20日、フロリダ州ハリウッドで3日間の日程で始まった。
トランプ氏の指名獲得に懐疑的だったRNC委員らは、党指導部との対立解消に向けてトランプ氏にはさらなる努力が必要としつつも、党内で同氏は評価する向きは増えていると語る。
RNCのスティーブ・デュプレイ委員(ニューハンプシャー州)は「今年1月の段階でトランプ氏が指名を獲得する可能性は低いとみていた委員は多かったが、トランプ氏のリードがかなり大きくなったいま、(7月の)全国大会より前に同氏の獲得代議員数が過半数の1237人に達し、指名獲得を確実にする可能性がある」と指摘。
「ニューヨーク州予備選の結果は圧勝で、周りでこれを評価する声が聞かれる」と語った。
RNC委員らは、トランプ氏は悪化したRNC指導部との関係を徐々に修復できるとみている。トランプ氏はコロラド州の代議員選出手続きでテッド・クルーズ上院議員が勝利したことを受け、党の手続きは「不正だ」と批判。RNCとの関係はさらに悪化していた。
RNCのボブ・カペル委員(ワシントンDC)は、19日夜の勝利演説でトランプ氏の論調はトーンダウンしたとし、この傾向が続くと期待したいと述べた。
共和党サウスカロライナ支部のマット・ムーア会長は、トランプ陣営が最近、共和党のベテラン政治ストラテジスト、リック・ウィリー氏を選挙参謀に起用したことは良い兆しだと指摘。「トランプ陣営は共和党の指名を獲得した場合、RNCが重要なパートナーになること、RNCの協力がなければ大統領選に勝てないことを認識している」と語った。
関係者によると、ウィリー氏を含めたトランプ陣営の幹部は来週26日に予備選がある北東部5州の共和党幹部と会合を開いている。