なぜ、自民党の「内閣不信任案」に
迫力がないのか。
[2011年05月29日(日)] こぶな将人氏ブログ転載
さて、私たち幸福実現党としては、2009年より国難来たれり、と
いう事で、声をからして訴えてきましたが、今回の菅直人氏の
宰相としての資格なし、と国民運動を始めているのは、単に
「海水注入の指示」についてではありません。もっと根本的な理由が
あったからです。恐縮ですが、自民党のみなさんも、私たちが主張
してきた事を訴えられれば、ある程度の与党議員の賛同をえることが
できたのではないかと思いました。
特に、なぜ今回、私たちが菅内閣の倒閣運動を始めているのかと
いうと、直接的には浜岡原発の停止要請であります。現在の日本に
必要なのは、復興への希望であり、直近には雇用を創出することで
あります。これは菅直人氏も昨年から主張されてきた事なので、
お分かりの事と思います。とくに、菅直人氏の支持母体は、
労組でありますので、言うまでもありません。
そして、雇用創出のためには、経済をググッと押し上げることが
必要です。あらゆる機会をとらえて経済を押し上げる、景気をよくする
方向が必要であります。
そうした中「30年後までに80%の可能性がある」地震の危険性から、
国家の経済活動の要である浜岡原発を、なんら国会で議論すること
なしに、独断により「要請」を行っています。
これが、いかに経済活動にとってマイナスのことであったのか、
この重要性をすぐに認識したので、私たちは、菅直人氏には一国の
宰相としての資格なし、と声を上げたのです。
それ以外にももちろん、二次補正予算の成立目途が全く立っていない
事もあります。
そして、なにより昨年9月の尖閣諸島で起きた事件の対応、これも
すでに決定的な事件でであったと思います。
これだけでも、不信認されてもおかしくはないと思います。
なぜ、こうした正論を自民党の執行部は説けなかったのか、これを
徹底的に追及できなかったのはなぜか、これが本日の最も大きな
テーマであります。
もし、谷垣総裁が、菅直人氏に対して、浜岡原発の停止要請について、
日本経済にどれだけの影響があるのか、そして、なぜ国会の議論を
スル―して勝手に記者会見を開いて要請すると決定したのか、理論
立てて分かりやすく追求すれば、多くの国民ともしかしたら不信任案に
賛成したかもしれない民主党議員もいたかもしれなかったのです。
しかし、すでに、質問そのものの評価は空振り、不発となっており、
民主党議員の動きもストップしてしまいました。
残念ながら、自民党としても2009年の大敗北の時にほとんどだれも、
再建への想いを持つことができず、せっかくのチャンスを逃し、本命
と言われた谷垣氏以外にはビッグネームが参戦しなかったことが
大きく響いたといえましょう。
あの時には、まさかこれほど民主党がこけるとは思わなかったのでしょう。
しかし、現在は全く情況が変わっています。そうした中で、攻撃力
のほとんどない方がトップにいて、その方を変えようともできない事
が自民党の弱さになっています。
ただ、何度も繰り返しになりますが、私も幸福実現党のひとりとして、
本来は私たちが行わなければならない立場にいないという事で、
最後には私たちにも責任があると言わざるとえません。
そうした国政へ影響を与えられる立場にいないという事について、
深く慙愧するとともに、それでもなお、国難打破のために、言論戦は
徹底的に行っていくことを心に新たにした次第であります。
なぜ、自民党の「内閣不信任案」に迫力がないのか。 [2011年05月30日(月)]
サミットでは菅総理がひとつ議論の中心になったそうですが、
報道としては「日本は、原発の情報を速やかに開示する」と
いう程度しか出てきていません。その他には、当然のごとく
中東での民主化支援も俎上にあがったようですが、こちらは
全く伝わってきませんでした。
ひとつだけ、目玉として出てきたのが「太陽光発電」について
でしたが、国際社会としては、全くインパクトがなく、
海江田経産相もまったく知らなかったとの事で、相変わらず
求心力のなさを見せつけることになってしまいました。
また、この企画自体は、2009年の「鳩山イニシアチブ」同様、
国際社会の笑いものになってしまう危険性がかなりあり、
すでにまともには受け止められていないと思います。
これについては、機会があれば改めて触れてみたいと思い
ます。ただ、ひとつ気になったのが、欧州との貿易協定
の交渉に入ることになったそうです。これは、どうみても、
TPPの日欧版ともいえる動きで、報道を見る限りでは
日本にメリットがありそうですが、結局「交渉」でまと
まるとは思えません。アメリカ側がひとつ欧州をけし
かけて、日本に対して貿易自由化の動きを促進させよう
とした一環であると思いました。
結局、日本では、小沢氏渡部氏の合同誕生会と、自民党の
内閣不信任案の提出で、沸騰し「すわ、菅総理の辞任
または、衆議院の解散か」という緊迫した情勢になっており、
サミットどころではなかったというのが、真相のようでした。
さて、そのように、日本の国内政治では一気に政局になって
きた観があります。これも、私たち幸福実現党の大川名誉総裁
による講演会「破邪顕正」において、明確に菅直人総理に対し
てレッドカードを突きつけたことが発端となっていると認識
しています。そして、自民党でも不信任への動きが一気に強ま
ってきました。そして、昨日5月29日(日)の日曜討論では、
各党の主要メンバーが登場して政局への対応について議論が
なされていましたが、どうも自民党側の状況としては思わしく
なさそうな印象でした。
一方、受けて立つ民主党の安住国対委員長は、不信認案につい
ては、否決の自信がかなり強そうでした。現時点の状況をみる限り、
まだまだ可決に至るだけの政治勢力はできていないようです。
たしかに、成立には、衆議院の過半数の賛成が必要ですので、
与党側からおよそ80人程度の造反者がでなければ難しい計算に
なります。現時点では、小沢氏を中心とするグループの50人程度
は決意しているようですが、その他に30人程度の賛同者を集め
なければならず、まだまだ難しいというのが現実であります。
先日のブログで紹介したテレビ東京の田勢解説委員も現在の状況
については「不信認案は可決できないだろう」と述べています。
ただし、もし不信認案が提出された場合、小沢氏のグループは
賛成に回ることが予想されますので、離党という選択をする可能性
が高まります。そうなると、いずれにしても菅内閣の求心力はもっと
弱まると思います。そして、政治そのものがより流動的になり、
なにも決まらなくなってしまう事になると思います。
ますます国難が深まると言ってよいでしょう。
時事通信の世論調査によると、国民の7割が菅総理の辞任をもとめて
いる中で、永田町では、菅総理はひとつの危機も左うちわで乗り切る
ことができそうな情況になってしまいましたが、さて、このような結果
になったのは、もちろん菅直人氏の政治判断が政治家に理解されたから
ではありません。
まず、与党議員にとって、内閣不信任案に賛成するということは、
ある意味政治生命をかけた判断になるということです。もちろん、
当然のことながら民主党から離党しなければなりませんが、かといって
特に小選挙区選出議員は、自民党に鞍替えをすることはできません。
すでに同じ選挙区には、自民党の候補者がおり、ライバルとして鎬を
削ってきたからです。比例出身になればなおさらです。
民主党と書いた有権者に対しての背信行為になるからです。
さて、そのように確かに大きなリスクのある判断になるわけですが、
実はこうした結果に至ったのは自民党に大きな原因があるという仮説に
ついてアップすることといたしました。評論家の田原総一朗氏も、
今回の菅内閣不信任案に賛成の立場をとる事を明言している一人で
ありますが、氏の指摘は「23日の自民党谷垣総裁による質問が不発で
あった」事を残念に思っています。
この質問とは、衆議院で行われた「東日本大震災復興特別委員」の事
を指しています。自民党を代表し、谷垣総裁が満を持して質問に立っ
たのですが、田原氏の指摘によるとこの質問で徹底的に菅総理を
追い詰め、一気に不信任案提出への動きを加速していく予定で
あったそうです。
ところが、ふたを開けてみると、谷垣総裁の質問の主旨は
「原子炉への海水注入について、官邸から東電へ中断の指示を出した」事
に関して、一国の総理としての資質を問うものとしたかったようでした。
しかし、菅総理の答弁では、そうした事実がない、との事で、議論が
続かず、質問としてははっきり言うと「失敗に終わった」と思われて
しまいました。
これにより、本来は菅降ろしの動きが出てきて、国民にも理解を得られ
ながらうねりを作っていくはずだったのですが、肝心な質問が不発に
終わった事で、その後の動きが全くなくなってしまったというのが
真相のようでした。
この顛末を聞いて、確かに私も衆議院でのやり取りを思い出しました。
確かに谷垣総裁の迫力は感じましたが、私から見るとどうも本質を
はずした議論で、菅直人氏も対応がやりやすかったのではないか、と
思いました。期待していた方々も裏切る結果となったのでしょう。
http://blog.canpan.info/kobuna
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本来は私たちが行わなければならない立場にいないという事で、
最後には私たちにも責任があると言わざるとえません。
そうした国政へ影響を与えられる立場にいないという事について、
深く慙愧するとともに、それでもなお、国難打破のために、言論戦は
徹底的に行っていくことを心に新たにした次第であります。
こんな人に政治を任せたいです。