久々に室蘭。
しっかし学生時代は本当によく室蘭に行った。
たいがい、やっすんと行ったな。
九時くらいにメールがくる。あるいは俺からする。
二人とも暇だったらとりあえずドライブ。
行ったことないところにいくのが二人ともたまらなく好きなので、とりあえずどっか行くことになるのだが、これが決まって室蘭に行くことになるのだ。
室蘭の魅力というのは一言では語りつくせない。
室蘭は一日にして成らず。
まず千歳から支笏湖へ行く。
支笏湖畔を廻って洞爺湖へ出る国道をひた走る。
洞爺湖まで出るとそのちょっと先で太平洋にぶつかる(太平洋沿いの国道37号に突き当たる)。
でもその手前の久保内という集落で左に曲がる。これで伊達市に出る。伊達は室蘭の隣町だ。
伊達から室蘭は10キロ程度で近い。
そこまでの伊達までの道が楽しい。
適度なワインディングコースで、道は整備されて安全で、別に攻めたりはしないが、
気持ちよく伊達までイッキに走れる。
室蘭からは太平洋沿いを経由して、苫小牧に出て千歳空港を眺めつつ帰ってくる。
帰ってくる頃にはすでに3時や4時なので疲れている。室蘭から札幌までを1直線でつなぐ国道26号は、疲れている身体にやさしい。
完璧なドライブコースなのだ。
そして何よりもこのドライブコースを完璧なものにしてくれているのは、やはり室蘭という街だ。
なんといっても寂しい。
どの商店街も
閉店ガラガラ、出たぁ・・・!(岡田)
なのだ。そもそもこんな風に連なった商店街というのは北海道の町ではなかなか見られない。だから、商店街の多さで、まずこの街が古いことを教えてくれる。
そしてそれらが全部閉店してるのだ。
シャッターが閉まってるのは当然夜だから。もしかしたらこれらのシャッターをおろしている店の中に、まだ営業中の店もあるかもしれない。
でも、言葉では説明できない寂しさが商店街全体を覆っている。言葉では説明できないこの寂しさが、全部閉店してるんだってことを察せずにはいられない。
商店街の上に数十m間隔でスピーカーがある。日中は音楽でも流しているのかもしれない。
昭和40年代ころにこの街は、この商店街は、もっと栄えていたんだろうな、と思う。このスピーカーから美空ひばりかなんかの歌が流れて、この商店街をスバル360とかが行き来したのかな。
まぁとにかくそういうさびしい街。
で、室蘭には平地が少なくて、湾を取り囲むように山があって(湾全体がカルデラなんだろう)、そこに団地が広がっている。で、これらの団地も当然ゴースト化しているものが多い。
その山の上の団地に登って、そこから湾を望む。
すると絶景が広がる。 あの寂れた商店街がこの中にあるなんて信じられない、絶景。
かつて鉄鋼で栄えたこの街は、しかし今でもかろうじて北海道第二の工業都市。
ちょっとした石油コンビナートとか風力発電とか、白鳥大橋がライトアップされている。
あのゴーストタウンと化した商店街や団地。それとはあまりにもギャップのある夜景。
ファイナルファンタジーの次作は、室蘭を舞台にすればいいと思う。いや本気でそう思う。
俺、ファイナルファンタジーやったことないけど。
しかもこの夜景が、手にとれるほどの距離で見れて、尚且つ観光化されていない。
これがまた奇跡。
古い町だし山が多いから、小樽のように道が入り組んでいる。平地がない。その為だろう、国道36号の終点部分(室蘭駅あたりまでの部分)は「室蘭新道」となっている。
いわば無料の高速道路。当然ガラガラ。これもまた良い。
地形、寂れ具合、夜景、道路環境、そしてうちから室蘭までのドライブコース。まさにどれをとってもパーフェクトなドライブコースなんだよな。 でも絶対に住みたくはない。 この感覚、理解してくれる人は少ない。
ぼやけた。 測量山の頂上のテレビ局各社のアンテナ(だよな?たしか)は7色(?)にライトアップされる