あの広島旅行から、1年が経とうとしています。
ちょうど1年前のこのブログでも旅について語られています。
結局、学生時代に車で本州に3度渡ったわけだけど、広島が一番楽しかったかも知れない。
一番旅らしい旅。
現地の人々と触れ合える機会が多かった旅だった。
一人旅というと、もうその時点で、さぞかしその土地その土地の人達と触れ合えて楽しいんだろうな、と俺は想像していたのだけど、全然そんなことはなくて、何もしなければ何も無い。
一人で苫小牧までドライブに行くのと同じで、ただその土地が盛岡市であり、花巻市であり、水沢市であるだけ。
寂しい。
昨年の広島旅行では、色々な人と触れ合えたと思います。
まず、この旅で絶対に外せないのが、広島県府中市にある
自然の森MGユースホステル。
まず夜中に敦賀に上陸して、夜中ひたすら走って、翌日から2連泊したのが、この宿。
で、その後、広島市で3泊、下関市で2泊した後、再びここへ帰ってきて1泊したのだ。
とにかくアットホームなユースホステルでしたが、同じ日に泊まった旅人さん達にも恵まれました。
ここから海へ南下すると尾道市があります。
瓦屋根が坂に密集してる、風情ある街です。小樽の和風版です。
ここがまたスゲー良い町。
ホントに。
ここで、公園で寝っころがってる柴犬風の犬に出会いました。
なんでこんなところで寝てるんだろうと思って、犬を見ていました。
そしたら次第に子供達が集まってきて・・・
実はこの犬はテレビでもたびたび紹介される名物犬なんだそうです。
旅ならでは、です。
広島市内の宿の食事係のおばさんは江別出身ということでした。
でも、中学生のときに親の転勤で広島に来て以来、北海道には行っていないそうです。
「あのへんは大きく変わったんだろうね」
と、すごく聞かれた。
でも、俺はそのおばさんが何歳くらいなのか見当が付かなかったし、江別がどういう風に変化したかもよく知らない。
広島市内は、縦横無尽に路面電車が走っている。
で、これ、どこまで乗っても一律150円。
いろんな路線があるから、当然乗り換えも必要な場合があるけど、乗り換えても150円。
非常に便利だ。
なんとも表現しがたいのだけど、本当に良い町だったな、広島は。
その後、山口県へと車は進んだ。
小学校のときに
「僕らの地図旅行」という絵本を買ってもらった。
小学5年生の2人が、地図だけを頼りに歩いて隣町まで旅する話だ。
で、これが実際にある土地をモチーフに描かれている。
小さな田舎の港町なんだけど。
小さい頃から、地図が大好きで、この絵本は昔よく読んだ。
で、山口県まで来たときに急に思い出したのだ。
「そういえば、あの絵本・・・山口だか広島の田舎が舞台だったよな」と。
で、早速、その土地の図書館に入って、絵本を見る。
防府市の隣だと分かる。
いざ、防府へ。
ちなみに防府はマツダの工場がある。
で、絵本では旅は小さな駅から始まる。
で、防府市周辺のJR駅をいくつか廻った。
すると3つめに見覚えのある小さな駅を発見。
まさに絵本の中の駅なのだ。
これには感動した。
一人で興奮した。
とても寂しい駅前。
見てたら泣きそうになる。
で、絵本の中の二人が歩いたルートをなんとか思い出しながら車を走らせた。
絵本では小さな老人ホームの横を通るんだけど、今では立派な老人福祉施設になっていた。
県道なんだけど、横に立派なバイパスができていて惑わされた。
で、ついに絵本で出てくる港町に到着。
農協のオレンジ色のビルと、魚屋の交差点が、絵本のまんま。
本当に感動したな、これには。
思わず魚屋に入って確認したもん。
で、役場兼図書館なるものが近くにあるからって言われて、言われるがままにその図書館に。
ちょっと興奮していたので、勢いで入ってみたが、実際のところ別にここの図書館にきて、何かすることなんてない。
なのに、入ると、その図書館に若者が入ってくること自体珍しかったのか、おばさんとおじさんに話しかけられた。
きっと地元の図書館でこんなことされたら、煙たくて仕方なかったと思うんだけど、このときはなぜかごく自然なことだった。
で、この図書館には例の絵本が5冊も置いてあった。
この町の財産のようだ。(小学館だか福音館書店から出てる、割と有名な絵本です)
さらにこの後、絵本での最終的な目的地である、この町の灯台にまで行った。
絵本の主人公達と同じように、やはり迷った。
灯台が見つからない。灯台なんて高いところにあるんだから、どこからでも見えるだろうと思ったら、全然見つからない。
絵本の中と同じ。
この物語のリアルさを始めて知る。
で、いきなり公園が現れて、誰もいなくて犬とおじいさんだけが居て、結局そのおじいさんと犬が灯台まで連れて行ってくれた。
おじいさんはこの灯台が出来てから、毎日犬と灯台まで散歩に来るそうです。
絵本では「新しい灯台が出来たから行ってみよう」ということだったけど、絵本自体が俺が生まれた頃のもので、実際に灯台もそこそこ古くなっていました。
本当に感動的な旅の1ページとなったのです。
こういうのは一人旅じゃなければ絶対にあり得なかったことだろう。
その後、下関で2泊。
泊まったのは下関だけど、中一日ずっと北九州にいた。
小倉のデパートのラーメン博物館的なところに「さんぱち」が札幌の名店として入居していた。
で、その後いっきに広島まで戻って、例のユースホステルに泊まり、翌日には京都の妹の部屋にたどり着くこととなった。
これを書き終えた今、身体がむしょうに旅に出たがっているのですが、どうすればいいんでしょうか