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倭人語のすすめ

倭人の言葉が残されていた。古事記の神々の多くは、秘文とされた文書を基にしていた。一音一義の倭人語を解き明かしたいと思う。

弓前文書 第1章第1節

2025-03-08 11:16:53 | 弓前文書(神文)
1000アマツムカムロミチパツノ[天真津威醸移現育晴゜積延 a ma tuiumu ka mu ro mi tiu pa tu nou]
【原本訳】大宇は意図す、大自然変化の流れ。行く道筋、始まりの秩序立て。
【一音訳】[天]ああ![真]真の姿[津]意図は[威]偉大な変化力[醸]進む[移]~ている[現]ありのままの姿[育]力の流れ[晴゜]大自然の持つ意志と力を[積]積み上げ[延]秩序立て
【文節訳】[天真津]大自然がいとしたこと[威醸移]自然変化が進んでゆく[現育]道筋の[晴゜積延]始まり
【解釈訳】第1章は大自然がどのような順序で秩序が整って行ったか、大自然の誕生と進化についてが書かれている。自然変化の力の道筋という標題の下に、四つの秩序の仕組みを説いた。原本訳で[天真]を大宇という造語をつかっているのは、宇宙・自然よりも広い概念、物質化する以前の物質も光もない宇宙も含めてを示そうとしている工夫。
【意訳】大自然の始まり(第1章章題)


1001アマツムイマスパルヌ[天真津厳真澄晴゜活沼゜a ma tiumu yi ma su pa ru nu]
【原本訳】大宇は意図す、原点の真相は、事態の自在無限なる疎密活動にある。
【一音訳】[天]ああ![真]真の姿[津]意図した[厳]原点[真]真相[晴゜]大自然の持つ意志と力[澄]吸い取る[活]動き[沼゜]無限・渾沌
【文節訳】[天真津]大自然は目指した[厳真]原点の真相は[澄晴゜活]疎密運動により[沼゜]無限となること
【解釈訳】物質もない、光もない、真っ暗な空間。何もない世界。いや、物理的空間でもないかもしれない。物質も光も出来る以前の宇宙にエネルギーが無限に渾沌とあった。それを、秩序立てるのが大自然の意志であった。エネルギーを無限にすることができた真相が疎密運動である。
 疎密運動とは、エネルギーの濃いところから薄いところへ吸い込まれて行く運動のこと。高密度から低密度へ力が動く。虚密運動のイメージとしては台風。南洋で海水が暖められて蒸発すると空気は上昇する。空気が上昇したところは空気が薄くなるので気圧は下がる。すると周りから風が吹き込んでくる。吹き込んできた空気はより空気の薄いところを目指し上昇する。上昇気流が大きくなるとさらに周りから空気が風が吹き込む。虚は密になり密は虚になり、その繰り返しで、巨大なエネルギーの台風となる。大自然を生み出した原点は疎密運動だった。
 大自然は疎密運動によってできた無限で混沌としたエネルギーの場になった。物質的な大自然・大宇宙の始まり以前の姿である。
【意訳】宇宙の真相の原点は、疎密活動が引き起こす大混沌状態である。(第1章副題)


1002アマノマナカヌチ[天真延真成威沼゜雷゜a ma nou ma na ka nu ti]
【原本訳】大宇の秩序立ては、事態が驚きの無限力塊の姿となったことである。
【一音訳】[天]ああ![真]真の姿[延]秩序立てる[真]真に[成]成った[威]恐ろしい程偉大な[沼゜]無限の[雷゜]エネルギーの塊
【文節訳】[天真]大自然は[延]秩序立てる[真成威沼゜雷゜]驚きの無限のエネルギーの塊
【解釈訳】疎密運動によりできた無限と渾沌。それを、驚きの無限のエネルギーの塊に秩序立てること。
【古事記】アマノマナカヌチは天御中主(あめのみなかぬし)の神の名の由来
【意訳】宇宙の混沌状態のエネルギーは秩序立てられて行き、無限大のエネルギーの塊となった。(第1章副題2行目)


1100オアマパツメ[大天真晴゜積芽 o a ma pa tu mai]
【原本訳】大自然、始まりの芽生え。
【一音訳】[大]大いなる[天]ああ![真]真の姿[晴゜]大自然の持つ意志と力[積]積み重なって[芽]芽生える
【文節訳】[大天真]大自然・宇宙の[晴゜積]始まりの[芽]芽生え
【解釈訳】大自然・大宇宙はどうやって始まったのか。物質も光もない状態の大自然・大宇宙が今のような物質的な宇宙・自然できあがったのはどのような過程があったのか。その始まりから説く。
【意訳】大自然の芽生え(第1章第1節節題)


1101カミムツピ[威実醸積霊゜ka miu mu tu piu]
【原本訳】物質を造るという驚きの意志が生まれた。
【一音訳】[実]物質[醸]生み[積]増大させる[威]恐ろしいような驚きの[霊゜]自然の意志と力
【文節訳】[威]驚くべき[実醸積]物質を造るという[霊゜]意思が生また
【解釈訳】物質も光もないが無限のエネルギーがある真っ暗な宇宙で、物質を造ろうという大自然の意志が生まれた
【古事記】神産巣日(かむむすひ)の神の名の由来
【意訳】宇宙に物質を造ろうという意志が生まれた


1102タカミムツピ[垂威実醸積霊゜ta ka mi miu tu piu]
【原本訳】力は発動した。物質を造るという驚きの意志のそれだ。
【文節訳】[垂]溢れ出た[威実醸積震゜]物質をつくるとう驚きの大自然の意志
【解釈訳】物質を造ろうという大自然の意志が溢れ出た。つまり物質が生みだされた。物質世界の誕生だ。言い換えれば、見えない宇宙が見える宇宙になったということ。
【古事記】高御産巣日(たかみむすひ)の神
【意訳】物質を造ろいう意志が実現し、物質が出現した。


1103ウモマチパツカピコポヂ[美萌増育晴゜積威日凝火゜雷゛u mou mau tiu pa tu ka pi kou pou di]
【原本訳】出現莫大なる増殖、爆発的に数多(あまた)火の玉の素粒となった。
【一音訳】[美]生まれ[萠]目に見えて物質が増加して行く[増]物質増加の最大[育]力の流れ[晴゜]大自然の持つ意志とその力が張り出す[積]増大して行く[威]恐ろしい程の[日]エネルギー[凝]塊となり[火゜]燃え[雷゛]数多くのエネルギーの塊
【文節訳】[美萌増育]生まれ燃え増殖する力[晴゜積威]爆発し[日凝火゜雷゛]数多の火の玉となった
【解釈訳】宇宙誕生の初期、物質の種が創造されて行く状態を表現している。どんどん物質が増えて行き、恐ろしい熱と光のエネルギー火の塊の始まりで、宇宙の内部の状態を表している。何もなかった宇宙。そこに出来た物質は、爆発的に増殖し、火の玉群となってひろがっていった。
【古事記】宇摩志阿斯訶備比古遲(うましあしかびひこぢ)の神
【意訳】物質は爆発的に増殖し、数多くの火の玉群となった。




1104アマツムタユクモプルノ[天真津垂結奇基震゜活延 a ma tiumu ta yu ku mo pu ru nou]
【原本訳】宇宙の心、溢れ出た力は奇しき大本となって、大震動を起こし、秩序立てられて行く。
【一音訳】[天]ああ[真]真の姿[津]意図する[垂]溢れて[結]つながった[奇]不思議なる[基]大本の姿[震゜]振動[活]~して[延]秩序立てられてゆく
【文節訳】[天真津]大宇宙の意図は[垂結]溢れる力をつなげて[奇基]奇しき大本となり[震゜活]振動させ[延]秩序立ててゆくことだった
【解釈訳】宇宙誕生の初期、物質の種が創造されて行く状態を第三者、別の宇宙から観察してるような表現。エネルギーの集りである火の玉群は大振動を起こしながら四方に飛び散って行く。然しそれは無秩序に飛び散つて行く訳ではない。それぞれ纏りながら飛び散って行ったのである。最後に[延]の字があるところから、爆発の放射状に宇宙が形成されて行ったように、その意味をくみ取ることが出来る。[奇基]は雲の語源。
【古事記】豐雲野(とよくもの)の神
【意訳】数多の火の玉群はモクモクと振動しながら広がり延びていった。


1105アマノザヅチ[天真延陜積゛育 a ma no tsau du tiu]
【原本訳】宇宙の秩序立ては、まとまろうとする力が働いて行く。
【一音訳】[天]ああ[真]真の姿[延]秩序立てられてゆく[陜]接近し[積゛]どんどん増大する[育]力の流れ
【文節訳】[天真延]宇宙は秩序立てられて行く[陜積゛育]狭められようとする数多さまざまの力の流れ
【解釈訳】大自然と言ってもまだ大地も存在していない段階なので舞台は宇宙である。物質が生まれ一気に火の玉となって増殖した。それら増殖した物質が秩序をもってまとまろうとする力が働いて行く。渦巻く力が回りのものを段々引寄せて行った。
【古事記】天狹土(あめのさづち)の神
【意訳】まわりものものを引き寄せまとまろうとする力が働いて、宇宙は秩序立てられていった。


1106アマノトコダチ[天真延保堅垂゛雷゜a ma nou to ko da ti]
【原本訳】宇宙の秩序立ては、数多流れ出す自由力の永久不変の形成にあった。
【一音訳】[天]ああ[真]真の姿[延]秩序立てられてゆく[保]蓄えられている意志と力[堅]変わらない[垂゛]どんどん溢れ出る[雷゜]エネルギーの塊
【文節訳】[天真延]宇宙は秩序立てられて行く[保堅]永久不変の[垂゛雷゜]溢れ出る数多のエネルギー体
【解釈訳】まとまろうとする力が働いた結果、永久不変の数多くのエネルギー体が出来上がった。爆発的に増殖した物質は星となったのだ。
【古事記】天之常立(あめのとこたち)の神
【意訳】宇宙には秩序ある永久不変のエネルギーの塊である星が出来た


1107アマノイクノザヂ[天真乃奇延陜゛育゛a ma noi ku nou dza diu]
【原本訳】宇宙の姿は、不思議な数多まとまりの力が働き合っている。
【一音訳】】[天]ああ[真]真の姿[乃]次のようになった[奇]不思議な[延]秩序で[陜゛]どんどん接近する[育゛]力がどんどん流れる
【文節訳】[天真]大宇の秩序立ては[奇延陜゛育゛]不思議な秩序でまとまろうとする力の流れ[乃]となった
【解釈訳】大宇宙に広がった星にはまとまろうとする力が働いている。
【意訳】宇宙の星々の間にはまとまろうとする力が働いている。


1108アマノイトコヂ[天真乃充凝雷゛a ma noi tou kou di]
【原本訳】宇宙の姿は、さまざまな星で満たされている。
【一音訳】[天]ああ[真]真の姿は[乃]次のようになった[充]充実して[凝]固まった[雷゛]たくさんのエネルギーの塊
【文節訳】[天真乃]宇宙の秩序立ては次ような姿となった[充凝雷゛]満天の星で充たされている
【解釈訳】星々には互いに引き合う力があると考えた。満天の星は全体が北極星を中心に回転している。更に北斗七星のような星座も互いに引き合う力がはたらいているのだろう。海洋民族として、星座を頼りに行動するのにも必要なことだったろう。満天の星空、その星々の間には力が働いて規制しあっているのであって、無秩序に動いている訳ではないと弥生人が考えたのは自然なことだろう。
【古事記】國之常立(くにのとこたち)の神。古事記の神々はは天があれば国がある。1107のクノザヂと1108のトコヂの二つを合わせ、国之常立神というものを作って、天、国の二律相対とした。このため1106の天之常立と本来ならペアであるはずの1105の天狹土は八百万の神に入ることとなった。
【意訳】宇宙は様々な星、星座で満たされた




閑話
 弓前文書第一章第1節では宇宙の創成が述べられています。まるでビッグバンのような話です。そんなことが文字もまだない二千年も前の弥生人が考えられたのだろうか。疑問でした。


 古事記の神々の名をの由来を示してきましたが、弓前文書から発音を引用し漢字を当てはめて神々の名前を考えるのはそれほど難しくないと思われます。その逆に、古事記の神々の名前から弓前文書をつくること、弥生の言葉をつくるのは無理だと思います。
 弓前文書は、弥生の言葉で自然の摂理を、思想を弥生の言葉で説いたものです。
 弓前文書は弥生時代、文字もなかったのに、口誦で伝えられ、弓前値成によって漢字を利用して文字化されたのです。弓前文書は秘聞とされ、一般には出回っていません。平成になって弓前文書を受け継いだ池田秀穂が公開したのです。教科書に載っていなかった、弓前値成なんて知らなかったのは、当たり前のことだと思います。

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