先日の脳の話の続きです。
物事に興味を持ち、好きになる力があり、人の話を感動して聞くことの出来る子供に育てておくことが、A10神経群で、情報に対して「興味がある」というレッテルを貼られやすくなります。そして、「興味がある」というプラスのレッテルを貼られた情報に対しては、脳がしっかり働くということが、解っています。
A10神経群から、前頭前野(理解・判断)へ送られた情報は、自己報酬神経群(様々な情報を一つの気持ちや考えにまとめる)へ送られます。
この自己報酬神経群は、「自分から進んでやりたい」「自分で決めたことを、自分で達成したい」という気持ちによって働きますから、「何を頑張れば良いのか」課題や目標を明確にして、全力で取り組む素直さや最後までやり通す姿勢を身に付けておくことによって、最大限に持てる力が発揮される、即ち達成へ導く部分です。←脳が発達してくる7歳~10歳以降、「自分からやりたい」という自主性・主体性を持ち始め、指示されると「今、やろうと思っていたのに!」という言葉が、子供から飛び出します。これは、脳の発達に伴って、自己報酬神経群の働きが活発になっている証拠です。
自己報酬神経群の機能を高めつつ、良い方向に子供を導くためには、「良い質問を投げかけること」そして、子ども自身に選ばせることが大事。
ピアノの上達も同じです。3~7歳の脳は、まだまだ発展途上、心と本能のギャップが生じやすい時期。「あれ?今日はいつもと調子が違う。」とか、「どうして、知っていたのに、言えなかったの?」とか、「前回のレッスンで、こっちの弾き方が“いい!”と言っていたのに、元に戻っている。はて?」など、不思議に思うことがあるはずですが、あって当然で、反抗しているわけでも勿論なく、子供自身が本能と心のギャップをさばけないだけなのです。子供の気持ちを整理してあげて、上手くさばけるようになるまで、見守ってあげることが大事ですね。
7歳~10歳以降、この自己報酬神経群の働きが活発になってくる頃、時間の使い方が上手くなり、ピアノの練習時間・習慣を身に付けておくことが、上達の必須ポイントとなります。今、高校生になっている生徒さん達が、その時期を迎えた頃、●「いのちの授業」日野原重明著(ユーリーグ)●を読んでもらいました。1人1人の存在の大切さや、時間を大切に使って多くのことを知り充実した生き方をしてほしいし、今日この日の時間を大事にして、継続的なピアノの練習時間を、自ら作っていってほしいと思ったからです。
生徒さんが本を返却してくれた時、「いのちって何だと書いてあった?」という私の質問に、生徒さんが「じかん」と答えてくれたことは、言うまでもありませんし、練習ノート(ピアノを練習した時間を書く)が、続き、上達の度合いがグンと増したことを思い出します。
生徒さん達が、大人になった時、持てる力を発揮し充実した人生を送ることが出来るように、今現在「その時期だからすべきこと」を発達段階に合わせて、十分に伸ばすことができるように導くのが私の役割です。
頑張ります!