作楽会 いけばな 草月流

作楽会いけばな教室 生徒さん募集中!
於:お茶の水女子大学国際交流留学生プラザ1階
月3回(金曜2回・土曜1回)

210311 New Challenge Exhibiti 水のない いけばな展 4期

2021-03-11 16:12:00 | 草月展など
最後の4期になって、作品の配置かしら?写真が撮りにくかったです
4期は55作品、作品数が多かったからなんですね
一部を撮り損ないましたが、撮影した中からいくつかご紹介します
詳しくは、お家元のリモート鑑賞ツアーをご覧ください 
 
 
綾星の他にも、各期に足を運ばれた方、
あの期のあの作品が良かったけど、写真は無いの?・・・というのがございましたら
ご一報ください
できるだけ、更新してあげてみたいです
お家元のリモート観賞ツアーがアップされましたので、各作品の作者・題・花材・ポイントを青字で加筆いたします
 
 
今期もお家元の作品からご紹介します 「家元作品の制作」動画はこちら
正面、しゃがんで拝見するとこのように見えます
 
下から登っていくと初めはこのように、そして正面から見ると3枚目のように見えます
勅使河原茜家元/RebornⅣ/アララギ・ドラセナ花殻・グラスファイバー・ヘアースプレー
動き出しそうな感じ、足が軽やかで上が重いところが面白いと思う
グラスファイバーはヘアースプレーで固めた
 
 
改めまして拝見していきました
 
 
宇宙の渦を見ているようです。覗き込むんだのが2枚目の写真
多田霞優/三密は嬉し/ミツマタ一種いけ
細かくてかわいらしい、軽やかでリズミカル
 

  
丁寧に編んだ球体と曲面
加藤湖昌/飛びたい!/竹
パタパタと上がる感じはたしかにする。丁寧に編み、気持ちが良い作品
 

乾燥して硬いはずのミツマタが、柔らかい曲線を作っています
これは後ろ・下から見たところです
荒木草詠/西風が見たもの/ミツマタ・タンブルウィング
ミツマタをかなり動きを持って表現している、風で転がる素材を使っていて風を感じる
 

もと植物だったティッシュと箱
木崎宏恵/ヤッホー/グラスペディア・ティッシュボックス・ガラス花器
なぜ選んだか、いつも個性的な作品を出している方なので思いはきっとあるのだろう


 
横長の作品を横から見て撮ってみました→やはり正面から見たほうが深海生物っぽかったです、すみません
北村青霞/深海生物/ヒマワリ・オクラ・エリンギ・苔・エリンギ・トウガラシ
角度によって違う、正面から見ると口を開けたみたい、動き出しそう
   
 
同じくヒマワリの作品、縄をつかった作品はほかにもありました
今村草玉/融合/ヒマワリ・ロープ。鉛
いろんな角度で違いが出る、ヒマワリの丸みと曲線の面白さ異質素材との対比、動きがいい、空間も出ている
 

中に鉄の土台が入っていて、作ったようです、少し見えます
阿部琇扇/漂白花材の楽しさ/シーブッシュ・スズメ瓜
シンプル、中に土台がありそこに素材の面白さと色の効果も出ている
 
 

不思議に曲がった竹の構成、竹は金色に塗られて息が止まり金属になってしまったようです
伊藤静夕/変容/竹
輪切りにしてみたり、巡り巡っている感じが面白い、竹の形も自分で変えたのか工夫していてかっこいい
 

青竹の作品はお正月を連想させます
松野紗光/蓬莱城・ラ・プリマヴェラ/マダケ・ササダケ・サンゴミズキ・ヤナギ
香川県の亀山城を思って作ったのか、動きがいい形で立体感を出している
 
 

こちらも青竹の作品
水のないいけばなということであえて剣山を見せている
古月清舟/囲城(内にあらば出でんと欲し外にあらば入らんと欲す)/アクリル・竹・ハラン・剣山
思いがおありになる。剣山も素材。剣山の形・アクリルの穴の形。世界が出来上がっている。
 

着色した竹の線を楽しく組んだ作品
ちん玲/次元/竹ひご・竹の枝
色の組み合わせで個性が出る、柔らかい


地衣類も水なしで使える緑
山本彩華/希望/ツル・エアプラン津・ナタ豆・オーニソガラム・砂
かなりいろんな素材が混ざり合っていい感じ、オレンジの曲線がいい


このように太い木を、どっしりとでも楽しげに軽やかに使った作品が各期にありました
魚津萌玉/金の洞/ヒノキ・真鍮
見る角度によって違う、きれい、空間が面白く出ている、真鍮が自由に動いている
 


めずらしく花器を使った作品
花器からモクモクと這い出し広がっていくようです
虻川愛/壺の中から夢や希望がジャジャジャジャーン!!/自作花器・ワイヤープランツ・和紙入り石膏ボード・アクアバルーン
柔らかい繊細な部分と球体が上昇する感じも出ている
 


骨を連想させる白に濃い緑が効いている
三浦紅舟/脱皮あるいは再生/和紙を張った木・コウゾ・苗
層にした重なり合いが面白い、丁寧で繊細な作りをじっくり見るとよい
 

 
正面から見おろすと横長なんですが、しゃがんで横から撮ってみました
木村緑星/きざし・春/ニューサイラン・試験管・ペッパー紅
石の上にぴったりの作品 。石の冷たさに対して暖かい。
 
 
強い黒と赤、その後ろから見え隠れする植物が楽しい
左の模様はタケの節だろうか
新屋真峰/月映え/鉄・トウ・ツゲ
鉄の面の使い方が面白い、個性がある、思いが強く出ているがシンプル、やりたいことがはっきりしている
 


枯らしたアンスリウムも味があるなと思いました
岡希久子/統合/アンスリウム・モンステラ・鉄
自作鉄、色で一体化している、アンスリウムが何とも言えない、語り合っている、整然としている   
 
 

 
丁寧に巻いた葉の筒の繰り返しによる作品 
これは、鉄の土台と中心に1本鉄が貫いているのでしょうか
北田紅桃/赤と紅の協奏曲/ドラセナ
リズミカル、動きがある
 

質感や色の配分も考えてあえてプラスチックのバランの緑を多く厚くしたのか
竹皮はバレンにするけど、バレンとバラン?・・・
田中暁/ころな 晴れたかな/竹皮・バラン・センニチコウ・エリンギ
素材の選び方が面白い、バランが生々しい質感と色、よくこれに出会った


花器のように見える土台は、梱包材料でしょうか
いろんなものが使える素材になるんだと各期で教えていただいたように思います
野澤彩葉/萌芽/カラタチ・シーグレープ・ヤツデの実・梱包材
色の効果が全体的にある、一体化していて面白い  
 


書斎やリビングに置いたらよさそうな作品
木口海洸/箱と線/ミツマタ・シュロ縄
表情の違いが面白い、シュロ縄がいい形で動きを出している
 


こんな自作花器もあるのかと楽しくなる
李樹星/会話/透明ビニールシート・カラタチ・アスパラプルモーサス
会話している 。ビニールの伸ばし方でいろいろ、アスパラガスも繊細  
 
 


団扇の骨の一種いけ、これはプラスチック骨? 
宮川美翠/換気/プラスチック団扇
今は換気ですね。曳いて引いて見ると軽やか。大きい美術作品として存在できる、シンプルでかっこいい。
 

積み木や郷土玩具のような作品
切り口を丁寧につなぎ合わせて構成している
牛久保翠吏/エンドレス/コウゾ・和紙
ずっと続いていきそうな感じ、組み合わせていくと形との出会いがある、どんどん広がっていく。動きが面白い 
 


なるほどお教室にある三角の花器を使ってこういう風にまねできるかなと思わせる竹皮の一種いけ
竹串で留めてあるようです
海老原綾霞/石は夢みる/竹皮・竹串・那智黒石・鉄
那智黒石にびっくりする、はじめての形。包まれている。生まれてきた感じ、希望につながる。
 
 

素材はなんだろう、少ない量の青と黄色が効いている
杉山貴彩/春のこころ/藤蔓・竹
竹が動いている、作っているので竹に見えない。ポイントの色が何とも言えない。
 
・・・・・・・・・・
お家元のまとめ
これだけの作品を見せていただいて元気・勇気・朗らかな気持ち・笑い・びっくり・・・すごい作品ばっかりだった。作者に会いたくなった。個性豊か、さすが草月。プラザだからこそだったし、プラザがよみがえり、プラザになんなく作品が存在したのがすごい。
この状況の中でトライして、大成功だった。皆のアイディアが花開いた。
それではまた元気でお会いしましょう。ありがとうございました。
 
 
・・・・・・・・・・
5階の日本間も見てきました
日本間は前回と同じで、床の間はいけかえられていました
 
 
・・・・・
同じ5階で本部教室が開かれていて、その花材の一部を見ることができました
 
アオモジとおかめ桜です
他にはトサミズキやウリハダカエデ、黄色い花のサンカクアカシアなどがありました
 
緊急事態宣言でおけいこ中止の間に、季節が変わっていきますね
 
今日3/11、観測史上一番早く広島でソメイヨシノが開花したとのことです
~文責・綾星~

210304 New Challenge Exhibition 水のない いけばな展 3期

2021-03-04 15:56:00 | 草月展など
New Challenge Exhibition水のない いけばな展 3期
50作品の一部を撮影してきました
 
青字は お家元のリモート鑑賞ツアー からの追記です→https://www.youtube.com/watch?v=hnUeuw6VBh4&t=2805s
 
先生と由庭さんのご感想を伺いまして、作品の写真を追加しました
ほかにもあの作品がよかったというのがございましたら、ご一報ください・・・210417綾星
 
今回もお家元の作品から見てまいりました「家元作品の制作」はこちら
正面です

裏側・下から
青竹の表面、中、熱を加えた部分、それぞれの色が面白く構成されているなと思いました
勅使河原茜家元/Reborn-Ⅲ/タケ
土台は鉄(中に炭をおこしていた炉)、竹をあぶって曲げたところの質感がこんなことがあったろうか(油が出てきた)
 
 
あらためて入り口から拝見しながら登って行きました
 
追加1
五十野雅峰/陽炎-kagerou-/チキンネット・着色ミツマタ・ガラス器・
チキンネットの動き、ゴールド着色の不思議な浮遊感がおもしろい
 
追加2
大川嵯賀/不思議な一輪の花/着色ソテツ・雑木・ネコヤナギ・綿
綿をずっと使っている人がので、いろんな特質を知っているんだろう。ソテツと綿との不思議な丸みがおもしろい。かなり不思議な一輪の花だ。
 
 

積み木と根と削りかす?、加工した材と掘り出した根、おもしろい組合せ
(写真は鏡側・後ろに回り込んで撮っています)
中田和子/いのち-噴出-/角材・和紙・ネジ釘・木
力強さもあり面白い。ねじ釘も見せて1つの表現にしている。鏡の前で違いが面白く出た
 
 

小さく派手さのない色合いだけど、佇む静かさと動きが印象的でした
草薙美蕗/奮(田の上で鳥がはばたくという意味)/オーガスタ・ヤシ・シュロの実・ナンキンハゼ・着色キウイ蔓・流木
軽やか、植物の特徴をうまくつなげている
 


鉄の土台を使う作品も多かった一方、こんな風に足があって、上に塊がある作品もいくつも見られました。花器や剣山から離れて構成する一つの形なのでしょうか、『剣山なし』の発展
増田静菫/心、あたたかい世の中を記念して!!/ツゲ・蘇鉄・モンステラ・オーガスタ・和紙・ワイヤー
皆がミックスされて仲間として集まっている。斜めになったところが面白い
 


今回リュウゼツランを使った作品が複数ありました。1枚の葉に銅版が絡んで何とも不思議な魅力
前田紫紗/共在/リュウゼツラン・銅版・木材・釘
リュウゼツランの時間の立ったものとそうでないものが同じものと思えない、銅板が何とも良い。
 


ミツマタ1種いけ
林樹良/天まで届け!!/ミツマタ・鉄
白に赤の構成が意味のあるものになっている。小振りだが方向性がはっきりしている。
 


多肉植物なら1週間水無しで使える緑なんだ、なるほど
福島夏蓮/輝く生命の協奏/アロエ・鉄・カスミソウ・リューカデンドロン
いろんな角度から見ると表情が違う。緑はじけて、アロエの独特の動きをどう生かしていくかが面白く表現されている
 


ユニーク
鈴木康翠/宇宙の花/樹脂球体・松かさ
じっくり見たくなる、立ち上がりのうねりも樹脂もどうなっているのだろう
 

くしゃくしゃっとしたのが何だろうと思ったらミツマタ(皮?)でした
渡辺祥夏/好きな素材と/カラタチ・ミツマタ
ミツマタを割いたとは気が付かない、いろいろやるんだ、好きだからこそ向き合っている時間が長いのだろう
 
 

この形でしっかりとして崩れないのは、どうやっているのだろう
中田芳聖/Vitality(生命力)/ススキの穂・アスパラガスプルモーサス・モミジバフウ実
赤の粗密が面白い
 


2つの違う流木の組み合わせも面白い、向こう側・下から見ると意外と足元がすっきりしていて軽やか
大友春宵/追想/ハスの実・木の根・鉄
見るところで全然違う、蓮と鉄の関係が面白い
 


後ろ側は三つ編みの麻が固めてありました
栂の三保/宿る/麻縄・ホクチ・ヤツデアオギリの実・エアプランツ
実の面白さを生かしている。立ち上がっている面白さ
 


質感の違いが面白いと思ったらリュウゼツランだけだと知って驚きました
斎藤紫陽/蘭舞/リュウゼツラン一種
そのままと線にしたものと全く違って面白い、素材をどう変身させるか、植物の持っているそのものの面白さが出ている、やりたいことがはっきり出た感じがする。
 


各期で白一色の作品がいくつかあり、目を引きました
石井陽子/春風/ミツマタ・パンパスグラス(テールリード)・ヤマシダ・砂・和紙
立ち上がる感じ、柔らかい風、土台がとくとくな趣
 


微生物のような、ゴンズイ玉のような、殻なのに命を感じる
村越大嶺(アトリエ)/殻の繭/黒豆の殻・鉄
こんなに殻が繊細・薄いのか、鉄の表情がチャーミング
 


これも塊を脚でささえる作品、質感の違う白に赤
三島静香/雲間/晒ミツマタ・テングサ・ギボウシ
形がかわいいキャラクターの様、質感の面白さ
 


床にそっとと置かれた作品、なぜか惹き付けられました
Varhnelyi 水晶/Objet trouve(みつけたオブジェ)/流木・イブキ・実・鉄
植物と異質素材が面白く合体し、緑が効いている
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
週が変わり作品が入れ替わった5階の日本間も拝見してきました

ほんのりやさしい匂いがしました
強いにおいの花は(お見舞いなどでは)避けるということもあるけれど、眼よりも先に香りがして探したら花が咲いていた、ああ春が来たんだな、ということもある
コブシ・ツルソケイ・セローム/額「竹」:勅使河原宏

椿・アオモジ/花期「無題」・軸「桜」:勅使河原宏
春早く匂いし出たるし白花の辛夷の枝の垂りのよろしも・・・若山牧水の歌の如く
作家/中村俊映
 

草月会館 今週の日本間はこちら

 
緊急事態宣言が2週間延長(~3/21)になりました
作楽会の活動停止も延長です

~文責:綾星~


210226 New Challenge Exhibition 水のない いけばな展 2期

2021-02-26 18:11:00 | 草月展など
あちこちで早咲きのカワヅザクラが見ごろです。切花の啓翁桜が店頭に出ていました。桜の枝が入った小さなブーケを持った方とすれ違いました。
 
水のないいけばな展の2期
草月のHPで、お家元のリモート鑑賞ツアーが公開されています
くわしくは、そちらをご覧ください
 

せっかく見に行きましたので、正面からではない方向からも撮影してみました。今回も、勝手に感想を添えました。

お家元の観賞ツアーを参照し、作者名、題、花材、観賞ポイントを青字で追記します


お家元の作品です

こちらが正面、なんとなく、右を向いた人の顔に見えます

階段の下から見たところ

勅使河原茜家元/Reborn-Ⅱ/鉄
鉄で作品作ったのは初めて。手書きの線を書いて鉄を切り、顔に見えるというところから出発した。同じ鉄でも違いを出した。楽しかったので、これからも鉄をやっていきたい。
  

あらためまして入り口に近い方から作品を見ながら上がっていきました
白で統一した木の構成、動きがあって素敵です

竹之内昇紀/白きエチュード/晒タレクワ・着色ルスカス
タレクワの表情を生かした流れにルスカスの軽やかさがきれいに一体化していて、この場にぴったり、空間がきれいに見える


小さな作品、全体にトーンが統一されていて仏像の様です

木南有美子/依り/ゲットウ・ローズマリー根・梅
そのものの表情を変化させている、蝋?、緻密 


落花生が鉄で縛られたような作品

橋本佳蘭/錯綜/落花生
鉄がいい感じに一体化している、素材の面白さをどう引き出していくかが面白い
 

線の構成、放射状、見る方向で違って見える

関夕霧/希望・夢・未来/鉄オブジェ・竹ひご
繊細・色の広がりを出している、土台のシルバーが邪魔になっていなくていい
 
 

 お教室にある三角の花器でもこういう風にできるかしら、こちらからは正三角形、反対側は二等辺三角形

野中華川/昇華/アルミワイヤー・鉄・着色ツツジ赤・晒コウテングワ・べニア板
凄い完成度、色も独特
 
 

粗密のない均質な箱、軽くふわっとしている

渡辺光樹/風光る/カラスノエンドウ・ワイヤー
細かく丁寧、すべての面に丸みが出て柔らか味がある
 
 

金属でなく、木の実などでも素敵な作品になりそうな、枯れた葉の使い方が素敵枯らしてからこの形にしたのか、この形にしておいて枯らしたのか

多田涼泉/Coppersta-輝かしい未来へ/オーガスタ・銅たわし
おもしろく混ざり合っている。目線で違う。枯れオーガスタはうごかせないので、そこにどうたわしをかかわらせるか
 
 
 
小さな作品だけど、大きな世界が見える
遠藤桜泉/春へ/ヤナギ・ツゲ・タケ
とってもそれぞれの素材を大切に表現している

 


お作りになった方がおいでになっていて、お話を伺いました
赤い唇の女性の体を模していて、心臓はブルー、ネコヤナギのウイルスに侵かされている、でもそこから花が咲く、希望を表現しているのだそうです。いけばなはアート、造形だけでと思ったが いけばな なので花も使おうと思いました
・・・とのことでした。いけばなインターナショナルの先生だそうです。
松村魚瑛/コロナパンデミックを悲しむ女/和紙・ローリエ・ネコヤナギ・自作鉄オブジェ
タイトルはタイトルだが楽しんでいるような表情でユニーク、それぞれの素材を生かしている
 
 

軽やかなのにどっしりとした、妙な重心の作品
小山芳村/KANATA/ナラ・カラタチ・ナンテン実
チャーミング、カラタチがとげとげしいものなのに柔らかさが出ている
 

輪切りの木を突き抜けてにょにょきと這い出てくる枝、なんで黒くしたのだろう
筋野奈美/出でる/木・マツ・アルミ
見るところで感じが全然違い面白い、ここをこう見せたいというところをはっきり出している。塗料がなまなましく、強さにつながっている。
 


石の穴の中から這い上がって巻いてさらに伸びていく
番匠流樹/源/アルミワイヤー・雑木
上に向かって力が働いている。どういう場所に置かれるのがよいか考えてここに置いた。平らな所に置くより活かされて、強さにつながった。置く場所がとても重要。
 
 

軽やかに立っている。簡単に構成したように見えるけれど、こういう風にきれいに作るのは難しいだろうなと思う
中川彩萠/かけはし/シナベニア
綺麗、軽やか、建物の模型みたい、繊細な作品を作っている人、このまま大きくしたらオブジェとして成立する
 


骸骨のような白、中に銀色のハスも使っている
竹森真弓/内なる脈動/針金・和紙・枯れハス
何とも言えない質感、動き出しそうな表情を出している。石の上にあることで動きにつながっている。
 


お家元が5000本のグロリオサで球体を作られた、そのせいか球体の作品が複数ありました
齋藤庭黎/「一輪の花が明日を変える」に触発されて・・・/イイギリ
あったかい感じがする、かわいい、中が赤、楽しさにつながる
 

高い高い雲に見えるよう下から撮りました。割り竹と輪切りの竹
高野綵花/雲/タケ・綿
いろんな風に見える、下に水面、高さがいい
 

2枚の葉に力がある
杉林邑星/いにしえ時計/オモト・オガラ・石膏・鉄・木
考えがあって出来上がった作品なのだろう、素材も生かされている
 
 
異なる素材をいくつも重ねた作品
吉田陽霞/Mille-feuille/カラタチ・赤ナス・銀目ヤナギ・プラスチック・段ボール
色が独特、個性が出ている
 
 
軽やかに浮いた葉の勢い、枯れ物と着色シダなのに、いきいきとしている
近藤紫泉/翼-とぶ-/着色ヤマシダ・シュロ・雑木
組合わせたものがぴったり、ふわっとどっかへ飛んでいきそう



石井黄琳/水を感じて・・・/アンスリウム・蘭・アクリルボックス・ワイヤー・鉄
アンスリウムを追及している作家。動きの中にふわっと使っているのが魅力的。植物と異質素材の関係が面白い構成になっている
 
 
会場となった草月プラザについての解説です↓
 
・・・撮影と文責・綾星・・・

210218 New Challenge Exhibition 水のない いけばな展 1期、Re;座・草月いけばな展、日本間

2021-02-18 17:50:00 | 草月展など
先生から、勉強してくるようお知らせいただいた
水のないいけばな展の第1期を見に
草月会館へ 
 
受付で、写真撮影がOKであること、教室のブログなどへの公開もOKで
ぜひ積極的に宣伝してください
とのことでしたので、
以下、綾星の独断で何作品かをここに紹介します
今回は、作家名と題名がそれぞれ付されていました
 

お家元の作品です
4期にわたりそれぞれ違う作品を作成されたとのことで
制作風景がHPに公開されています
勅使河原茜家元/Reborn-1/マツ・タケ/
枝を斜めに切って組み合わせた、ちょっと何か欲しいと思ってタケを刺した
 
参考:
日経新聞2/13夕刊と
日経スタイルNIKKEY STYLE エンタメ!エンタウォッチング2/20 に
『3密避けて生け花楽しむ 水は使わない、動画でイロハ』
花展を紹介する記事が掲載されたとのことです。合わせてご覧ください
 
 


続いて

作楽会いけばな教室ゆかりの田所先生の作品「雪月花」です


階段をあがって、反対側からみたところ、こちらが正面
田所萩和/雪月花:自作鉄花器・カラタチ・ルトリ/
田所さんは色にこだわる方でピンクが何ともいえない、空間の面白さが出ている
 
以下、何作品か綾星の勝手な感想も一部副えて紹介します
作家名と題名はメモしてこなかったのでここには記せません、失礼をお許しください
→Facebookにて、家元によるリモート鑑賞ツアーが公開されましたので
 それを参考にして、出品者氏名(敬称略)と題名と花材を加筆します
 また、お家元がここがいいと講評されている点もすこし書き添えさせていただきます
 加筆部分は青字で示しました


明暗、裏表、オディールとオデットみたいです
嶋直香/Deux reves(二つの夢)/:ガラス・雑木・根・鉄土台/ 
縦の表情で下がすっきり上にどんどんふくらみも出て素材の面白さがでている


枝ぶりを生かした曲線に均等につけた実
江口玉枝/コロナ禍の贈物/枯れたキウイ蔓と枯れた実/
流れがあって動きそうな不思議な線の構成
 


着色した素材を球体にしたのだろうか、球体にしたあと着色したのだろうか・・・
堀田順子/小さな星/鉛筆/
よく考えた
 

枯れ物と異質素材・薄く柔らかく見えるけれど金属なのかしら
前田早苗/0(ゼロ)発信/アクリルミラー・サンキライ・ノバラ実


無造作に丸めて置いたただけのように見えて、印象的でした
こういう作品、床置きでいいのか台を付けたほうがいいのか
いい悪いではなくて作者の意図なのだろうけれども
お教室でこういけた場合、先生や皆さんでいろんな意見が出そう
横山華苑/Maru/サンゴミズキ・銅版/
色を意識して同系色にしているけど質感が違い流れがある


額縁のような四角いパーツをたくさん使った繰り返しの立体に
棒を挟み込んだ縄を絡めた作品
青木霞洋/黒と赤の融合:角材・ロープ・箸・発泡スチロール/
角に曲線が入って締めている
 
着色した木・蔓とソテツ、ソテツの葉のせいなのか流れ・動きを感じます
武良友瑞/更始/ソテツ・着色キウイ・着色ミツマタ花材/
黄色の器に対して強い色だが3種の素材の違いが面白く合体している。ソテツが入ったことがすごいいきている。枯れたソテツの色がこんなに強く出ているのが面白い
 
 

ツバキでしょうか、常緑の葉を連ねたレイで作った一種いけのような緑を見つめる曲線の作品
たかはし藤水/はっはっは/ツバキ/
葉を連続して針金に通した一つの物を作って、それをどう表現していくかというそこに楽しみがある


材の輪切りに着色してあるのか、金属質の材料をこんな風に重ねたのか
野村浩秋/進む/ソテツ・木/
リズミカル、面白さがある

うす橙色で統一した作品、透き通ったホウズキの実は何色かに着色してある
露華あつこ/深海の杜/流木・透かしホオズキ・麻/
ホオズキの散らばり具合がきれいで柔らかさが出ている


この作品の作者の方がお友達と話しておられました
お訊ねしてみると、
「今回は、作品を宅配して、会場への配置はスタッフにお任せだったので
どこにどんなふうに置かれるのかここへ来るまでどきどきしていた
四方見のつもりで作成したが、自分ではこの右側の方を正面と思っている」
とのことでした
「場でいける」いけばなの草月流なので、今回のような初めての試みでの心配があったんですね
ソテツはいけた後置いておくと枯れていって長持ちするので、
平成のころつかったソテツと最近のソテツを組み合わせたので「ときのながれ」なのかな?
石川静暁/ときのながれ(平成~令和)/ソテツ/
すべてソテツだが時間の流れを感じる、ソテツはとげとげしい素材だが曲線や色の変化で不思議な柔らかみ丸みが出ているのが面白い
 

2色の縄だけでこんな作品ができるんだ・・・
中原揪/結ぶ/縄・着色ドライカスミソウ/
ボリューム感・形が面白く出ている

題は「結び」
よく見ると線の細い太いがあって、
同質に見えましたが太いところは細い材料が巻きつけてあるようです
亀谷美樹/結び/キウイ蔓・木綿糸/
綺麗さがすごい、糸の色が少しずつ違う、中が密でそこから広がる空間がきれい
 


こういう縦長の作品と、丸い作品が多かった
他にも平面の作品や横長の作品もありました
青木紫葵/無/カキ/
いろんな柿の枝を切ってそれを自分で選び抜いて構成して使う面白さ


お教室のお稽古でも使ったことのある笊の作品があった
笊を合わせて綴じ、中に、異なる網と花をいれたバーツをくみ上げた作品
このように、パーツを作って組むという作品の作り方も参考になる
同じ大きさでなく大小があったらまた違う作品ができそう
野口寿泉/水なしでいけるいけばな展からの発展/竹籠・ビニールマット・レンズマメ/
素材のおもしろさ、うまく発見して組み合わせている、転がりそうな動きにつながっている
 


黒いネットに珊瑚のような花材と異質素材
天内知紅/境界/海藻・マルベリーシート・ワイヤー/
色合いが面白い組合せ、上から見たときの中の空間が光っていてよく素材の良さを出している

松葉でこんな立体ができるんだ これで輸送に耐える完成度だということがすごい
荒井栄園/Towards the Light(光に向かって)/
荒井さんが追及している素材、ほんとに繊細で、ちょっとした風でもバランスが難しい
 
この作品、初め上から一べつして、ただ紙が束ねてあるのかと思いました
先ほど話しておられた作家先生が、「どう置かれるかスタッフ任せ」といっていたので
あらためて、回り込んで下から見たら、白い紙に青い球体がはさまっていました
この作品、作家はどこから見てほしかったんだろう
草月のスタッフはどう見たらいいと思ってここに置いたんだろう
北島里夏/天への贈り物//
正面から見るのと上から見るのと見るところは一つではない面白さ、風でふわふわする

黒と生成りの三角のパーツをたくさん作って構成した作品
山田里楓/探索-Sustainability with Desire-/紙ストロー・鉄/
方向によっていろんな形に見える、動き出しそうにも静かに佇むようにも見える
 
こういうのも「いけばな」なんだな
いけばなは「彫刻」でもあるのだな
そう思った「水のないいけばな展」でした
 
HPのイベント情報によりますと
『4期それぞれの会期中、YouTube、Facebook、Instagramでの配信を予定している他、ホームページからも視聴することができます。公開後はいつでもご覧いただけます。』・・・とのことです




先生が、応募要項を知らせて下さいました
それを見ると
作品サイズは、縦+横+高さが160cm以内、重量30kg以内
素材は、枯れ物、着色花材、竹、雑木、流木、石、鉄など
水使用不可、破損の恐れが無い作品、生の素材でも水を使わない素材は可、造花、ブリザーブドフラワーは使用不可
とのことです
 
前期・後期、先着順ということでしたが、たくさんの応募があり、
結果、4期各50作品、総勢200名の花展となったそうです

・・・・・

同日、2階で公開されていました「Re: 座・草月 いけばな展」も見てきました

家元を支える草月アトリエスタッフで結成されたユニットによる
2020年春の東京ミッドタウンにおける作品・装花の再現です
竹と枯れ物をメインにした作品
その一部を紹介します
 

割って初めて見える竹の内側の色と節
深澤隆行/刀-KATANA-


たくさん作った輪切りのパーツを構成した作品
倉田康治/変奏1Veriation no.1


これらも「水のない いけばな」
飯岡湖武孜/雨滴


竹に窓を開けるとこんな構成もできるんだ
伊藤佑飛/Retreat


建築のような彫刻のような作品
深澤隆行/刻TOKI

竹もヒゴになると軽やか
倉田康治/Blooming in the sky


竹にもいろいろある、これは亀甲竹?
御手洗直己/亀甲ガラス肉体美

割いた竹を重ねてそらせたパーツを組み上げた作品
伊藤佑飛/TAKE OFF
参考: 座・草月展 展示は2/28まで
 
 
5階の日本間も見学してきました
お雛様が飾られていました

竹の字は勅使河原宏作

花材は紅白の桃・梅・雪柳


書 と花器は勅使河原宏
花材はネコヤナギとベンケイソウ
2/26まで 作家: 秋山美晴

190119 日本テレビ 高嶺の花 いけばなギャラリー

2019-01-21 19:29:42 | 草月展など

2018年7月から日本テレビで毎水曜日夜10時から放送されていた、石原さとみさん主演のドラマ高嶺の花

番組に出て来るいけばなは、草月流の大谷美香さんが担当されました

2019年1月現在、まだ番組HPの生け花ギャラリーで、数々の作品を見ることが出来ます

小品から、大作まで
いろいろな「場」にいけられた作品
お稽古の参考に、勉強になります

ドラマの中では、草月流の特徴でもある後ろいけがキーワードに
後ろいけは、テキスト5で勉強します

ドラマ高嶺の花生け花ギャラリー