老春・相聞記

老齢・熟年カップルの夜の世界のやりとり

老境に入っての思い

2023-11-02 15:43:30 | 日記

女は今までの人生のプラスマイナスを計算する。そして、今までの窮屈な制限ばかり押し付けられていた人生を知ってゾッとする。自分のものだったこの短い幻滅の生涯を前にして、もどかしい未来を前にして若い娘と同じ行動をとろうとする。彼女は自分の有限性を拒否する。彼女は自らの人生の貧しさに比べつつ、自分を素晴らしく豊富なもののように想像する。女として、多少とも受け身におとなしく宿命に従ってきたことを、機会を略奪され、騙され、知らぬ間に青春から老境へ滑り込んでしまったことを後悔する。

女がいよいよ歳をとることに同意したその日から、彼女の立場は変わり出す。それまでは、彼女は、まだ若い女で自分を醜く変形させていく不思議な災害と闘うのに夢中だった。が、今や彼女は異なった存在としての、みずからの人生を完成させるための老年の女になる。

人生の秋から冬になって、女はやっと鎖からわが身を解き放ち、自分の生活をこしらえる。彼女はもはや何かの用途のための存在ではない我が身の自由を発見する。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
   | トップ | タブーに縛られるS行為 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2023-11-04 16:22:55
こんにちわ
 政治家の性が片寄っている日本です。そして、別姓でさえ可決していないのが現状です。ウクライナ侵攻もイスラエルの問題も、指導者は生き残り、貧困層がお国の為として、駆り出され、尊い命を奪われ、万単位での戦死者、負傷兵、そして建築物のガレキの山が残されます。貧相な社会福祉の日本です。そのしわ寄せは異性に対して計り知れないものがあるように思えます。私は逃げ出すか、自滅するしかないと考えています。指導者、政治家の単なる自尊心で国民を異性を押さえているように思えてなりません。一時金に振り回されず、社会福祉、7割にも及ぶという中小企業の賃金格差、生活設計の成り立たない派遣社員が大勢います。損して得取れ・負けるが勝ち、戦後の日本です。現在の日本で、お国の為と思う気持ちは沸いてこないですね。 K.M
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事