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還暦おやじの洋楽日記

Captured Live at the Forum / Three Dog Night

以前に家の整理をしていたら、1972年12月のスリードッグナイトの初来日公演に行ったときの演奏曲目メモが出てきて、ちょうど50年経った先々月にブログで紹介しようかと思っていたら、そのメモがまたどこかに紛れ込んでしまい頓挫してしまった。
そんな日々を過ごしていたら、元スリードッグナイトのドラマーだったフロイド・スニードの訃報に接してしまった。享年80歳とのことだが、これでデビュー当時のオリジナルメンバー7人のうち、現在も存命中なのはダニー・ハットン(vo)、チャック・ネグロン(vo)、マイケル・オルサップ(g)の3人だけで、鬼籍に入ったのが4人になってしまった。

スリードッグナイトは3人の専任ボーカリストと4人の専任演奏者で構成された特異な形態のバンドだったから、それぞれが卓越した技量を持っていた。マイケル・オルサップのギターも、ジミー・グリーンスプーンのキーボードも上手かったが、中でもフロイド・スニードのタイトなドラムの音は好きだったなあ。彼を語るには、ドラムソロがフィーチャーされたライブ「Around The World」あたりが適切なのだろうが、既に紹介してしまったので、初期にリリースされたライブアルバムのほうを取り上げる。
1969年にリリースされた「Captured Live at the Forum」。邦題は「白熱のライヴ!」。

1. Heaven Is in Your Mind
2. Feelin' Alright
3. It's for You
4. Nobody
5. One
6. Chest Fever
7. Eli's Coming
8. Easy to Be Hard
9. Try a Little Tenderness

彼等がデビューアルバムをリリースしたのが1968年の秋。このライブが行なわれたのが1969年7月でセカンドアルバムのリリース直後だから、ずいぶん早いライブアルバムのリリースということになる。会場はロサンゼルスのコンサートホール、ザ・フォーラムで、同じダンヒルレコードのステッペンウルフとのジョイントツアーの一環として此処を訪れたようだ。当時の知名度から考えると、彼等は前座だったと思われる。
そんな状況だから、演奏されたのは既発の2枚のアルバムからのみ。デビューアルバム「Three Dog Night」から6曲、セカンドアルバム「Suitable for Framing」から3曲という構成になっている。
「Heaven Is in Your Mind」「Feelin' Alright」と、トラフィック絡みの曲で始まり、
レノン=マッカートニーの「It's for You」は手拍子に合わせてアカペラで歌われる曲だが、だんだん手拍子が速くなってしまったのはご愛嬌で、途中から入るスニードのドラムでなんとか事なきを得るのだった。ザ・バンドの「Chest Fever」では、イントロのオルガンソロで後に発表される「Fire Eater」のフレーズを演っているのも興味深い。ローラ・ニーロの「Eli's Coming」での三人のボーカリストの掛け合いはライブでも圧巻。

ボーカルと演奏を分業しているため彼等のライブは非常に完成度が高いから、ステッペンウルフ目当てで来たザ・フォーラムの観客も度肝を抜かれたかも知れない。有望新人バンドの時代に早々とライブアルバムを出したのは、レコード会社のやっつけ仕事感もあるけれど結果は吉と出て、なんと全米6位のセールスを記録したのだそうな。
彼等がスーパーバンドになってからの円熟味溢れるライブ「Around The World」に比べると粗削りな印象であるが、そのぶん伸び盛りのバンドの勢いを感じさせるアルバム。

(かみ)

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