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還暦おやじの洋楽日記

Re·ac·tor / Neil Young Crazy Horse

日本の総理大臣は国会答弁で平然とウソをつくトンデモない野郎だが、それでもアメリカ大統領に比べればまだマシか。こんな愚か者を選んでしまうアメリカ国民の民度というのは一体どうなっているのだ。「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」(By 町山智浩)そうなので、こんな事態もむべなるかな。でも世界を引っ掻き回したピエロは遠からず退場するだろうが、その後の反動もまた恐ろしい。
・・・などと書き連ねたのは、一年前のトランプ旋風のときにさかんに報道されていた「ラストベルト」という言葉を耳にするたびに、1981年発表のこのアルバムに収録されている「Motor City」が頭の中で鳴っていたからだ。現在のアメリカの状況の萌芽は既に40年近く前に始まっていたということ。

1. Opera Star
2. Surfer Joe and Moe the Sleaze
3. T-Bone
4. Get Back on It
5. Southern Pacific
6. Motor City
7. Rapid Transit
8. Shots

この頃のニール・ヤングと言えば「Rust Never Sleeps」でパンクへの共鳴を謳って復活した、と位置づけられる時代だが、あのアルバムはアコースティックナンバーが半分を占めていて、それほどハードな内容ではない。むしろこのアルバムのほうがほぼ全編アグレッシヴかつエレクトリックなサウンドで覆われている。
1曲目の「Opera Star」から曲間なく引き継がれる「Surfer Joe and Moe the Sleaze」がブルージーで良い。同じフレーズをしつこく繰り返す「T-Bone」の歌詞は意味不明。ニールが妙ちくりんなアルバムを作る際はけっこうメロディにポップなものが採用されることが多いことを後年知ったが、「Southern Pacific」と「Shots」はストレートなハードロックで、まさにその典型。力で押しまくって気持ち良いじゃないか。「Rapid Transit」でのぶっとんだおちゃらけ加減も良いよね。歌詞中の「Every wave is new until it breaks」ってのはニューウェーブに対する異議申し立てであり、彼がこのアルバムでいちばん言いたかったことなんじゃないかな。

このアルバムを最後に、ニール・ヤングはリプリーズを去ってゲフィンに移籍する。移籍後のレコード会社との諍いの顛末は有名なので割愛。思えばアルバムごとの振幅の激しさはこの頃から生じていた。「Rust Never Sleeps」以来のクレイジーホースとの揺るぎない演奏も手堅く、良いアルバム。だけど現在は廃盤だそうで「なんで?!」という気分。

(かみ)
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