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還暦おやじの洋楽日記

Fast Times at Ridgemont High(初体験リッジモント・ハイ)Original Soundtrack / Various Artists

「Fast Times at Ridgemont High(初体験リッジモント・ハイ)」は1982年公開のアメリカ映画。今回はこの映画のサントラ盤を取り上げる。

映画自体は、アメリカの高校(リッジモント高校)を舞台に繰り広げられる恋愛模様を描いた青春ドラマで、ショーン・ペンやフィビー・ケイツらが出演しているらしいのだが、僕はこの映画を観ていない。当時は社会人一年生で仕事に忙殺されていたし、その年齢だったから今さら高校生が主人公の青春ラブコメディなんてこっ恥ずかしくて観る気にもならなかった。それでもこのサントラ盤だけを買った理由はただひとつ、自分の好きなミュージシャンどもが大挙してこのアルバムのためにオリジナル楽曲を新曲として提供していたから。かくして、この作品は自分にとって唯一の「映画を観ていないのにサントラ盤だけ持っている」アルバムとなった。

1. Somebody's Baby / Jackson Browne
2. Waffle Stomp / Joe Walsh
3. Love Rules / Don Henley
4. Uptown Boys / Louise Goffin
5. So Much in Love / Timothy B. Schmit
6. Raised on the Radio / The Ravyns
7. The Look In Your Eyes / Gerard McMahon
8. Speeding / The Go-Go's
9. Don't Be Lonely / Quarterflash
10.Never Surrender / Don Felder
11.Fast Times (The Best Years of Our Lives) / Billy Squier
12.Fast Times at Ridgemont High / Sammy Hagar
13.I Don't Know (Spicoli's Theme) / Jimmy Buffett
14.Love Is the Reason / Graham Nash
15.I'll Leave It Up to You / Poco
16.Highway Runner / Donna Summer
17.Sleeping Angel / Stevie Nicks
18.She's My Baby (And She's Outta Control) / Palmer/Jost
19.Goodbye, Goodbye / Oingo Boingo

まさに80年代前半の米国音楽シーンを代表する豪華絢爛な顔ぶれ。映画製作者のアーヴィング・エイゾフは音楽業界の大立者だったから、彼の号令一下でこれだけの面子が馳せ参じたのだろう。青春映画のサントラなので、まるで60年代にタイムスリップしたような明るくポップな曲が並ぶ。以下、自分が好きなウエストコーストロック系のミュージシャンの作品についてのみ、感想を述べます(それ以外については語るほどの知識を持っていないため)。

ジャクソン・ブラウンの「Somebody's Baby」も彼の作品では異色な部類に入る軽快なポップナンバー。シングル盤もリリースされて彼にとっての最大のヒット曲となったが、近年のライブでは殆ど演奏されていない。ジョー・ウォルシュの「Waffle Stomp」は相変わらずのウォルシュ節だが、冒頭のドラムの音がやけに軽いなあ。ドン・ヘンリーの「Love Rules」はしっとりとしたバラードでなかなか良い。ティモシー・B・シュミットの「So Much in Love」は日本でもヒットしてアカペラブームの先鞭をつけた曲。イーグルス勢のしんがり、ドン・フェルダーの「Never Surrender」はケニー・ロギンスとの共作で、フェルダーのボーカルは魅力に乏しいけど後半に彼のギターワークが堪能できる。グラハム・ナッシュの「Love Is the Reason」はいかにもナッシュらしいメロディの小品。ポコの「I'll Leave It Up to You」はポコにしては珍しくコマーシャルなポップソング。

リリース当時はこのアルバムにしか収録されていない音源ばかりだったから稀少性は高かったが、後にいくつかの曲は各ミュージシャンのアルバムに収録されたので稀少性は薄まってしまった。
最初に聴いたとき、60~70年代の「体制と戦うロック」を経験した身としては、あまりの能天気ぶりにちょっと物足りなさも感じてしまったな。でも今にして思えば、それが80年代前半の時代を覆う空気だったのだろう。そういう意味では古き良き当時を偲ばせる好盤と言えるかも。

(かみ)

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