1. Open Up Wide(オープン・アップ・ワイド)
2. Livin' In Heat(ジョージアの夏)
3. Hello Groceries(いかした女)
4. Handbags And Gladrags(ハンドバッグと正装)
5. Get It On(黒い炎)
6. Boys And Girls Together(ボーイズ・アンド・ガールズ)
7. Invitation To A River(組曲「炎の流れ」)
「Open Up Wide」は虚空を彷徨うようなトランペットソロから始まり、やがて別のトランペットが次々に覆い被さって多重奏になっていくスリリングなインストゥルメンタルナンバー。当時、毎夕オンエアされていたFM番組のオープニングテーマにも使われていて、それが実にサマになっていた傑作。「Handbags And Gladrags」はロッド・スチュアートも歌っていた曲で、たしか「Get It On」に続くシングル曲となった。そして「Get It On」はやっぱりこのアルバムのハイライトで抜きん出ている。さんざん聴いたので僕なんかはすっかり麻痺してしまったが、こういうアグレッシブなスタイルの曲は今でも充分通用するのではないか。アナログはここまででA面終わり。アナログ時代はB面を殆ど聴いていなかったが、その1曲目だった「Boys And Girls Together」はこのアルバムでいちばんコマーシャルな曲だ。長尺の「Invitation To A River」は、フリーキーなジャズとロックが融合した組曲だが、ヒッピームーブメントの頃のミュージカルにこんな曲なかったっけ、と思いを巡らせてしまう、今となってはかなり古臭い印象。
但し、今も昔もアルバムを通して聴くと辛く感じるのは、あまりにもトランペットが前面に出過ぎて一本調子だから。BS&Tもシカゴもホーン主体ではあるものの、もっと音楽に多様性があって抽斗が多かった。チェイスの場合、リードを取るのはトランペットとオルガンで、ギターの影も薄く、サウンドは攻め一辺倒。強固なリーダーがトランペッターだから、それ以外の選択肢はあまり考えなかったのかも知れないが、これでは飽きられても仕方がない。
その後のチェイスは、メンバー交代を重ねるがデビュー作以上の成功は得られず。再起をかけるも最後は飛行機事故によりビル・チェイスらのメンバーが不慮の死を遂げて消滅してしまった。そんな短命に終わった悲劇的なバンドではあるが、デビュー時の鮮烈な輝きは損なわれない。彼等のことは記憶にとどめておきたい。
(かみ)
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