幸せのお守り

京都といえば、色々な和小物が目を楽しませてくれますが、その中で必ずチェックしてしまうのがにほひ袋だったりします。
お香関係に関して、京都には数々の名店がありますが、うちの母はとりわけ、石黒香舗が大のお気に入り。
そんな母の影響で、私も京都に行く時、時間の許す限り、石黒香舗には立ち寄ってます。
寺町通りから横にそれた三条通りにそのお店があります。
お店自体はこじんまりとしていますが、中に入ると、所狭しと言わんばかりに色々なにほひ袋が並んでいます。
昔ながらのにほひ袋・お香のストラップ・動物やお花をかたどった部屋用の置物など、種類は様々です。

その中で私がとても気に入っているものは四葉のクローバーのストラップです。
四葉ってのがいかにもお守りっぽい感じがして、九月に京都に来たとき、思わず買ってしまいました。
ちょうどこの頃、友人が家族の不幸に見舞われ、少し落ち着いたところで、その後次の就職先を探していた最中でした。
彼女とは今の職場で知り合いました。私は当時派遣をやっていて彼女はアルバイト。彼女は元々、大手企業で正社員として一般事務のお仕事をしていたのですが、母親が余命３ヶ月との宣告を受けて、会社勤めからアルバイトに切り替えて、母親といる時間を優先にしてきました。
しかし、彼女はそんなことをおくびにもせず、私達の前ではのほほーんと明るい笑顔を見せてくれていたのです・・・・

自分のやりたいことは後回しにして、全てお母さんを優先に生活してきた彼女に、これから幸せになって欲しい、という思いから思わず買ってしまったのですが、願いが通ったのか、クローバーを買ってから少しして、お土産を手渡す前に就職先が決まるという思いがけない幸運に恵まれました。

四葉のクローバーゆえなのか、それともお香の持つ力が邪気を振り払ったのか定かではありませんが、人を幸せにする奇跡がその小さなストラップに込められていると信じたいです。
11月に京都行った時、自分用のお守りに買おうと思っていたものの、時間がなくて結局立ち寄っていなかったのですが、その後、東京への出張販売がある、という話を聞いて、「どうしようかな～」と思っていたところで、母が高島屋に寄る用事があったらしく、買ってきてくれました。
欲しいな～と思いつつも、自分で買うことの野暮ったさと畏れから、自分で自分に買うのはちょっと気が引けていました・・・
でも、前の友人のエピソードを知っていた母は、私の気持ちを汲んで買ってきてくれたのです。

私が友人に祈りながら買ったように、母が私に幸せになって欲しいと思って買ってくれた母の気持ちがとても嬉しかったです。
その甲斐あってか、いっときの凹んでいた時期を乗り越えて、今は仕事・人間関係面はすこぶる順調です。
色あせても、大切にしたい品物です。今度は私が母に買ってあげたいです。