歯軋りばっかり

三流文系私立大学の理系担当教員の独り言
偏差値以外ではいい線行ってる学生が多いのになぁ。

教科書批判は許されない?

2006-06-19 17:24:30 | Weblog
AMLというメーリングリストで見たのだが、

http://list.jca.apc.org/public/aml/2006-June/007349.html
 今年杉並区教委の室長に移動した種村明頼氏が「『検定に合格して教育委員会が採用した教科書』を教員が教室で批判したら、生徒が教科書への信用をなくすから、絶対にしてはならない」と訓示!? を垂れたそうです。この人は、前任であった指導主事のとき、研修センターでトイレに行った時間まで記入していたらしいのですが…。

 よく言われる、「教科書で教える」と「教科書を教える」の違いもわかっていない人が指導しているということは怖いと思う。

愛国心と「君側の奸を絶つ」

2006-06-09 00:06:19 | Weblog
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann/20060606/20060606-00000045-ann-soci.html
で見かけたのだが、教育基本法の改正について、外国メディアの記者から「戦前の国家主義教育の復活につながるのでは」と問われた天皇陛下が、、「戦前とは状況が大きく異なる」としたうえで

「1930年から1936年の6年間に、要人に対する襲撃が相次ぎ、そのために 内閣総理大臣、あるいはその経験者4人が亡くなり、さらに内閣総理大臣1人が かろうじて襲撃から助かるという異常な事態が起こりました。帝国議会はその後も 続きましたが、政党内閣はこの時期に終わりを告げました。そのような状況下では、 議員や国民が自由に発言することは非常に難しかったと思います」、「先の大戦に 先立ち、このような時代があったことを多くの日本人が心にとどめ、そのようなことが 二度と起こらないよう、日本の今後の道を進めていくことを信じています」。

と答えられたらしい。

 非常にスマートでかつバランスの取れた意見だと思う。逆に言うなら、教育勅語の復活を望む人たちは、そのような教育を受けながらこのような異常な事態が何故起きたのかきちんと答えを出すべきなのだと思う。
 「君側の奸を絶つ」という言葉の響きは美しいが、結局老獪な上層部の道具として使い潰された若手将校達の「愛国心」と同じものを育成しようとするのは、道具として次の世代を見ているのではないかという危惧を抱いてしまう。

 教職についている身としては、教え子たちがそんなのに騙されない様に教育しなければと思う。
 ある意味でドラゴン桜の13巻
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063725154/
で強調されていることに通じるかもしれないと思った。