９.それを早く言え！

「……そういえば、プリムラ。ここ数日、誰からも伝言はないのか？」
「ああ、そういえば～、昨日の朝、魔道具屋のお姉さんから『例の物が入荷したから、取りに来てね』って連絡が～……」
「それを早く言え！つか、昨日の朝だと!?こういう伝言は迅速に伝えろと何度も言ってあるだろうが！」
「ひゃ、ひゃいっ！ごめんなさいです！」

マスターに怒鳴られるのって、本当に本当に珍しいです。
普段は伝言が２，３日遅れた程度じゃ、笑ってすませてくれるのに……
……そういえば、マスター。ここ数日なんかイライラしてる？

８.大爆笑

「ぶはっ！お前、なんつー面してるんだよ！」

あたしを指さして大爆笑するエンディ。
からかわれたのはわかるけど、タイミングが悪すぎる。
なんであたしがこんなに苦しい思いをしなきゃいけないんだろう。

７.ああもう！！

「ああもう！！わかったし、悪かったと思ってるわよ！！」

だから手を放してよ！そんな顔であたしのこと見ないでよ！

６.ぶっちゃけ話

「ちょうど良い機会だ。
　一つぶっちゃけ話をしてやろう。
　俺が今までにこの書庫を開放してやった人間はお前だけだ。
　理由は、わかるか？
　もちろん、お前を気に入ってるというのもあるが、
　お前はここにある本の希少性を理解し、粗雑に扱ったりしないと思ってるからだ。
　いいか、書物という物は痛んだり破れたりすればその価値というものは……」

こんな至近距離、しかも真顔で説教しないでよ！

５.その手をつかんで

いや、確かに八つ当たりした自分が悪いのは分かってる。
分かってるけど、近づいてこないでください！ってゆーか、近づくなぁああああああ！
抵抗を試みるが、エンディは振り上げようとしたその手をつかんでしまい、放してくれそうにない。

いろんな意味でマズい。

４.だまされた

手に入れた本の内容は、自分が期待していた物と全く違う物だった。
さっきの気恥ずかしさと、そんな思いまでして読んだこの本の内容に対するがっかり感。
「だまされたあああああああああああああああああああ！」
二つの苛立ちが爆発し、思わずエンディに向かって本を投げつけていた。

……後ろの方でプリムラの「ひょひぃっ！」という叫び声が聞こえたような気もするが、もう遅い。

エンディはこちらには目もくれず、本を受け止める。
「……何それ、逆ギレ？つーか、俺の大事なコレクションになんてコトしてくれるわけ？」