687．懐かしの'60年代（家具調カラーテレビ）

【家具調カラーテレビ】

　わたしがこの世に生を受けた頃、テレビといえば「白黒」でした。
ボロ・アパートの四畳半の和室に「４本の脚」が付いたテレビが置い
てあったのを微かに記憶しています。

　カラーテレビ

　カラーテレビのプロモーションが活発になってきたのは、1964年の
東京オリンピックの頃といわれています。その後、ビートルズが来日
した頃でしょうか、近所の友達で「お金持ち」の子が「ボクのおうち
カラーテレビがあるんだよ」と得意げに言うのを聞いたとき「カラー
テレビ」なるものの存在を初めて知りました。そして、その子の家に
遊びに行くと、玄関には「ＮＨＫのカラーテレビ放送受信」を証明す
るシールが貼ってありました。誇らしげに（冗談です）。シルバーの
下地に、青・緑・赤色で縁取りがされた意匠のものです。

　そういえば、現在ではもう見かけませんね・・・。

　我が家では、1967年の春にはカラーテレビが「導入」されていたよ
うです。やたらデカく、狭い居間に無理矢理設置した感が否めません。
ちょうど、今の時代に５２型あたりの大型液晶テレビを６畳の部屋に
無理矢理設置しようとするようなものでした。

　そのカラーテレビは家具調で、視聴しないときはブラウン管の前を
「怪しげなカーテン」でなぜか蔽っていました。ブラウン管への埃の
付着を防止するためだったのでしょうか。それは我が家だけかと思い
きや、他でもそのようにしている家庭が多かったのです。今をもって
謎です。

　さて、その色合いは・・・。これも記憶があやふやですが、なんだ
か「黄昏」のようなある意味、趣のある画でした。もっとも、色その
ものよりも、映像がやたらスロットのようにタテに回転してしまった
り、斜め線が入ってしまったりするので、それらを直さないと番組が
観られないというありさまでした。そのように不調な画像を調整する
ツマミ（垂直同期・水平同期というらしい）が、テレビ本体の側面に
実装されていて、毎度操作していた「とほほ」な状態だったのです。
調整がうまくいかないと、父親が怒ってよくテレビ筐体を「タタイテ」
直そうとしていました。まさに荒療治。これで映りがよくなった場合
も確かにあったんです。不思議。

　そんなわけで、初めてのカラーテレビにはかなりお世話になりまし
た。1970年前後の時代、わたしはこのテレビのブラウン管を通して、
歌謡番組、ドラマ、アニメ、バラエティ、そしてノン・フィクション
・・・、様々な番組を観てきたのです。

　現在のテレビ。とても高品質な画像ですね。隔世の感があります。



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