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新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

虫を調べる シマバエ科(続き)

2019-04-17 20:16:33 | 虫を調べる
昨日の続きで、昨年7月14日に採集したハエをそのとき顕微鏡写真を撮ったままになっていたので、まとめてみました。昨日は科の検索をしたので、今日はその先の属の検索です。



対象としたのはこのハエです。家の近くの道路脇の茂みで見つけました。属の検索表には株式会社エコリスのホームページに載っていた「日本の双翅目検索表 Japanese Diptera I」を使わせていただきました。



検索の結果、Minettia属になったので、その過程を写真で見ていきたいと思います。だいたい検索順に見ていきます。



最初は前縁脈に生えている小剛毛列がどこまで伸びているかです。だいたい黒矢印のあたりまで続いています。R4+5との合流点までは届いていません。中脛節の剛毛を写した写真はなかったのですが、たぶん、Lauxaniinae亜科でよいと思われます。



次は刺毛に関してです。「新訂原色昆虫大図鑑III」の図を見ながら、刺毛に名前を付けてみました。略号は「絵解きで調べる昆虫」に載っていたものを用いました。刺毛の数が全体的に少ないので合っているかどうかは分かりませんが、このように名前をつければ肩後剛毛も横線後方の翅内剛毛もあるので共にOKとしました。



次は顔面の写真ですが、⑲も㉒も共にOKだと思います。



額眼縁剛毛は線で示した2本だと思うのですが、そのうち前方の剛毛は後方に向いていて内側には向いていません。また、額には光沢はありません。これで共にOKとしました。



次は翅です。翅は透明です。



これは胸部側面の写真ですが、㉓が問題でした。そもそも過剰剛毛とは何ぞや。でも、これは以前にも悩んだことがありました。この項目はMelinomyia属を除外する項目なのですが、これについては次に論文に載っていました。

M. Sasakawa, "Japanese Lauxaniidae (Diptera), V", Nature and Human Activities 2, 33 (1997).(ここからpdfが直接ダウンロードできます)

この論文は日本産のシマバエ科2種を記載しているのですが、そのうちの1種がMelinomyia属でした。その説明に過剰剛毛は中胸側板の前下方の角に通常の剛毛の3/4の長さの剛毛があるとのことです。たぶん、中胸側板は上前側板のことで、図の丸で描いた部分に剛毛があるというのでしょう。このハエにはなさそうなので、これでOKです。また、下前腹板は下前側板のことで、剛毛はstで表したもので2本あります。これで㉔もOKです。これですべての項目を調べたので、たぶん、Minettia属で合っているのではと思っています。それほど自信はないのですが・・・。「日本昆虫目録第8巻」によると、日本産Minettia属には3亜属16種が記録されています。このうち本州産は8種。まだまだ先が長そうです。

ついでに撮った写真を載せておきます。



腹部末端の写真ですが、これは♂なのだろうか、♀なのだろうか。


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