廊下のむし探検 第351弾
1月4日にマンションの廊下で見た虫の続きで、今日はハエ目です。
最初はユスリカの仲間です。前脛節の長さが跗節第1節より長いので、エリユスリカ亜科だろうと思うのですが、そこからが分かりません。この日は2匹見ました。
この小さなハエはマンションにたくさんいます。
ナミネアブラキモグリバエです。砂糖大根などにつくネアブラムシの天敵として知られているので、益虫ではあるのですが、越冬のためかマンションには集団で集まってきます。このハエはヨーロッパからアジアまで広く分布して、大量発生することが19世紀ごろから知られていました。これについては
次の記事に詳しく載っています。
E. P. Narchuk, "Outbreaks of carnivorous fly Thaumatomyia notata Meigen (Diptera:Chloropidae) and their periodicity", Ann. Rep. Zool. Inst. RAS (2000).
部屋の中に入ってきたこのハエの数を数えた人もいるようです。天井が黒くなるまでいっぱいに止まっていて、その数は実に17,971,200匹いたそうです。また、あるときはこのハエの死骸が40リットルにもなったとのことです。マンションではそこまでは多くないかもしれませんが、壁が真っ黒に見えるほどつくことがあります。
触角が羽毛状なので、ショウジョウバエ科だろうと思います。実は以前、この種かこれに似た種を調べたことがあります(
こちらと
こちら)。その時はScaptomyza属Scaptomyza亜属のflava(キイロヒメショウジョウバエ)かもしれないと思ったのですが、この種は
Wikipediaによると、ヨーロッパに分布する種で、どうも外観が少し違うようです。たぶん、Scaptomyza属までは合っているのではと思いますが・・・。