新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 甲虫

2021-01-16 19:57:23 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第357弾


昨日(1/15)、マンションの廊下で見つけた虫の続きで、今日は甲虫です。





最初はケシキスイの仲間です。この仲間については"CLAVICOENIA"というサイトに詳しく載っています。この種は以前にも調べたことがあったのですが、たぶん、ウスグロキバケシキスイではないかと思っています。





これはよく見る種でヨツモンキスイだと思います。



これは先ほどと同じウスグロキバケシキスイかな。





最後はだいぶ迷いました。触角がやや短くて、後肢腿節が細いのでハムシ亜科かなと思って、「原色日本甲虫図鑑IV」を何度も見ました。上翅の点刻が小さな列状になっているところが特徴です。結局、ダイコンハムシではないかと思っています。どうでしょうね。

廊下のむし探検 冬尺

2021-01-15 20:51:05 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第357弾


今日は暖かかったので、午後からマンションの廊下を歩いてみました。いろいろと虫がいたのですが、まだ名前を調べていないので、とりあえず冬尺だけ出しておきます。



これはウスバフユシャク♂です。これまでの記録を見てみると、1月初旬2匹、1月中旬3匹、1月下旬7匹、2月初旬3匹。1月下旬が発生の中心みたいですね。



こちらはナミスジフユナミシャク♂です。記録では、12月下旬は2匹、1月初旬は8匹、1月中旬は4匹。こちらは1月初旬が発生の中心のようです。

雑談)引っ越しまであと10日ほどに迫ってきました。一昨日は顕微鏡周りを片付け、顕微鏡の梱包を行いました。その後はカメラ用品やコンピュータ周りの片づけをするので、このブログもしばらくの間お休みになるかもしれません。引っ越しまでにこれまで大阪北部で撮ってきた虫や植物の写真を整理したいと思っていたのですが、チャタテムシとカメムシを整理しただけで、結局、後はほとんど手が付けられませんでした。引っ越してから続きをすることになります。

廊下のむし探検 ハエ目

2021-01-12 20:55:07 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第356弾


昨日(1月11日)夕方にマンションの廊下で見つけた虫の続きです。





ハエは採集しないと科もよく分からないのですが、今は引っ越し準備でとても調べる余裕がありません。それで、写真だけで何とかと思っているのですが・・・。このハエはイエバエっぽいのですが、よく見ると、翅脈A1脈が大きく曲がり、Cu融合脈と交わりそうな雰囲気です。それで、ヒメイエバエ科ではないかと思いました。ヒメイエバエ科は以前イエバエ科に入れられていました。「日本産昆虫目録第8巻」によると、日本産ヒメイエバエ科は2属で、Fannia属には53種、Piezura属には2種が記録されているようです。





これも同じ種ではないかと思ったのですが、写真がはっきりしないので、よく分かりません。





これはいつも見るユスリカ科のエリユスリカ亜科です。





これは何でしょうね。写真がはっきりしないのですが、翅の前縁に刺列が並んでいるような気がしないでもありません。それで、トゲハネバエ科かなと思ったのですが、どうでしょうね。





最後はこの間から見ているナミキノコバエ科です。たぶん、Boletina属だろうと思っているのですが、ネットで探すとBoletina属翅脈の載った論文が見つかりました。

S. W. Taber, "A New Nearctic Species of Boletina Staeger Fungus Gnat (Diptera: Mycetophilidae)", Southwestern Entomologist 37, 159 (2012). (ここからダウンロードできます)

この論文はBoletina setaceaについて書かれたものですが、翅脈を比べる限り実によく似ています。たぶん、Boletina属までは合っているのではと思いました。

廊下のむし探検 冬尺2種

2021-01-11 20:25:50 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第355弾


今日はだいぶ暖かくなったきたので夕方からマンションの廊下を歩いてみました。ハエと冬尺がいたので、まずは冬尺から。



これはこの間からよく見かけるウスモンフユシャクです。



こちらはナミスジフユナミシャクです。以前、オオナミフユナミシャクとコナミフユナミシャクという2種がいて、触角の節の形で見分けられるというので、採集しては触角を拡大して見ていました[1]。でも、なかなか区別がつけられず、いつも苦労していました。その後、この2種は同一種の個体変異であるという結論になり、以前の名称ナミスジフユナミシャクに戻されました。この辺りの事情は「日本産蛾類標準図鑑I」に載っています。最近は安心して名前を言えるようになりました。

[1] H. Nakajima, "Two New Species of the Genus Operophtera (Lepidoptera, Geometridae) from Japan", 蝶と蛾 42, 195 (1991).


廊下のむし探検 ブユ、ケチャタテほか

2021-01-10 20:53:32 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第354弾


今日は寒さも少し和らぎました。それで、午後からマンションの廊下を歩いてみました。でも、やはり虫はほとんどいません。1月中旬になるので仕方ないですね。





最初に見つけたのはブユの♂です。これについては以前少し調べたことがあります。そのときはキアシツメトゲブユ♂としたのですが、たぶん、それと同じだと思います。(追記2021/01/11:よく見ると、胸部の白い模様や腹部の様子などが以前と違うような感じです。名前の方は保留としておきます





この間から見ているケチャタテ科です。欧州に広く分布するValenzuela flavidusに大変よく似ていますが、日本産と欧州産が果たして同じかどうかは検討が必要だとのことです。



ナミネアブラキモグリバエはちょこちょこいたので、1匹だけ撮っておきました。



最後は地下駐車場にいたウスモンフユシャクです。今日はこんなところでした。

雑談)奈良県への引っ越しまであと2週間ほどになってきました。この何か月か行ってきた断捨離のお陰で家の中はだいぶ整理されてきたのですが、それでもまだまだ大変です。本やファイル、アルバムなどが多いので、今度の家では天井まで届く本棚4台を購入するようにしました。実体顕微鏡や生物顕微鏡などがすぐに使えるように、今使っている机や器具はそのまま移動することにしました。たぶん、2月くらいからは以前のように顕微鏡観察ができるのではと思っています。深度合成の計算に使っていたデスクトップが買ってから10年ほど経つので、そろそろ買い替えようと思っていたのですが、これは引っ越してからにしたいと思っています。問題は観察する場所ですね。今いるマンションほど観察に好都合な場所は近くにありそうにないので、どうしたらよいかと悩んでいます。周りの田んぼで探そうか、近くの公園に行こうか、それとも、ときどきちょっと離れた森に行こうか、そうでなければ植物に重点を置いて調べるか・・・。