ろらぶろぐれっしぶ

2娘の母で国語教室の先生のろらんがたあいのない暮らしを綴ります

算数の文章題が苦手な子へ

2012年04月22日 | 子育て・教育の話
前回載せた文章問題、何人かの小学生にさせてみました。
レベルも学年もバラバラな子に、同じ問題を解いてもらったのです。
わり算や方程式まで使うような問題もありましたが、一番よくできていたのは3年生の子、一番解けなかったのは6年生。
学年はあまり関係ありませんでした。




おもしろかったのは

水色のおりがみとピンク色のおりがみが、4まいずつあります。
ピンク色のおりがみは なんまいあるでしょう?


この問題にひっかかる子が意外に多かったことです。
もちろん正解は4枚。
なんのひねりもない、文章のとおりの答えです。

ところが日ごろ決まったパターンの文章第ばかり解いている子は、文章を理解しようとする前に、まず

「どの数字を使って、なに算をするんだろう?」

というところから考え始めるのです。
こういう問題は、とにかく何か計算して答えるものだと思い込んでいるのです。
だからいつもと違うかたちの問題を前に、

「え?どれとどれ使うの?」
「何をすればいいかわからない」

と、途方に暮れていました。

「なんだかわり算のような気がするんだけど・・・・・・」

と言ってる子もいました。
確かに「ずつ」という言葉はわり算の問題で使われやすいですね。




こんなふうに悩んでしまうのは、算数というものを
「数字を2つ使うもの」
「たす、ひく、かける、わるのどれかをするもの」
だと思っている子が多いからだと思います。
また、
「『合わせて』があったらたし算、『違いは』だったらひき算」
と、苦手な子に対して安易な判別方法を与えてしまっているせいもあると思います。


だから私がここでできるささやかなアドバイス。
文章問題が苦手な子とその保護者の方へ。

★いきなり式を立てるのをやめましょう

最初にすべきことは、書かれている文章の状況を正確に把握することです。
「違いは」とか「合わせて」とか「どちらが」とか、そういうキーワードを探す前に、合わせるとはどういうことなのか、違いとはなんなのか、そういうことをきちんと考えましょう。

★問題を絵に描きましょう

問題文の内容が正確に図示できるかどうか。
これがとても大切です。
わり算とかひき算とかの計算方法は、求めたい答えを得るための方法にすぎません。
まず今どんな状況で何を求めればいいのか、それが把握できてはじめて解き始めることができるのです。
とにかく面倒でも、いちいち絵にかきましょう。
いきなり全体を描くのは最初は難しいと思います。
苦手な子は、一行一行声に出して読み、一行ごとを絵になおしていきましょう。


★文章ではなく絵をみながら解きましょう
正しく読解できているのなら、人が書いた問題文よりも自分が描いた図の方が絶対に状況がわかりやすいはずです。
もう問題文は必要ありません。
自分の絵をもとに問題を解きましょう。
式をたてるのであればこの後です。
極端な話式なんかなくても、正しく絵さえかけてればほとんどの問題は解けます。
「習ってないから解けなーい」
なんて言う子は、相当学校や塾の「型どおりな解き方」に毒されています。



他にもこまごま言いたいことはありますが、とにかくまずは文章を図にできる力を養う。
これに尽きると思います。
ちなみに上に挙げた「4枚のおりがみ」の問題が解けなかった子に、問題文を絵にしてもっていらっしゃいと指示したら、全員が紙切れを4枚だけ描いて持ってきました。
「これって何色なの?水色?ピンク?」
と尋ねても
「・・・・・・?」
と首をかしげるばかり。
これでは解けなくて当然ですね。
この子たちはずつという言葉の意味が曖昧だったようです。
今までも問題文に何度も出てきた言葉ですが、今まで解いてきた問題は「ずつ」を読み飛ばしていても出てきた数字をたしたりひいたりすれば解けてしまったのです。
一緒に辞書などで「ずつ」の意味を確認し、あらためて正しい図を書きました。
もう同じような言葉にひっかかることはないと思います。





【追記】
このような授業を進めるために問題文を作ってる途中で、すでに文章を絵にさせて解く方法を確立して実行されている方を知りました。
どんぐり倶楽部の糸山泰造さんという方です。
ツイッターのフォロワーさんが教えてくださったのですが、使われている問題文も私がやりたかったようなものズバリなもので、ちょっと悔しいやら、でも実際に成果をあげている方がいて心強い気持ちになりました。
まだすみずみまでHPをチェックしていないのですが、参考にさせてもらって、ますます子供の力を伸ばせる授業をしたいと思います。

【追記の追記】
どんぐりさんのHPをもう少し詳しく見てみたのですが、「いい方法だな」と思う反面、「私だったら違うかな」というところもあったり。
どちらがいいというわけではないと思うので、現場で子供を見て、よりうまくいく方法を模索していきたいと思います。


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