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オレンジリーフ

あんずパイです。忍たま落乱や古今東西レトロゲームやビックリマンとかの食玩が好きです。最近はコトダマンがブーム。

影使いの悪魔

2011-11-23 23:09:18 | 小説置き場
不定期に書く怪物くんスピンオフ小説。小説になっていないかも。悪役主役ー。


「毎日抜け出そうとするのは、授業がつまらないからだよ」
デモキン王子はそう言いながら黄色いオープンカーの鍵を探していた。ブラックベアに没収された鍵を探しているのを手伝うタイガー。王子の気まぐれは今に始まった事じゃないが、何故自分を毎回誘うのかは分からない。
「そもそも分身人形とか犬とか脅迫だよね?あんなつまらない授業を抜け出したらお仕置きとか脅迫だよね?」
まだ先日の事を根に持っているらしい。
「逃げ出したらまたお仕置きされるんじゃないですか?」
タイガーはそう言いながらも臭いで鍵を探してあげている。
「でもつまらないんだ。ドール先生は僕に魔法教えているのは、人間に復讐するとか災いをもたらす為とか個人的趣味の押しつけなんだろ。僕が大魔王の2代目だから魔法を教えてるんじゃないよ」
つまらなそうに言うデモキンに対してタイガーは困った王子だが束縛を嫌う気持ちは分かるので黙っていた。
あまり迂闊な事言うと大魔王に何を言われるか分からない。中間管理職は辛すぎる。

悪魔ランドの悪魔は大魔王デーモンの魔法で今の姿にして貰った無生物や動物も存在する。タイガーは元は虎だった。お酒を飲むと本性の虎になり暴れてしまう悪い癖があった。そんな彼だが何故かデモキンに好かれていた。

「ありましたよ王子!」
タイガーは鍵を物置きの荷物入れの中から見つけ出した。
「やったぁ!これで抜け出せるぞ!あ、授業はまた次回ちゃんと受けるからね♪」
デモキンは嬉しそうに鍵を手にすると、外に出て行ってしまった。

「あーあ。やっぱりやめとけば良かったかな…わし王子に頼まれると断れない」
タイガーがぼやくと、足元の影が動きだした
「ならわしがあの気まぐれ王子を止めてやろうか?」
影が喋り、立体化した。タイガーを威嚇するように四つん這いになり吠えた
「うわぁ!?」



機嫌良さそうにデモキンは口笛を吹きながら黄色いオープンカーを魔法で出現させて鍵を入れたその時、背後からタイガーの影が
王子の身体を掴み、押さえつけた。
「王子、いい加減に授業から逃げるのは止めて欲しいですぞ!」
タイガーの声を低くしたような声の影が言う。
「お前はタイガー!…じゃないな。何者だ!」
デモキンはマジックステッキを掴もうとしたが思っている以上にタイガーの影の腕力が強くて振りほどく事が出来ない。
「よくぞ聞いてくれました!」
不意に陽気な声が足元から聞こえた。影が喋っているのだ。
その影がいきなり立体化して中年の男の姿になった。
「見て見てこの胸の銀バッジ!デモーニッシュ幹部の一人、影使いのミスターシャドーですよ!」
やけに陽気な黒人の姿をした中年の悪魔は胸に付けたバッジを見せびらかした。どうやら自慢しているらしい。
「何だよ。またパパの組織の人?」
デモキンは面倒だなと内心思うが、ミスターシャドーはお構いなしに喋る。
「そうですよ。友達のドールが王子に魔法を教えたいのに毎日抜け出すので困っていると愚痴を言うから、代わりに連れ戻しにきたんですぞ!さぁ、教室に戻りましょう」
「でもシャドーおじさんは僕に魔法を教える先生じゃないんでしょ?それに人間界で怪物族に負けたとかいう話だけど?」
ちょっと反抗的に応えるデモキン。
「うむむ…確かに怪物こぞうに負けたが、あれは相手の弱点を良く調べなかったからじゃ。王子の弱点はちゃんと調べているぞ!結論ー!!悪魔王子は犬に弱い!」
「ちょっと!それずるいよ!」
「悪魔だからずるいのが当たり前ですぞ!行けー影犬!」
ミスターシャドーは取り出した犬の影に命令した。
影犬が吠えると身体の力が抜けていく。
「犬に吠えられると魔法の力も使えなくなるというのは決定的な弱点ですぞ」
ミスターシャドーはそう言いながらデモキンを連れ戻す。


「…次回は絶対抜け出すからね」
それでもまだデモキンは懲りていないらしい。
「もうやめた方がいいんじゃないですか?」
タイガーはそう言いながらも付き合っている。

人形使いの先生・その2

2011-10-29 18:37:28 | 小説置き場
「ミスタードール先生!もっと王子に厳しくしてもらわないと困ります!王子は隙があれば抜け出す天才あのですから…このままでは悪魔族の将来が…トホホ」
塾長の嘆きにドールは頷いた
「確かにこのまま魔法の勉強もしないと、あの怪物こぞうに負けてしまうかもしれん。そうなると悪魔族の立場がないな」



ドライブから帰って来たデモキンを待っていたのは小さな白熊の子供だった。
「こんにちは王子様ー」
やたらに人懐っこい喋り方で白熊はデモキンの足元にすり寄る
「早く一緒に来てよー!」
マントを引っ張る白熊に油断して、一緒に部屋に入るデモキン。白熊はそこで煙とともに大きな獣人に変身した
「そして私と魔法のお勉強しましょうね!」
その身体に似合わない喋り方で白熊の獣人が言う。デモキンはぎょっとするが部屋のドアはきっちり閉じられた後である。
「お前はブラックベア!何で小熊のふりなんかするんだよ!」
「王子様が抜け出すからいけないんですよ。毎回毎回先生を困らせるのは良く無いですぞ」
ブラックベアは落ち着いた声で言いながら、ドアの入り口に鍵をかけている。
「これは預かっておきます」
黄色いオープンカーの鍵を手に取りブラックベアはニコニコしている。


「あんなのズルイや」
不満そうに言うデモキンに対してドールは笑いをこらえながら応える
「いやいや。変身術は悪魔族の得意技の一つですよウシャシャ!さぁ王子様、さっきの授業の続きを始めましょう」
「僕からも頼むよ」
ドールが腹話術の人形を手にして話す。人形のマッド君が本当は本体で長身の男はクグツだが他の悪魔達には秘密にすると約束したので黙ってうなずく。
「わかったよ。ちゃんと授業を受けるよ」
デモキンは渋々椅子に座る。たしかにサタン先生も犬に変身して自分を脅かした事がある。あれ以来、犬が大嫌いだ。


ドールは黒板に魔法の方式の字を書きながら、懸命に魔法の説明をした。しかし振り返るとデモキンは退屈したのかやる気が無いのか寝ていた。王子は手ごわいと愚痴をこぼす塾長の言葉を思い出したが、流石にこれにはカチンと来た。
「さぁ、今回の授業は魔法の人形ですぞ!!これは悪魔の魔法でも基本中の基本ですぞウシャシャ」
ドールは大声で言うと、デモキンそっくりの人形を取り出した
「これは王子の分身なのだ。これをこうするとー」
手にした羽ペンの羽で人形を撫でまわした
「あはははは!くすぐったいよ!あははは!」
デモキンは笑い転げてひっくり返る。
「この人形は王子の分身なのだ。くすぐれば同じようにくすぐったくなるし、人形にダメージを与えたら王子も同じように痛くなるのだ。試してみるか?」
ドールが怖い声で言う。手にはトンカチを持っている。
(あの怪物こぞうには破られたが、王子はどうかな?)
内心試すように思う。
「王子様、これからは真面目に勉強しますか?」
腹話術の人形が合わせるように言う。
「わかったよ!あはははは!僕の負けだよ!ちゃんと勉強するよ!」
流石に怖くなってデモキンは降参する。



「…ところで怪物こぞうって誰だい?」
真面目に机に向かいながらデモキンは質問した。怪物族に関してはパパが良く奴等さえ居なければとか邪魔だとか言ってた気がする。しかし悪魔ランドから出た事が無い自分にとっては良く分からない。
「我が悪魔族の先祖代々の敵の怪物族の王子だ」
ドールは言った。以前人間界で悪事を働いた時に敗北した相手。あの時は怪物王子だけでなく3人組のお供が居たが、売り出し中で自信家だった自分にとっては、あの敗北は非常に悔しい過去である。
「王子様は後に大魔王デーモン様の後継ぎになるお方なのですぞ。敵である怪物族の王子より強くなってもらわないと」
「わかってるよ。僕は2代目なんだろ」
正直面白くなかった。その怪物王子より強いかどうかさっきの魔法で試されたのが気に入らない。

人形使いの先生

2011-10-28 22:38:23 | 小説置き場
怪物くんの2次創作小説。今回もプリンスデモキンが主役。性格はシンエイアニメ版が基準です。



「今日こそ悪魔塾の講義を受けてもらいますよ王子様」
塾長はあの程度の王子の(サボり)抜け出しでも懲りない。要するにデモキン王子の抜け出しは日常茶飯事なのである。
「そんな事分かってるよ。今日は何の勉強?」
王子は退屈そうに応えた。サタンから貰った赤い魔法の杖マジックステッキは没収されてしまったが、どうやって抜け出そうかと色々企んでいたりする。

「今日は特別に臨時で別の先生に授業をやってもらいます。さぁミスタードール先生こちらに」
塾長が声をかけると、少し背の高い浅黒い肌のおじさんが空中から現れた。
「やぁこんにちは王子様。わしはミスタードール。人形使いの悪魔ですウシャシャ」
一見フレンドリーな態度でデモキンに話しかけるドール。
「それでは早速、魔法の使い方をお教えしましょう。さぁこの部屋へどうぞ」
普段と違う部屋に案内するドール。デモキンは好奇心につられてその部屋に入った。色とりどりの仮面や様々な人形がその部屋に
飾ってある。木で作られた操り人形、セルロイド製の熊、マネキンのような子供の人形。

「どうですか?いつもの殺風景な部屋より子供部屋の方が王子には良いでしょう?」
部屋の中の人形の一つを手にして腹話術で話しかけるドール。
「うわぁ…この人形可愛いね」
デモキンはフランス人形や古風な市松人形を見ながら応える。その部屋には様々な人種をモチーフにした人形もある。
「わしが教える魔法は人形を使ったものです。人形に命を吹き込んで思い通りに動かす術…」
ドールは手ごろな人形を手にして呪文を唱えた
「ノラノーラ!」
すると人形はまるで生きているように動き、ダンスを始めた。
「まぁこんな風に、動かして自分の思い通りに操るのですよウシャシャ」

「面白いね。ところでドール先生もパパに動かされたの?」
デモキンはドールに向かい訪ねた。
「…!王子、それはどういう…」
少し戸惑いながらドールは、側にいた悪魔の兵士を見た。
「ああ、君達はこの部屋から出て行って。ちゃんと勉強するから見張っていなくていいよ」
デモキンは無理やり兵士を部屋から追い出して笑った。


「先生、大丈夫。今は僕以外に誰も居ないよ」
無邪気に笑う王子。ドールはそれに応えるべきか迷った。
「それとも、誰にも正体知られたくないわけ?大丈夫だよ秘密にするからさ」
「…やれやれ、MBIに怪物王子に…わしの正体はどんどんバレてしまうな」

ドールの正体は背の高い大人の人形使いではなく腹話術の人形サイズの悪魔だ。
腹話術の人形は照れくさそうに頭をかいてからデモキンの前にひれ伏した
「その通りです王子様。わしは大魔王デーモン様にこの人型の姿にしてもらった人形です。…最近の子供は何でも欲しがる反面、飽きたら直ぐにおもちゃや人形を捨てる!その人形の復讐をしたくてデモーニッシュの幹部として…」
「そんな事どうだっていいだろ。それより僕の前では本体の正体の方で講義やって欲しいんだけど」
「わかりました王子様!この姿、わしはコンプレックスで…他の悪魔幹部に比べて背が低い小柄な体でしょ?馬鹿にされるのが嫌で…でも命令なら…」
「違うよ。ただ背が高いのを見上げるのが疲れるだけだよ」
半泣きのドールに困った感じでデモキンは言う。


「それでは改めまして魔法をお教えしましょう!」
ドールはミニカーを取り出した。悪魔ランドで少し前に流行したデザインだ。それを使い呪文を唱えた。
ミニカーは何となくデッサンが狂った感じのオープンカーに変化した。
「王子様、これがミニカーを触媒にした魔法の車ですウシャシャ!子供でも魔力さえあれば走らせる事ができますぞ!」
「やっおーい!!これは良いね!気に行ったよ!」
デモキンはその黄色いオープンカーに乗りこんだ。
「えーっと…とりあえずドライブに行って来るね!」
ドールが止める暇もなくデモキンは車に乗り、部屋から飛び出した。


「今日は真面目に勉強してるようです」
兵士の報告を聞いたが塾長は不安だった。
「ああ、でも王子はいつも抜け出す事をお考えになっている気がする。これは被害妄想だろうか」
もちろん嫌な予感は的中するのだが…これ以上は説明不要かもしれない。

そんな事どうだっていいよ

2011-10-25 21:24:48 | 小説置き場
ここは悪魔だけが住む禁断の地、悪魔ランド。その場所は人里離れた山岳地帯のとある洞窟の奥から繋がる別の次元にある。そこに住む大魔王デーモンはデモーニッシュという悪魔組織を操り人間世界の征服を狙うが、それを毎回ライバル種族の怪物族の王子に邪魔されていたりするのだが、そんな事で諦める大魔王ではなかった。毎回懲りないで幹部を人間界に仕向けていた。

大魔王の一人息子のデモキンは、そんな父親が自分に構ってくれないので寂しかった。
「パパは今日も忙しいの?」
デモキンは悪魔塾の塾長に訪ねた
「はい、何でも呪いの儀式に使う為の品を選ぶとかで…それより今日の講義ですが…ちゃんと受けてくれますよね?」
事務的な塾長の応え。
「少しぐらい遊んでくれたっていいのに…」
何となくつまらない。

話は少し遡る。


「王子様、今『変な歯抜けな先生だ・きっと歯と同じで間も抜けだったりして』と思ったじゃろ!ウシャシャシャ」
サタンは笑いながらデモキンの考えてる事を見透かした。
「え…僕以外にも…」
驚きながらもデモキンはサタンの顔を見る
「人の考えてる事が分かる魔力の事は誰にも内緒にしていた方がよいぞ。その力、悪魔族でも珍しいからの」
「…言われなくても分かってるよ。心の中ってある意味、一番見られたくない所だからね」
それ以上は何も話せなかった。
あの時は真面目に講義を受けていた。
しかし以前の悪魔塾の講義の先生サタンは人間界に出張して帰ってこない。


サタンにスペアの赤い魔法の杖を貰ったのは嬉しかった。

「今日の魔法の講義は…」
サタンの代わりに来た塾長は本を取り出して説明しようとした。同時にデモキンはサタンに貰った杖でテレポートした。
「そんなの後回しでいいよ。アシャクリバリタンキナパイポ!」
「王子!ああ…また抜け出してしまった。これだから子供の世話は嫌なんだ!」

場所は変わって。悪魔幹部の一人タイガーは一人でお酒のつまみらしい食べ物を漁っていた
色々あって今度こそ酒は止めると言いながら間食がやめられない彼の元に瞬間移動で出てくるデモキン。
「やぁタイガー!お久しぶり」
「ああ、王子様!いきなり部屋に入って来るなんて恥ずかしいです!わしの部屋散らかってる…」
「今更何だい。押入れもクローゼットも物にあふれているからすぐには片付けとか出来ないだろ?」
「一応これでもプライベートというのが…」
気まぐれな王子だから何を言っても向こうのペースに巻き込まれてしまう。タイガーは半ば諦めた。
「それよりタイガー。僕、新しい魔法を覚えたんだ!見てよ!」
デモキンが呪文を唱えたら煙とともに高級な感じのお酒が出現した。
「凄い!召喚魔法の応用でお酒を出せるなんて…わしには出来ない!」
素直に感動するタイガー。大魔王の息子だから魔力自体は高いらしい。

「今日は飲みたい気分なんだ。いっしょに飲まないかい?」
「王子様…わし酒は止めてるんで…」
「何?僕のお酒が飲めないというのかい?せっかくタイガーが酒が好きだと言ってたから魔法の練習したのに」
「でもわしは酒癖が悪いよ?」
そう言いながらもタイガーはデモキンの出したお酒を飲んだ。
「美味しいですぞ!」
タイガーは飲んだら大きな虎に変身する。
「やっぱり酒は止められないよねー僕も講義をサボるの止められないし」
2人は調子に乗りながら揃ってお酒を飲んだ。

「王子!いい加減に講義を受けて下さい!ああ…このままだと悪魔族の将来が心配…」
2人をやっと見つけた塾長はため息をついた。何を言っても王子は言う事を聞いてくれない。
「心配なのは講義を受けさせないとパパに叱られる自分の立場じゃないの?」
デモキンは塾長に対して見透かしたように言う。
その言葉に塾長はドキリとする。
「そんな事どうだっていいじゃないか。今日は魔法で何かを創り出す練習とか言い訳しておけば?
明日はちゃんと講義受けるからさー。ね?」
絶対口先だけだなとタイガーは思ったけど塾長をからかってる王子は何だか可愛いと思った。

緑の