本当にあった偶然

さる日、帰りに通る最寄り駅のショッピング・センターの通路での出来事

いつものように、地下鉄を降りて、長いエレベーターで上にあがり

通路まで来たら、今日は、休館日でお店はお休み

別に買うものも無いけど、なんとなくつまんないなぁ、と思いながら、

JRの改札に向かう通路を通っていたら

盲導犬をつれた、可愛い娘さんが、立ち止まって動かない場に出くわしました

他の皆さんは、スタスタ通り過ぎていくのですが、私には、彼女が何だか困っていた風に見えまして

「大丈夫ですか？」

と一言、声をかけました

すると、はっとした風に、私の方に向き直って

「ここって、今、改装中だったりしますか？」

と、尋ねられました

彼女には、お店がお休みなのが、見えないのです

でも、なんだかいつもと様子が違うし、周りの人は足早に過ぎ去って行くしで

どうしたもんなのやらと、立ち止まっていたのでしょう

盲導犬は、黒のラブラドルでした

良い子で、その娘さんが止まっていると、じっと止まり

進もうとするんだけどまた止まるので、犬も止まり…

なんてことを、繰り返していたようです

犬も、どうしたらよいものやら、困っているようでした

私が声をかけたら、犬が尻尾を、ちょっとだけ振りました

「今日は、ここはお休みのようですよ、休館日」と私が言うと

「あ、そうですか、分かりました。ありがとうございました」

と、綺麗な声で言って、くるっと向きを変えてすいすい歩いて行きました

犬も、安心したように私には感じました

何にもしていない、ただ、今日はお休み、と伝えただけなのに

それでも、目の見えない彼女には、必要な情報だったのでしょうね

こんな簡単な事でいいんだ、と、あらためて思いました


いつも、割とひょいひょい声をかける私ですが

今回も、声をかけて、そのあと、あれ？何処かで会った人・・・？と思ったら・・・

何年か前に見たTVの盲導犬と目の不自由な人との様々な出会いのエピソードを描いた番組で

彼女は、生まれて初めて盲導犬を使っての歩行を訓練する、ということで

その様子が、放映されていた一人たったのです

まあ、何という偶然

黒ラブのワンちゃんとも、実にいい感じで、息がぴったりでした


こんなことあるんですねー

何だか、とてもうれしくなりました

あの時、中々うまくいかなかった彼女の事を　ちょっぴり心配しながらTVを見ていたのです

でも、もう、何処にでも行っているって感じで

何の不自由も感じない、素敵なパートナーになっている様子でした


もっと、皆が声をかけあえる世の中だと良いですね

もっと、盲導犬が、望んでいる人のもとに行かれる世の中だと良いですね


そのために一体いくらのお金があればいいのかなぁ

優しいことや、温かい事に、お金が使われる世の中だといいですね～～～