歳をとるという事

母と一緒にいると色々な事を学ぶ

もちろん、私が知らない事を散々母に教えてもらってきた訳だから

そういう学び方で言えば、どうも、ありがとう、ということなのだが

今、私が学んでいるのは

ー自分は、どうやって、年老いて行くのかー

ということ


母は、ずっと仕事をしてきた

勤めを辞めてからも、以前から続けていた医学雑誌の校正を頼まれて

家でやっては、週に２度ほど、届けていた

それをやめてから　もう何年になるのだろう

今、８７歳だから、２０年は経っていると思う


仕事をしている時、

「ゆっくり本でも読みたい」

などとよく言っていた


まだ体が丈夫な頃、

もっと友達とあったり、旅行に行ったりすればいいのになぁ～と私は思ったが

余り社交的でない母は、自分から人を誘うことはほとんどなかったようだ


３年ほど前に倒れてからは、一時寝たきりになったが

リハビリも頑張って、自分のことは自分でできるようになり

今も、介護中とはいうものの、寝たきりではない


娘の私が言うのもなんだが、母は、頑張り屋なんだと思う


我が家は、皆が仕事をしている家族だから、本当に忙しい毎日だ

その中で、母の事を、そう多くはないにしても気にかけてやる大変さは

介護したことのある人ならわかると思う


毎日の母の様子を見ていると

人間の尊厳を、自分がどうやって保ち続けて行くかが　問題と言うか課題と言うか

勿論甘えていいのだけれど

ずっと、頑張ってきた母だけに、その線引きが難しい

私は、やはり、尊敬出来る母で居てほしいのだ


もう、母には、無理に望むことはしない

やはり、母は老いたのだ


私の周りには、母より年上でも、立派にやっていらっしゃる方が何人もいらっしゃる


さて、私が老いて行くとき、今私が母に望むような老いかたが出来るだろうか

いつまでも、子供に尊敬される老い方が　出来るのだろうか


母との暮らしは、今、本当に多くの事を教えてくれる