障害児と学校 → 頑じいの歯ぎしり

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ADHDと喫煙

2007年05月08日 | 障害児
 先月下旬、大阪府の小児科医がADHD小児患者の母親167人を対象としたアンケートの結果を発表した。それによると、「対象者の喫煙経験は47%、妊娠時にも35%が喫煙していた。これは通常の2倍程度高く、特に出産時の年齢が20~24歳の母親では、喫煙率が88%にのぼった」という。

 長崎市長の銃撃事件と重なって、新聞やテレビ上の取り扱いは小さかったが、インターネット上では、尻馬に乗って、障害児の母親に対する偏見やプレッシャー、若い女性に対するお説教があふれている。
 喫煙が胎児に悪影響を与えるのは否定できないだろうし、私も短大の講師をしていた頃、女子学生の喫煙率の高さを実感し、妊娠との関係を話し合ったこともある。けれど、今回のニュースは気に入らない。
 外国の研究結果を追いかけるように同種のアンケートを実施して発表したこと、対象者が167人であること、日本より女性の喫煙率が高い国(たとえばデンマーク)や低い国との比較がないこと、父親について触れてないことなど。統計学・医学上、信頼できるものだろうか。この種の研究結果発表は、社会的反響も考慮して充分の裏づけと慎重さが必要ではないだろうか。