六角オセロ & 右・石田流 & 目くらまし戦法

六角オセロ と 六角碁 と 将棋の浮き飛車めくらまし戦法 の考案者です

水谷豊さん / カリフォルニア・コネクション

2021-03-22 18:21:25 | Weblog
水谷豊さん / カリフォルニア・コネクション

宇宙刑事アニー SF傷だらけの天使 38話



アキラは、観光客の多さに、びっくりしていた。
「金剛峯寺は、やっぱり凄いなあ~~」
「境内に、色んな建物がありますからねえ」
「神社もあるしねえ」
「はい」
よう子は、ショーケンを見ていた。
「ショーケンさんに、質問してもいいですか?」
「どうぞ」
「ネットで見たんですけど、こういうことが書いてあったんですよ」
よう子は、スマホの画面を見せた。


負けん気の強かった中学生の萩原さんは、ダイケンと呼ばれる高校生の大番長、そしてチューケンと呼ばれる副番長にもケンカで一歩も引かなかった。彼等はその勇気を認め萩原さんを「ショーケン」と任命。萩原さんのショーケンとしての人生が始まる。


「そうですよ」
「そんなに負けん気が強かったんですか?」
「そうみたいですねえ」
ショーケンは笑っていた。
「凄かったんですねえ」
「子供だったんですよ」
「今は?」
「臆病になっちまったかな」
「利口になったんですよ」
「利口にねえ・・」
「今日は、悲しいテディボーイで行こうかな?」
アキラが尋ねた。
「悲しいテディボーイ?」
「アイドルのミケの歌」
「悲しいテディボーイ、どういう意味?」
「悲しい不良少年」


山伏が、リアカーの前で立ち止まった。
「焼き芋を、一つ所望(しょもう)したい」
「かしこまりました」
山伏は、アキラの目を見ていた。
「おぬし、心の目を持っておるな?」
「はっ?」
「ただ者ではないと観た」


詩人の深澤が、歌いながらやって来た。
 わたしはわたしで 生きて来ました~~♪
 そし今 思っています 明日からも
 わたしはわたしで 生きて行こうと~~~ ♪


山伏が深澤に言った。
「なんだそれ、拓郎の替え歌じゃないかよ」
「そうです。ばれましかた?」
「誰でも知ってるよ」
山伏は去って行った。
「今日も、カップラーメン無いの?」
「ありません」
「な~~んだ!」
深澤は去って行った。
「こっちが、な~~んだ?だよ」
赤いジーンズの若い女性が、ロボットを連れてやって来た。
「福之助、こっちだよ。早く早く」
ロボットは、旧型のアルミの足の遅い偏平足ロボットだった。
「姉さん、早すぎますよ~~」
「あんたが遅すぎるの」
「最高速度、時速三キロなんですから~~」
「まったく、世話が焼けるねえ」
「世話が焼ける。はて?焼いて食べる物ですか?」
「調べて、登録しとけよ」
「はい」
「お腹が空いたから、焼き芋でも食べるか」
「お客さん、大きいのにしますか?」
「中くらいのをください」
「福之助、お参りに行くぞ」
「はい」
女性は、焼き芋を食べながら、金剛峯寺に入って行った。
「あの人、宇宙刑事アニーに似てたわねえ」
「宇宙刑事アニー?」
「紅(くれない)流のアニー」
よう子は、構えて見せた。
「これ!」
「かっこいいねえ~~」

https://ncode.syosetu.com/n0433gw/38/

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流



宇宙人の家

2021-03-22 16:36:02 | Weblog
宇宙人の家 SF傷だらけの天使


「うわ~~~あ!ここが、お家(うち)なの~~?」
「そうよ」
「お家(うち)が丸いの~~?」
「おもしろいでしょう」
「うわ~~~あ!」
あゆみは、きょろきょろしてドームハウスを見ていた。
「宇宙人の家みたいだわ~~」
「宇宙人の家?」
「鎌倉の幼稚園にあったの」
「ふ~~~ん、あゆみちゃんも行ってたの、その幼稚園?」
「ううん、行ってない」
「そうなんだ」
「いつも、幼稚園って何だろうって見てたの。宇宙人の家に入ってみたいなあって、見ていたの」
「そっか~~」
「幼稚園に行かないと、小学校に入れないの?」
「そんなことないわよ」
「よかった!」
アキラが言った。
「大丈夫だよ、あゆみちゃん。僕も、幼稚園には行ってないんだから」
「わたしと同んなじだわ~~」
「仲間だな。へへへ~~」
ショーケンが、よう子に言った。
「じゃあ、よう子ちゃん。よろしく頼みます」
「わかりました!」
「じゃあ、また明日」
「はい!」
三人は、それぞれのドームハウスに帰って行った。
・・
「うわ~~あ、公園もあるわ~~」
「いつも、ここで体操してるのよ」
「どんな体操?」
よう子は、シャドーボクシングをやって見せた。
「ふ~~~ん」
「やってみる?」
「こう?」
「そう!上手ねえ~~」
「これ楽しいわ!」
狸のポンが、少女に近付いて来た。
「わっ!犬だわ」
「これは、狸よ」
「たぬき?たぬきってなあに?」
「犬の仲間。山に棲んでるの」
「ふ~~~ん」
狸のポンは、シッポを振っていた。
「ポンちゃんって名前なの」
「ぽんちゃん!ぽんちゃん!」
あゆみが近づいたら逃げて行った。
「行っちゃったわ!」
「こわがりなの」
「また来ると、いいなあ~~」
あゆみは、ベンチに座った。
「お姉ちゃん、お腹空いちゃった」
「さっきの、ここで食べる?」
「うん」
よう子は、無花果とサンドイッチを出した。
「どっち食べる?」
「こっち」無花果を指さした。
「ポンちゃん、また来ないかな~~」
「ポンちゃんにあげるの?」
「うん、ちょっとだけ」
「山に帰ったら、もう来ないよ」
「なあんだ!」
あゆみは食べ始めた。
「おいしいわ、これ」
「よかったね~~」
「お姉ちゃん、狸の歌を歌おうよ」
「うん、歌おう!」


証 証 証城寺
証城寺の庭は
つ つ 月夜だ
みんな出て 来い来い来い
おいらの友だちゃ
ぽんぽこ ぽんの ぽん


負けるな 負けるな
和尚(おしょう)さんに 負けるな
来い 来い 来い
来い 来い 来い
みんな出て 来い来い来い

証城寺のたぬきばやし 歌:AIきりたん、AI謡子(歌詞付き)

「寒くなって来たわ。あゆみちゃん、帰りましょう!」
「うん!」
・・
「ここよ」
「うわ~~あ、宇宙人の家だわ!」
ハウスの上に、カラスが一羽止まっていた。
「カラスさんも、早く、お家に帰りなさ~~~い!」
カァーと言って、カラスは飛び去って行った。


そして
あゆみは、よう子の両親に喜んで迎えられた。
そして、夕食。
「うわ~~~、温っかいごはんだわ~~~!」
あゆみは、涙ぐんでいた。
「いつも、何を食べてたの?」
「パンかコンビニの弁当」
よう子も、よう子の父も、胸が熱くなり涙を浮かべていた。
「可哀想になあ~~」
よう子の母も泣いていた。
「はい、お茶。よく噛んで食べるんだよ」
「おかずも、温っかくて、おいしいわ~~!」
「うわあ、お茶も美味しいわ~~」
「いつも、何を飲んでたんだい?」
「ペットボトルの冷たいもの」
「そうかい、そうかい・・・」
ドームハウスの外は冷たい風が吹いていたが、中は温かい空気で満たされていた。

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流


ブライトン・ロック/甲斐バンド【甲斐よしひろコメント映像付き】

ポンコツのおまえがいいの

2021-03-22 09:08:10 | Weblog
ポンコツのおまえがいいの SF・傷だらけの天使


高野山は、朝から雨が降っていた。
ロボットが、傘も差さずに歩いていた。
「兄貴、昨日の時速三キロのロボットだよ」
「ほんとだ、あいつ何してるんだ?」
雷鳴が聞こえていた。雨は強くなって来た。
急に、ロボットの動きが止まった。
「あれ、どうしたんだ?」
「雨に濡れて、ショートしたんじゃないか?」
「そうかもね」
ロボットは倒れ込んだ。
「故障だな!」
「兄貴、助けに行こう!」
二人は、UFOカッパを着て、外に飛び出した。
「おい、福ちゃん、大丈夫か?」
ロボットは、まったく反応しなかった。
「駄目だ、兄貴」
「かついで連れて行こう」
「重くて駄目だ、兄貴」
「リアカー、持って来よう」
二人は、リアカーを持って来て、ロボットを載せ、運び、家の中に入れた。
「重いなあ、こいつ」
「邪魔だけど、このまま、ここに置いておこう」
「このまま、ここに?」
「そのうちに乾いたら、動き出すんじゃないか?」
「そうかもしれないね」
「携帯も、洗って乾かしておけば使えるようになるだろう」
「じゃあ、バッテリー、抜いておかないと」
「バッテリー?」
「ロボットのバッテリー」
「それ、どこにあんだ?」
「お腹か背中あたりにあるんじゃないの?」
アキラは、ロボットを調べた。
「背中に六角ボルトがあるよ、これかなあ?」
「たぶん、それじゃないか?」
「でも、道具が無いよ」
「そういえば、りゅうちゃん、バッテリーに詳しかったなあ」
「特許を持ってるとか言ってたねえ」
「知ってるかもしれないから、電話で聞いてみよう」
ショーケンは電話した。
「やっぱり、そうだ。でも、その前に、リセットボタンを押せって」
「どこにあるの?」
「お腹のヘソのところに穴があるらしい、そこをボールペンみたいなもので押せって」
アキラは、再度調べた。
「あったあった、ここだな」
割り箸で押し込んだ。
ロボットは目を開け、上体を起こした。
「ここは、どこですか?」
「ここは、あの世じゃないよ」
「ロボットに、あの世はありません」
「ここは、ドームハウスの中だよ。おまえ、外で倒れてたんだよ」
「発作です、ときどき起こすんです」
「発作?」
「プログラムのループです」
「それで倒れるんだ」
「はい」
ロボットは立ち上がった。
「助けていただいて、どうもありがとうございました」
「こんな雨の日に、傘も差さずに外に出るからだよ」
「そうですね」
「ポンコツの旧型なんだから、気を付けろよ」
「はい、気を付けます」
・・
「遅いねえ福之助は、バスの時刻表を見に行っただけなのに、何してるのかなあ?」
姉さんは、窓から外を見た。雨が降って、視界が真っ白になっていた。
「大雨じゃないか・・」
雷鳴が鳴り響いていた。
「また発作を起こしたかなあ?」
姉さんは、心配になって外に出た。
「福之助~~~!」
傘を持って歩き出した。
「福之助~~~!」
福之助が、変な恰好で歩いて来た。
「福之助~~~!」
「きょん姉さ~~ん!」
「どうしたんだい、その恰好は?」
「UFOカッパです。借りたんです」
「誰にだい?」
「昨日の石焼き芋屋の人です、ドームハウスに住んでいます」
「また、ドームハウスの人かい?」
「はい。発作を起こして倒れていたら、助けてもらったんです」
「やっぱり、そうだったのか」
「後で、お礼に行ってください」
「ああ、行くよ」
「最新型のロボットに変えてほうがいいんじゃないですか?」
「わたしは、おまえがいいの」
「変な人ですねえ」
「ポンコツのおまえがいいの」
「不思議ですねえ」
「人間は、理屈で動いてるんじゃないの」
「何で動いてるんですか?」
「心で動いてるの」
「理解できませんねえ~~」
「濡れちゃうから、早く帰ろう!帰ろう!」
近くの白い野菊の花が、雑草と一緒に雨に濡れていた。

空戦・袖飛車 & 空戦・石田流