最近、ひょんな事から俗に言われる「復刻版」と呼ばれる本を読んでいます。
一冊目は「菊池寛」が書いた「大衆明治史(国民版)」です。
菊池寛は1910 年第一高等学校に入学、1913年中退、後に京都大学英文科卒業、第一高等学校時代の旧友芥川龍之介、久米正雄らと『新思潮』を起し、『屋上の狂人』、『父帰る』、『時の氏神』などの戯曲を経て、『ゼラール中尉』『無名作家の日記』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』『藤十郎の恋』など小説を次々に発表して認められました。
競馬が好きだったらしく文豪仲間と一緒に競馬を楽しむ姿が記録に残っています。
「日本競馬読本」と云う指南書も書かれており部類の馬好きだった文豪ですが、「東京優駿(日本ダービー)」の優勝馬主だけは夢で終わったのですが、菊池寛を尊敬していた大映の社長がダービー馬の馬主になれる可能性を予感し菊池寛が馬名の冠に使っていた「トキノ」に続いて「夢が実る」から「ミノル」をつけて「トキノミノル」が登録されたのです。
この馬は三石村本桐(現新ひだか町)の「本桐牧場」で生産されたサラブレッドで10戦無敗を誇った名馬なのです。
そんな縁があって「大衆明治史(国民版)」をkindleで読んでいます。
もう一冊は「海の二千六百年史(高須芳次郎著)」で巻頭には「愛すべきかな海の日本、讃うべきかな海の日本、海は日本の生命線だ、海に活躍し海に雄飛せよ。」と序され、始まる歴史書の復刻版です。
共に戦後GHQによって廃棄された本ですが、いまNHKで再放送されている「坂の上の雲」に誘発され読み始めました。
全部読み切っていませんので、詳しい感想を述べる事は憚りますが、陸地の戦闘では多くの民間人を膜込む事が多いのに比べ海での戦闘は軍人同士の戦いが大部分ですので戦後に残る遺恨は違うのかと思います。
この後は「天工開物(1969年初版/平凡社)」を読もうと計画しています。
「本が死ぬところ暴力が生まれる」と云う1998年に発行された本がありますが、今まさに多発しているSNS等による強盗被害等は本書に書かれている「識字の衰退と跋扈(ばっこ)する暴力」と云う言葉に共感しています。
75歳を目前にして老眼鏡を掛けつつも読書を続けていかなくてはと猛省する昨今ですが、一気読みや長い時間の読書は全く出来なくなりました。
」