フゥー、アァ―、ハァー…。
辛いのはわかるけれど、勘弁してほしい!
いつもいつも、傍で聞く身にもなってほしい!
最近の主人は、すこぶる元気。
顔色も良いし、食べすぎるくらい、のべつ幕なし、口を動かしている。
冷蔵庫の前で、扉を開けて、何かを物色する姿は…。
病気がなせる業とはいえ、あさましく、哀しくて、見ていられない。
次回、主治医にお目にかかったとき、お腹がすくこと、言いましょうね~と言うと、
「もう、入院だけは死んでも嫌だ! 食べられるうちに、好きなことさせてくれよ!」
確かに、昔の主人と違ってきた。
でも、大半は、「老い」の所為だ。
病気そのものは、綺麗に取り除いたのだから、今、体に起こっていることは、直接、病気とは関係ないのでは…と思えてくる。
家族の関心が薄れてきたから、余計に、大きなため息をついているのかも…。
「いつも心配してくれる、近所のKさんのほうが家族よりも優しい!」
この言葉に、息子が激怒した。
私も、内心、むっと来た。
優しいかもしれないが、興味本位の近所の方のほうが家族よりも優しいと言うなら、その方に面倒を見てもらえばいい!
毎日毎日、主人第一に行動してきた私は、いったい、なんなんだろう…。
挙句、すぐに怒鳴り散らされて…。
お金も、使いたい放題使って…。
「なんで、あんな奴と結婚したんだよ!」
との息子の言葉に、かえす言葉が無かった…。
想えば、我慢我慢の連続だったものな…。
私のほうがため息をつきたくなる。