懇願ー１１

時計の針が夜中の12時を回った頃

ようやく手術の終了を

看護師さんが告げに来た。

―何も言ってなかったから

きっと大丈夫・・・でも、もし・・・

私は面談室に向かった。

心臓がドクンドクンと

強く脈打っているのがわかる。

そこには疲れ切った面持ちの

A教授が待っていた。

「思ったとおり、内臓が真ん中に

ぎゅっとくっついていました。

まずそれを剥がすところから始めました。

聞かれたと思いますが

血管がかなりもろくて縫い合わせに

苦労しましたが

とにかく前回と同じように手術は

とどこおりなく行われました。

一時はどうなるかと思いましたが・・・