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屍鬼 第腐汰悼話

2011年01月04日 | 屍鬼
今回は3つの視点から。


まずは尾崎率いる村人、特に尾崎と大川。
診療所が襲撃され母親が生きる為ではなく単に殺戮されたというのに、冷静だった尾崎。
母親と確執があったからというとそれまでなんですが、それでも一応親子の情はあったと思うんだけどな。
もしくは覚悟していたのかもしれないな、リーダーとして行動する自分への報復が家族に向かうって。
それにすでに診療所は屍鬼に対して開かれてたわけだから…ただ信じてもらえないと思っていたからだろうか、戸締りをしっかりしろとか忠告みたいなことはしていなかったんだろうかと思わないでもない。
狩人に対する脅しとして尾崎の母を殺した篤。
ここの1シーンだけ実は漫画を見てしまっていたのですが、アニメでは盛大にカットされていました、それとも後から説明されるんだろうか?
篤はいつも偉そうに説教してくる親父、それからエリート意識の強い尾崎母に常に苛立っていたようで、今回の報復も自分の腹いせ半分(命令されたから嬉々として?)で行動したようです。
間抜けにも逃げださずに二階のクローゼットへ血の足跡を付けて逃げ込んだ篤。
原作既読の方が言うには殺害に夢中になって朝を迎えてしまい慌てて隠れたようですね。
それにしても親のけじめと篤に杭を打ちつけた大川…。
殺される前に「親父」と泣いた篤に対して一瞬躊躇したようですが、それでも容赦なかったです。
顔見知りであろうと、息子であろうと杭を打ちつけた大川。
尾崎に賛同してくれ皆を先導する頼もしい人ではあるけれど、どんどん恐ろしくなっていっているような気がする。
最後に操られてるだけの人にも手を掛けたことが決定的です。
屍鬼との再びの接触がなければ快方に向かうということを知っている尾崎の制止も聞かず、屍鬼に協力する裏切り者として制裁したのが怖い。
それは殺人だという尾崎の言葉も耳に入らなかったし、これは尾崎の手を離れて暴走しそうな予感。


次に徹と律子。
なんで起き上がっちゃったんだろう…、自分を嫌いになりたくないとやすよを襲うことを拒む律子。
徹のように自分を憎みたくないというのは皮肉のようにも思いましたが、家族が襲われるかもしれないと恐れる徹に「分かってる」と言いつつ、やすよを逃がすよう懇願する律子。
やすよを解放することによって自分たちが殺されるという脅しもあって板挟みになっていた徹を動かしたのは自分たちが殺されても家族は助かるということに気付かせてくれた律子だった。
律子が拒み続けた様子を見ていたからだろうけど、やすよさんも徹に「律っちゃんに親切にしてくれてありがとう」と言う優しさがあって、凄いなと思った。
やすよに礼を言われることを拒絶した徹だけど、自分を最後に助けてくれた律子に礼を言い、朝を迎え二人で眠りにつく。
ここで徹は自分はすでに死んでいること、家族を失わないためには、と考えることが出来たんじゃないだろうか。
夏野は一緒に逃げようと言ってくれたけど、それだと家族に報復が行く。
律子は自分はすでに死んだものとして受け入れ屍鬼である自分は排除されるものと考えている。
自分含め屍鬼がいなくなれば家族が襲われることもないわけで…と思い至ったんじゃないかなぁ。
夏野が今行動していることを知っていれば、今の徹なら協力してくれるような気もする。
しかしこの考え方でいくと律子は屍鬼が殺されることは何も考えてないということになる。
静信みたいに化け物であろうと殺すのは嫌だと言ってるわけでもない。
化け物になったんだから駆除されるのは当然という悲観的な考えになってるんじゃないだろうか?


最後に沙子と正志郎。
夏野と静信も気になるけどね。
正志郎が戻らぬことに子どものように気にかけていた千鶴が死んだ時以上の動揺を見せる沙子を不思議に思う静信。
沙子にとって正志郎は自分たちを邪見にせず受け入れてくれた人間だったから。
人間でありながら屍鬼に協力する正志郎。
彼は屍鬼になりたかったと夏野に言うが…父親との確執から復讐という名目で加害者になりたかったと言うけれど、人が人を狩ってるのに屍鬼が人を狩ってはいけないのかと言うけれど、屍鬼の中に入っても正志郎は屍鬼が狩る側だと思うんだろうか。
個人的な思いだけど、今の状況や沙子が辿ってきた道を考えると屍鬼は狩られる側だと思うんだけどな。
辰巳も言ってたよね「狩人はいけない」って。
たくさんの人の命を生きるために奪って来た沙子が死ぬのは怖いって言ってるのも、ほぼ人間と変わらないからこそ死に対する恐怖を持っているってことだし、村の現状に怯えてるのも、理由のない殺意ではないと理解しているからじゃないだろうか。
彼らも生き残るために屍鬼を殺しに来ているという双方で折り合いのつかない殺意があるってことだよね。
ここで殺されても報いだと思いつつも、生きるために殺したことが悪いのかと理不尽に思っている沙子。
好きで屍鬼になったわけじゃないと嘆いた沙子自身も屍鬼を否定しているんだなと思った。
いやちょっと違うかな?
屍鬼になった運命をか、受け入れてくれない周囲をかな。
しかし命があるなら惜しくなるって当然だと思う、思うけどそれは彼女が殺してきた人たちにも言えることで…だから報いだと思ってるけど、死にたくないという彼女にとっても複雑な気持ちなんだろう。
正解かは分からないけど、律子と徹が上記のような境地に至ったというのなら、辛いけれど自分たちが死ぬことを選んだ方が良かったのかなと思ったり、思わなかったり。
いやいや、だから死にたくないんだって!!ってなるよね…。
という恐れを抱えてる屍鬼が加害者なのかっていう話ですよ、正志郎さん。



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