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おおきく振りかぶって 第14巻

2010年05月04日 | おおきく振りかぶって


阿部を怪我させてしまった責任を感じる沖、補欠という立場に甘えていたことを自覚した西広。
三橋、阿部、田島、花井とメインどころか泉、栄口、水谷の準メインの陰にも隠れがちな二人が小さいながらも見せ場があったことが嬉しかった今巻。
…ホントちょっとだけどね。
それでもヒットを打った沖は阿部やチームへの後ろめたさを人一倍感じていたと思う。
彼が大事な場面でヒットを打ったことで帳消しとはならないまでも、軽くなって良かったと思うし、まだ1年生だっていうのが大きいかな。
やはりミスした子は今回の沖みたいにエラーを取り返すことに成功して、チームの誰も彼を責めてないと分かっていても、彼の中ではずっとわだかまりとして残るんじゃないかと思うのです、呂佳が未だに夢に見るように。
でも沖はまだ1年生。
エラーで引退した呂佳とは違ってまだまだ甲子園は目指せるのです。
それが救いになったよなと思います。
そして甘えていたことを痛感した西広。
大事な場面で三振に倒れ、最後の打席でも手も足も出なかった彼。
意図しない阿部の怪我というアクシデントだったけど、西広の成長を促すという意味では田島が怪我した時の花井のように前向きに考えられるんじゃないでしょうか。
今回はちょっと相手が悪かったけれど。


サインを盗まれていることに気付いた西浦バッテリーは田島のサインで投球することに。
嫌だったら首を振れというモモカンの言葉を内野陣に伝言した田島でしたが、皆が三橋って首振ってたっけ?と疑問に思うシーンがありました。
田島でさえも首振らないなんてあり得ないと思っているのですが、本当に首を振っていないということを知っているのが野球に関しては素人の西広だけというのが面白い。
皆は常識としてあり得ないって思ってるけど、西広は素人であるが故気付かない。
だから誰も指摘しない。
阿部も田島も三橋が打たれてもサインをくれる。
そのことに今になって気付いた三橋は阿部に正面から向かい合っていなかったことを知るのでした。
そして田島と2人で球種を相談するうちに自分が今まで阿部に任せっきりだったことを反省する三橋。
チームの誰に気取られることなくエースが成長しつつあることを見た瞬間だと思いました。
自分が皆を落ち着かせられる、自分が大丈夫なら皆も大丈夫。
ここで初めて三橋は自分がエースなんだと自覚しました。
エースの存在感の大きさを知ったと言ってもいいかな。


美丞大狭山サイドも倉田にスポットを当てつつ良いチームだなって分かるシーンが一杯で良かった。
西浦目線で見たら勝利を確信して談笑する姿とか打たせてやれよとか軽口叩くシーンはムッとしてしまうかもしれません。
だけど倉田目線で進んでいくだけに今日は鹿島に最後まで投げさせてやりたいとか、大学に行ったら…と言われたり、最後の打席だって気負う場面があって凄く魅力的に映る。
投手に話しかけたりして気持ちを軽くしてあげてるのを見てる矢野が「うまいうまい」って思ってるのとかも良い。
倉田のラフプレーに関して警告した矢野だけど、「胸はって勝とうぜ」って言ってたように倉田のことも考えてくれてる場面が見れて良かった。
矢野だけじゃないだろうけれど警告までしてくれるような存在である彼が褒めてくれるところが良いんだよね。


結局負けてしまった西浦ですが、すぐに次の目標に向かって走り出すところが凄く頼もしい。
勝てると思っていたからこそ悔しくて涙が出るんだけど、それですっきりするんじゃないって言うモモカンの強さも凄いなって思う。
1年生ばかりのせいかもしれないけれど、普通なら泣くだけ泣かせるシーンだと思うのに、それをさせないところがモモカンの強さですよね。


次の目標はすでに新人戦に向けた西浦。
それまでにクリアするべき問題があるのですが…。
西浦の日常風景も好きなので、それがまた見られるので楽しみです。


最後に叫ばせてもらいたい、
田島の最後の打席が格好良すぎ!!!
目線だけで見送るのとか大好きよ!!



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