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芝野九段 3年ぶり名人返咲き!

芝野九段、名人戦最終7局目で、白番202手中押勝ちにて史上初の十代名人位から3年ぶりに井山名人より奪還しまいた。
正直なところ今回は初日から攻めを井山名人に見事にシノがれ、封じ手辺りでは名人が優勢。これで本因坊戦での3勝1敗に追い詰めながらの魔王の大逆転と正しく同じパターンかなと思っていたのですが、立会人の張栩九段とNHKでもおなじみの下島八段の会話があまりにも面白く、ついつい聞き入ってしまいました。
形勢は圧倒的に井山名人の方が優勢で、早々に店じまいすれば盤十以上の差があるにもかかわらず、相も変わらず目一杯の頑張りで、上辺から中央にかけての大石がかなり薄くなってきましたが、それでも手を入れず。
多くの解説者はここで固く1手入れれば勝ちは動かないとまでいう段階でも手を抜いて取りに来いと挑戦者を煽る戦法。
そして白が136手目でいよいよ12十二(137の右下ケイマ)と迫った瞬間に黒137のコスミが名人のシノギの用意した手でした。
ところが解説者の評判は相当悪く、


右辺の白17九のトビを利かした後の次の白140の並びが厳しかった。この手でサバキがとても見えなくなってしまいました。AI評価もそれまでは名人の優勢でしたがこの手を境に5分から挑戦者の芝野九段の方へと傾き始めます。


以後難解な局面が続きましたが、流石に現代の殺し屋芝野九段が牙を剥き襲い掛かり、最後は見事に仕留めます。
白202手(赤丸)を見て名人、無念の投了となりました。


この碁はとても見どころが多く、特に芝野九段の打ち方には見るべきものがありました。得意の攻めを序盤から繰り出しましたが、名人にものの見事にサバかれかなり地を損すると一転して厚く打ちます。
将棋と違って碁は息の長い勝負です。古来から地で足りないときは、あわてて地を無理して稼ぐのではなく少々の地などこだわらず全体を厚く打ってチャンスをジッと待つのか逆転勝利の可能性が高くなるといわれている通り、ジックリと攻めそこなった上辺から中央にかけての大石を睨みながらチャンスを窺がう展開になりました。もちろんAI評価は名人良しの70~80%をずっとキープしています。
丁度その展開に合わせて張栩九段が面白い解説をしてくれました。
今期の第3局、井山名人が投了した場面では作れば半目勝負にもかかわらず2目半負けだと数え間違いしたとか。
半目勝負では絶対投了しないのが井山名人で、最後の最後まで逆転をねらうスタイルだったにもかかわらず、どうやら年齢による判断ミスというか錯覚が起こったために細かい勝負での形勢に自信が無くなったのではないか、と。さらにこれからはこれまでになかった囲碁人生を経験することになるとも。
確かにアマレベルでは誤差が2目なんて微差の範疇ですが、プロのトップ棋士ではメチャクチャ大きい。先番の優位さが4目半から5目半、さらに6目半の大ゴミに変化するまで半世紀を要した程です。
そのせいで大差でないと安心できず、つい無理をしてしまうのではないかとも。平成四天王王と呼ばれ、井山名人よりも9歳年上で実際に体験してきただけに含蓄のあるお言葉でした。

実際にこれまでのトップ棋士の多くは加齢による棋力の衰えを様々な方法で補う努力をしてきましたが、うまくいくかそうでないかはその人の努力次第としかいいようがありません。ただ一度頂点に立つと一旦下りだせば二度と昇りつめることはできないというのが勝負師の定説です。かっての名誉本因坊とか名誉名人とかの称号を持っている人でさえそうです。
もちろん例外もあります。有名どころでは故藤沢秀光名誉棋聖、1976年に創設された棋聖戦(第1期の優勝賞金は1700万円、現在は4500万円)のタイトルを52歳で獲ると1年で4勝だけに全精力を注ぐとアルコール依存症ながら、その間だけは節酒して見事六連覇を果たし、囲碁界の序列NO.1の地位に就きましたからね。
井山本因坊は33歳、まだまだこれからですよね。とはいえ魔王復活の阻止の一番手が一力棋聖ですが、その次にくるのが23歳の芝野名人。
全制覇を狙って次は本因坊の称号を魔王から奪取しちゃってくださいね~~~


芝野虎丸九段、名人の返咲きおめでとうございます!


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