うちの住んでいる場所は住宅街の中なのだけど
近くに広場とか公園がなくて子供たちは
袋小路になっている道路で遊んでいることが多い。
うちの目の前の道路も袋小路で子供たちがよくボール遊びをしている。
そしてそのボールがしょっちゅううちのベランダに放り込まれる。
ベランダには洗濯機があり、その上にボールがはね落ちるものだから
洗濯機の上にあるプレートが遂に割れてしまった。
ある日にはガラスにヒビが入っていたこともある。
ベランダに落ちたボールを拾おうとベランダによじ登っていたり
ベランダに立ち入ったりしていることもあった。
しかもベランダに入ると、一度逃げて、
誰も居ないようなら回収するという姑息極まりない事をする。
朝っぱらから俺の住むアパートの壁にボールをけって遊ぶものだから
五月蝿くて寝てもいられない。
そして土曜日朝。
網戸で寝ていた俺は、物凄い音で目が醒めた。
網戸をぶち破ってサッカーボールが飛び込んできてやがる。
ガキ共は逃げて見つからず。
とりあえずボールを保持して、捕まえようと画策。
日曜日朝。
家の目の前で遊んでいた子供を一人発見。
いつも家の前で遊んでいる三人組の一人だ。説教したことがある。
捕まえて事情を話しボールの持ち主を聞くと、家を教えてくれた。
友達なのか聞くとあいまいな返事。お前も一緒に遊んでたな……?
持ち主を見かけたら教えるように言って俺は教えてもらった家へ。
残念ながら誰も出てこない。
それから数時間後、さっき話を聞いた子と持ち主と思われる子が一緒に歩いている。
慌てて家の外へ出ると、俺の顔を見て走って逃げ出すガキ共。
……ほぉーそう来るか。
頭来た俺。とりあえず周りを見回すと、ちと離れたところで遊んでいる兄弟らしい男の子達。
話し掛けると、やっぱり近所なだけあって知ってる子らしい。
しかも俺が今朝話を聞いた子から網戸の件を知っており
持ち主の子はさっきまでその子の家に逃げて来ていたとの事。
積極的に友達を差し出すことはしないが、この子は聞かれた事には逆らわないらしい
あっさり名前を教えてくれ、家も案内してもらえることに。
その途中、丁度隠れていたさっきのガキ共が物陰から出てきて俺の視界の中へ。
慌てて逃げようとするところを出せる限りの声で
「逃げんなコラァこの糞ガキ!! 逃げても捕まんぞ!!」
と、優しく逃げるのが無駄だと諭す。
ご近所の庭先にいたお母様とか通りすがりのおばーちゃんが何事かと振り向くがどうでもいい。
足を停めた最初に話を聞いたガキと、逃げていたのだがノソノソ出てきた持ち主のガキ。
とりあえず逃げたことを問いただすが、ごめんなさいすいませんと謝るばかり。
これで泣いてたりすればまだ可愛げもあるんだが、
しおらしい顔はしていたものの、恐らく大して反省はしていないような顔だ。
まあ、俺としては別に網戸が戻ってくればいいので
近所の他人の子のしつけをしようとは思わない。
とりあえずこれこれこういう理由で家へ案内して親を呼べと命令。
俺の家の目の前にある道路を挟んだマンションの二階。
ほんと直ぐ目の前の家だよ。
とりあえず親を呼ばせると父親が出てきた。
日本の典型的なサラリーマン風だったら話は楽だったのだが
いまいち話を聞かなさそうな頭の悪そうな男が出てきた。
とりあえずボールの持ち主がこのガキであることを確認し、
網戸をぶち破ったので網戸を『修繕』しろと請求。
詳しく見たいというのでうちに案内。
完全に破けている網戸を見て「直しといてくださいよ」と来る。
こいつ馬鹿か。直すにしたってこっちはその手間とか掛かるだろうが。
いきなり直しといてか。普通は自分から直す手続きするって言うべきだろうが。
しかもこの時点でまだ謝ってねーし。
馬鹿馬鹿しいので、「そんな手間をなんで俺がしなくてはいけないのか」と。
弁償ではなく修繕するように改めて指示。
んでまあ、うちの網戸は外の道路から手が届く位置にあるので、
直しておくという文言を貰って
後はベランダによじ登った件などを文句言って終了。
しかし……
直しておくっていっても、普通直ぐに動くじゃん?
その親、網戸のサイズはかりもしないし、車を見る限り何処にも出掛けてない。
なんで今日中に手続きしたりしねーんだ、あ?
この調子じゃシカトされそうな可能性があるな……
とりあえず来週日曜までに修理できてなかったら文句言いに行かねば。
……つーかね、結局その糞親、一言「すんません」って言っただけで
それ以外謝罪言ってないな。
普通「申し訳ありませんでした」とか言わない?
ガキもガキだが親も親だな。こういう時にこの言葉を使えばいいのだな
この親にしてこの子あり
全く面倒な話だ……俺が子供の頃何かやっちゃったら、きちんと親に言ったし
謝りにも行ったし
親も菓子折り持って詫びに行ったんだけどねえ、
最近の糞親はそういうことできんのだろうね。
あんな親にはなりたくねぇナ。