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高速増殖炉「もんじゅ」のしくみ

2010年05月09日 | 原子力・放射線
高速増殖炉もんじゅの仕組みについて調べると必ず、
「投入したエネルギーより多くのエネルギーが取り出せる夢の原子炉」
という表現に出会いますが、いったいどういうことかな~と長年不思議に思ってきました。

今回のもんじゅ運転再開に際して、「そうだ、ちゃんと正しい知識を身につけねば」と思い立ち、いろいろ調べてみました(ようやく‥)。

その結果、「高速増殖炉って何ですか」 というサイトが解かりやすい図と説明を掲載していうころを発見!
(以下、上記サイトより転載して紹介しますね)


・ウランやプルトニウムが核分裂すると2~3個の中性子が飛び出します。この中性子がまたウランやプルトニウムにぶつかって次々に核分裂が続きます(連鎖反応)。

・このときに発生する熱を利用して発電するのは軽水炉も高速増殖炉も同じです。
軽水炉では飛び出した中性子の内1つだけが水にぶつかってスピードを落としてから次のウランにぶつかる仕組みになっています。

・高速増殖炉では、プルトニウム燃料を包み込むように、燃えないウラン(ウラン238)を並べておきます。
ウラン238は、中性子を吸収してプルトニウム239に変わる性質があります。
そこで、核分裂で飛び出した中性子の内、1つを連鎖反応に使い、もう一つをウラン239に吸収させるようにすれば、プルトニウムが燃えるかたわらでウラン239から新しくプルトニウムが生まれてくることになります。

・飛び出す中性子のスピードが高い高速中性子の方が効率よくプルトニウムを増やせます。
水は中性子のスピードを落とす(減速)性質があるので、冷却材に水は使えません。
そこで、中性子を減速させず、熱を伝えやすい性質のナトリウムを冷却材に使います。

・核分裂そのものは、スピードが遅い中性子(熱中性子)の方が効率よく進むので、軽水炉では冷却材兼減速材として水を使います。



夢のようなウマイ話ですが、なかなか理論どおりにはいきません。
もんじゅ最大の弱点は、冷却材である金属ナトリウムの管理が難しいこと。
金属ナトリウムは水や酸素に触れると激しく反応します。取り扱いには極めて難度の高い技術と、その技術を維持管理する持続可能な運用システムが必要不可欠なのです。
(難しい‥‥)

14年ぶりの運転再開にまでこぎ付けたもんじゅ、今後の動向に注目です。

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