あと一ついいですか?

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“様” と “さん”

2010-01-29 20:05:20 | 日記
病院の窓口で「○○様~」と呼ばれて びっくりされた
経験のある方もおられるかと思います。

調べてみると患者様という呼び方は、厚生労働省の「医療サービス向上委員会」が
2001年11月に「国立病院等における医療サービスの質の向上に関する指針」を
打ち出し、当時の国立病院に患者の呼称の際、原則として
名前に“様”を付けるよう求めたことから始まるようです。

これに加えて厚生労働省が望ましい病院像の作成と、その検証を委ねている
日本医療機能評価機構の存在があります。
日本医療機能評価機構の認定を受けたい病院はこぞって患者様という言い方に
右へならえとなりました。

“様”と“さん”、診療を受ける側と、行う側、双方に賛否両論があります。

そもそも患者様という発想の根源には、医療はサービス業であるという認識を持った
発想の人達の着想であると思われます。
では逆に問いたいのですが、人の命を預かる医療が、サービス業であると
認識して、そのように動いてよろしいのでしょうか?

労働基準法を遵守し、週40時間以内、残業も程ほどにこなし
休憩時間はしっかり休む。
そんな勤務をしてよろしいのでしょうか?

日本の医療従事者は、世間の方が思われる以上に
受傷や疾病を抱えた弱者の方々に、向う気持ちが強いです。

その程度に差こそあれ、医療従事者としての誇りは、ある意味、その点にあります。

ある病院で、外来で揉め事が発生しました。
勤務中に受診した患者さんが、医師より緊急入院といわれ、
途方にくれ、何よりもその医師の説明不足を訴えていました。

その医師は、以前より初診の患者さんにはぶっきらぼうな説明がとても不評でした。
しかし、どういう訳か、再診、入院の患者さんにはすこぶる評判のいい医師でした。

その理由がそのクレームを訴えた患者さんから後日聞くことができたのです。

入院したその患者さんは、不安でしょがありません。

そんな中、夜中に件(くだん)の医師が、例によってぶっきらぼうながら
回診に来てくれ、翌朝も早く回診にきてくれたそうです。

最初は気がつかなかったけど、ふと「あの先生、一体、何時に家に帰っているんだろう?
一体、何時に病院に来ているんだろう」と思ったそうです。

それから注意してその先生を見ていると
相変わらずぶっきらぼうながら、自分のことを診てくれている
その医師の細かな配慮に気づくことができたそうです。

医療は、サービス業ではありません。
( と、私は思っています )

古い言葉ですが、医療は医術であり、人の命を預かる仁術です。

“様”と“さん”、どっちだっていいじゃないですか。

医療を行う側と受ける側が本当に向き合えるなら。
私にはそう思えます。

( 晃 )
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