ゆずりは ~子想~

幼い葉が成長するのを待って、古い葉が譲って落ちることから名付けられた「ゆずり葉の樹」。語りつがれる想いとは・・・

出発、別れ、熱い心

2006年03月30日 | これも自分あれも自分
朝早く起きて、9時にはくる引越しやさんに備え、朝ごはんをかっこみ、片づけを始めた。今日は引越し。そして、私たち(母と子ら)がこちらに来ている母と共に実家へ行く日でもあって、とても気持ちに余裕のない日。

なのに、引越しやさん、1時間遅刻かよーーー!!!
というわけで、10時から荷物の積み込みが始まった。いったい、いつになったら終わるのか分からないまま、私の出発の時間が迫る。

そんな中、助産師のあさかさんが来てくれる。ほんとは家に上がっていただいたらよかったのに、家の中は作業中だし、私は余裕がないしで、外で少しお話しただけになってしまった。新山口駅へ向かう途中、少し気持ちに余裕ができると思った。あ~あ、ここの家の中で、エリーが生まれたのに。あさかさんに助けてもらって、あさかさんの空気の中でお産したのに。その家を最後にゆっくり見せてあげることも、私自身その余韻に浸ることもできないほどに、ばたばたしていて、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。ほんと、後悔です。

そして、その後、一人の女が颯爽と現れた。路駐した車から、空き地の草むらを闊歩してやってきたそのすがすがしい美人は、クニヒロ。ご子息つき。
「あああ、クニヒロ!掃除しにきてくれたん!?」
この強引な一言で、彼女はこの後、私のいなくなった後も夕方までずっと、我が家の掃除をしてくれちゃったのだ。ああ、申し訳ないです。申し訳ないことをしてしまった。これもまた、後悔の念でいっぱい。
いやぁ、クニヒロ、すごいよ。すごすぎっ!夫からご馳走になってください。

迎えに来てくれた友人に呼ばれ、引越しも途中。掃除も途中なのに、そそくさと家を出た。出なければならなかった。心をここに残したまま。なんだか気持ちが落ち着かないまま。ウンチをした後、拭かないでトイレを出る感じ。すごいいやな感じ。気持ち悪いを通り越して、ありえない!感じ。

玄関を出た。さぁさぁ、行かなくちゃね。焦っていた私は、周りをぜんぜん見てなくて、しばらくして気づいた。人ごみに!!!
な、なに!?なんなの?なんかあるん!?
びっくりした。
少し経つと見えてきた、知った顔・顔・顔!
そうそう、あなたたちのこと、よく知ってるよ。よーっく存じ上げております。仲間たち。
今日は、スタッフ研修のはず、だったよね!?だから、今日はもう会えないと思ってたし、諦めてたし、また会えるさ!って変に明るく弁解してたりしていた。
そんな自分が一気に吹っ飛んだよ。あなたたちの顔を見て、吹っ飛んだぁ!!

最後にみんなに会えて嬉しかった。来てくれてありがとう。ほんとうに、ありがとう。笑っている人、微笑んでいる人、泣いている人、子どもたちのはゃぐ声、ふつうの会話、みんなみんな聞こえてくる。私の耳が、わんわんしている。どうしたらいいか戸惑いながらも、みんなと一言ずつでも話したい!抱きしめたい!そんな風に思いながら、新幹線の時間を気にしながら、ふわふわふわふわしている自分がいた。流れてくる涙は、拭いている暇はなく、みんなを抱きしめた。
「あと、抱っこしてない人はいる!?」とか、変な私になっていた。

この写真。いい写真だね。別れの写真とは違う感じがするね。どこにいても、何をしていても揺るぎのない心の一瞬を捕らえた写真だね。りっつ、トヨカワ、ありがとう。あなたたちのサポートが、私たちをがっちりガードしてくれています。そんな大切な役目だって、知っていた?

この写真を撮って、いろんなあたたかい贈り物もいただいて、私は新山口駅へと向かった。急いで。友人に急がせてしまいながら。慌ただしく。
そして、車の中で、みんなの心の熱さに、目頭が熱くなった。

つづく。。。



さようなら

2006年03月29日 | これも自分あれも自分
いよいよ本日、慣れしたんだ街並みともお別れです。
ここ数週間、車を運転しながらいろんな景色を目に焼き付けるように見てました。
木々の間から洩れる夕日も、なんだか特別にキラキラして見えました。
ふしの川の輝きも、いつもと変わらないのに、水がたおやかに流れて見えました。
歩道を歩く人たちから、いろいろな人生が伝わってきました。
花束を持って、目をこすりながら歩く女子大生に刺激されて、私も泣きそうになりました。
山口のじ~じの家のそばを通った時、エリーと私への惜別の想いが届いた気がしました。
握手をするたびに、いろんな人から応援の気持ちをいただきました。
ようやく手をつないで歩けるようになったエリーと、商店街をもう歩けないのはとても寂しいです。
小学校で、給食をお代わりしたとか、しなかったとか報告するサーヤのことをネタに、みんなに話して聞かせられなくなるのは、とっても寂しいです。
ほんとは、叫びたいです。
「八戸に行きたくない!ここにいる!!」
心の中で思います。
「まるで家族と離れるみたいに、こんなに胸が痛くて、こんなに寂しいなんて、いつ以来だろう?」
あ~あ、こんなにつらいなら、いろんなとこで友達を作るんじゃなかった・・、なんて本音じゃないことを思って、強がってみたりもしました。

たくさんの人を愛したなぁ。山口。
たくさんの人に愛されたなぁ。山口。
穏やかで、奥ゆかしい街。山口。
でも、女性の活躍は、めざましいものでした。山口。
人の気持ちのわかる人たちがたくさんいました。山口。
お世話になりました。すっかり。
おかげさまで、少しは成長したような気がします。
これも、いろんな人たちと出会ったおかげです。ありがとう。
ほんとうに、ありがとう。

短大に通うのに、上京して9年。結婚してここ山口にきて9年。
実家のそばに住むのは、なんと18年ぶりなのです。この奇跡を大切に、そしてあなたたちとの出会いを胸に、八戸で快活に過ごそう!と思います。

大好きな山口に、また遊びに行きます。
ひょっこり、行くかもね。
八戸にも、ひょっこり来てね。待ってるよ。ほんとに!

さようなら。また会う日まで。

厳しく育てろよ

2006年03月28日 | 子ども
いつもおいしいお野菜をいただく、山口のじ~じ。
いつも料亭並みのお料理を作って持ってきてくれる、山口のじ~じ。
エリーが大好きで、エリーもじ~じが大好き!

今日、てとてとでの最後の逢瀬でしたが、エリーは機嫌が悪くて、眠くてグズグズ。
せっかく作ってきてくれた「ごぼうのきんぴら」「ほうれん草の白和え」「高菜の炒め煮」は、1杯ずつしか口にできず、肝心のエリーは口にも入れず。。

そんな中、もう家に帰らなければならない時間になってしまい、焦る私。
エリーは泣いているし、私もなんだか泣きたくなってきた。思わず、こらえつつ、食器を片付けにその場を去った。まずいまずい。ここで泣いたら、みんな泣いちゃうもん。今日は、フツーの勤務みたいに帰りたいもん!
水道の水が、手に気持ちよくかかったら、少し落ちた涙が枯れた。ほっ、よかった。
なんだか、じ~じとの別れは、格段ともの悲しい。いろんなことが思い出されて。

いよいよ帰るとき、扉の外まで見送りにきてくれたじ~じ。
エリーとお手手をパチン。もう一回パチン。名残惜しそうに見つめている様子が感じられる。
私は握手をしながら、「いろいろと、ありがとうございました。ほんとに、お世話になりました。」
じ~じも、感謝の気持ちを告げてくださり、最後に「厳しく育てろよ。」。

はい、ガンバリマスっ!と笑ってみたものの、うーん自信はないかも。
でも、今までよりは少し「しつけ」について考えて、子育てしてみるのもいいかもしれない、と思いを新たにしています。
・・ま、変わらないかもね。根本は。へへっ。

い、忙しい・・

2006年03月26日 | これも自分あれも自分
なんだか、毎日が忙しく過ぎて、あと3日で引越しなのに、その実感はわかない。
そう、今週水曜日、山口を出発。

八戸まで、荷物は5日かかるそうなので、それまでの間は実家に寄せてもらうのだ。
なんだか頭は、片付けるものでいっぱい。
家の中も、片付かないものでいっぱい。

ものすごい物の量に、今更ながらびっくりしている。
シンプルな生活を夢に描きつつ、この物・もの・モノたち!!!
理想と現実は、かけ離れておりました。
でも、この引越しがいい機会。八戸に行ってから、ゆるりと要らない物をそぎ落としてシンプルライフを目指しますっ。

たくさんのモノに囲まれているのが幸せだった年代から、
自分の好きなものがはっきりしていく年代へと変わっていくのかも。
気づくのは、人それぞれのタイミング。
私には私の、あなたにはあなたの、いろんなタイミングがあるから。
生きていくのに、なんの無駄はない。
家の中で見つけた小さな蜘蛛にだって、
夜空にきらめく星の群生にだって、
あなたのびっくりしたまばたきにだって、
あくしゅをした手のぬくもりにだって、
目にためた涙にだって、
思想があって、哲学があって、その中の何かに刺激をされる自分があるもの。

みんな、みんな、ありがとう。なんだよ。

幼稚園バス仲間

2006年03月20日 | 飲みっ!
サーヤの通う幼稚園の、同じバス停の仲間が開いてくれた送別会・・。
思いがけないお誘いに、とってもとっても嬉しかった。
なぜ、“思いがけない”なのか?

いつも朝の便に間に合わなくて、その日の当番さんや、当番さんが誰だか分からない時は別の人に電話をして、「今日は園に直行しまーす!すみませーん!」。。。
エリーが生まれてからは、こんな日ばっかりで、みんなに迷惑をかけておりましたから・・・。

帰りのバスの時間にも、間に合わなくって何度「すみませーん!」と言ったことか・・・。

そんなルーズな私に、みんなはとても親切で、とても温かくて、私はとっても助かっていました。この場を借りて、ありがとう。
こんな方々の存在一人一人が、立派な子育て支援・親支援だと思います。
「っち!まーたあの人よ!!」と陰口をいう人がいてもいいはずなのに、そんな人一人もいなかったし・・・。(って、私が気づいてないだけ?なのか?いやいやそんな感じは微塵も感じられなかったから、そんなこと言う人は皆無だったんだと思う。)

自分を否定されること、たまには必要だけど、普通は嫌なものです。
子どもを連れて街へ出ると、たまに「っち!」とか「じゃま!」とか「危ないっ!」とか言われるたびに凹んでいました。
「子は国の宝!その国の宝を育てているのに、この仕打ちはなに!?」と憤慨しつつも、頭は凹んで家の中でしくしくしていたりもしました。
家事に育児、自分の中の精一杯でやっているつもりでも、家族には認められなかったりすると、何のために子どもを産んだんだろう?なんのために結婚したんだろう?と考えたりもしました。

そんな環境の中で、「あなたはあなたのままで十分!すっごい頑張ってるジャン!」なんて言われたら、どんなに心が軽くなるでしょう!
「今のあなたでベストを尽くしているのだから、もう少し肩の力を抜いてもいいよ。」
「あなたの子どもを抱っこさせてー!あなたはお茶でも飲んでてよー。」
そんな風に大事に扱われたら、それだけで自分の子育てをしている意味や頑張っている姿を認められた気がして、ほっとするでしょう!

そう。バス停の彼女たちは、そんなステキな人たちだったのです。
3年間、ありがとう。お世話になりました。
お言葉に、たくさん甘えさせてもらいました。ありがとう。


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