
午前中はちょっと涼しいかな?と思ったけれど、昼ごろ洗濯物を干すためベランダに出たら背中が焼けるよう。明日は台風が来ると言うし娘の帰りは遅いし、久しぶりに母のいる施設へ行こうかと思っていたけれど断念。外出は近所のコンビニへの買い物くらい。
読書はいろいろな本を並行してパラパラと読むことが多いけれど、今日は上原善広氏の本を続けて二冊。
被差別のグルメ
異形の日本人
昔読んだ『被差別の食卓』も面白かったが、世界各地の「ソウルフード」を訪ね歩いた前作と異なり、『グルメ』は日本の「路地」の食肉(それ自体は「食卓」でも取り上げられ、当時衝撃を与えた)に始まり、アイヌや北方領土の少数先住民族の、また沖縄などの、知られざる「食」を追っている。「食卓」以後、アブラカスなどは「外」の世界でも広く知られ、流通することとなった。アイヌ料理については『ゴールデンカムイ』によって知見を広めた人も多いだろう。ふと、上原氏は『ゴールデンカムイ』をお読みになっただろうか?などと考えた。
『異形の日本人』は、まえがきにも記されているように宮本常一の『忘れられた日本人』の系譜か。まだパラパラ読みしかしていないが、前期旧石器遺跡捏造事件を扱った著作など見ても。社会的弱者や敗者に対する著者の視線は基本的に温かい。
筒井功氏の一連の著作もそうだが、イデオロギーに偏らず、地道な取材やフィールドワークによってマージナルな人や物事を追った本は好きで、目にとまると買い集めている。研究のためでも、それこそイデオロギーによる義憤のゆえでもなく、ただ世界の広さや深さを知るためかもしれない。