昨日に引き続いて、みちびき3衛星の軌道について、アニメGIFを交えながらの説明を記録しておきます。当ブログでは、中学生以上のスマホをもっている若い方に、スマホを支えるものが、地上のネットだけでなく、宇宙技術や人工衛星も同様に重要であり、まずは若い人たちにせっかくのわが国ユニークな軌道の衛星が増強されてゆくタイミングを活かして、このブログと合わせて自分のスマホやPCにより実践的に実時間的に経験してもらって、宇宙への関心をもってもらうことの積み重ねが大事だと思っています。それが今後のみちびきの広範な利用と人材の育成につながるであろうと思っています。
まずは昨日のブログで、みちびき3兄弟(もちろん3姉妹でもいいですが、以下では3兄弟とします)がほぼ経度方向に垂直に並んだ時刻午前7時40分頃の本日のほぼ同時刻の
https://www.n2yo.com/?s=42738|42917|37158
スナップショットを載せます。

2017年8月24日午前7時40分頃のスナップショット。
この図から本日はQZS-3は同じ日本の経度付近まで近寄らずにUターンを始めたことがわかります。この理由を文章で説明しても断片的な知識になりやすいので、次のアニメGIFをみてください。アニメGIFが動かないという方はスマホのブラウザをPCモードにしてください。動くと思います。

これは
https://www.n2yo.com/?s=42738|42917|37158を15分おきにスナップショットを撮ったものをアニメGIFにしています。
これでも速すぎるという方、じっくりみたいという方はこちらを御覧ください。

昨日早朝から約20時間分のみちびき3兄弟の各衛星の動きが分かります。ときどき衛星が消えているのはマジックではなく、この図面の書き換えの時に1瞬衛星が消えるわけです。運悪くそのタイミングでスナップショットを撮ってしまったから起きています。
QZS-1とQZS-2は8の字衛星を約1日で1周しています。これらは円軌道より少し楕円の軌道を飛行しています。そのため地球に対して毎日ほぼ同じ場所で8の字を描いているわけです。
一方、近い将来には静止軌道衛星(GEO)になるはずのQZSS-3は現在は長楕円軌道を飛行しています。このQZSS-3の軌道の遠地点は静止衛星の高度とほぼ同じですが、近地点がまだ地球表面に近いところになっています。これらの楕円軌道の焦点は地球の質量中心です。
理科や物理で習ったケプラーの法則を人工衛星に当てはめると
ケプラーの第1法則
人工衛星は地球質量中心を1つの焦点とする楕円運動を行う.
ケプラーの第2法則
人工衛星の面積速度は各衛星ごとに一定である.
ケプラーの第3法則
人工衛星の周回周期の2乗と楕円の長半径の3乗との比は全ての人工衛星について共通な一定値である.
こうした法則をわが国が打上げた、みちびき3兄弟(10月には4兄弟になる予定)で実践的に確認できるわけです。
現在のQZSS-3号の動きは非常に速くなったり、非常にゆっくりになったりします。これはケプラーの第2法則によるものです。衛星が遠地点付近にいるときは面積速度を一定にするためにゆっくりとなります。また近地点付近を飛翔するときは速い動きをみせるわけです。
そして遠地点付近では角速度がゆっくり過ぎるために、地球の自転角速度の方が速くなってしまうために地球から見ると逆行運動をするわけです。これはQZSS-3が現在、静止軌道へ移行するまでの遷移軌道の時期にあるからです。これから毎日このURLを見てゆくと静止軌道に近づいてゆく様子がだんだんと分かってくると思います。
こうした動きを正確に計算で確認するためにはケプラーの法則を全部使って数式的に解くことができるわけです。
同じことが8の字衛星でも起きています。8の字衛星は日本の上空ではゆっくり動きます。しかし南半球では速く動くことに気づくと思います。これは遠地点が日本上空に来るように、つまり近地点が豪州のほうになるような衛星の軌道要素をもつように運用管制をしているからです。
まずは昨日のブログで、みちびき3兄弟(もちろん3姉妹でもいいですが、以下では3兄弟とします)がほぼ経度方向に垂直に並んだ時刻午前7時40分頃の本日のほぼ同時刻の
https://www.n2yo.com/?s=42738|42917|37158
スナップショットを載せます。

2017年8月24日午前7時40分頃のスナップショット。
この図から本日はQZS-3は同じ日本の経度付近まで近寄らずにUターンを始めたことがわかります。この理由を文章で説明しても断片的な知識になりやすいので、次のアニメGIFをみてください。アニメGIFが動かないという方はスマホのブラウザをPCモードにしてください。動くと思います。

これは
https://www.n2yo.com/?s=42738|42917|37158を15分おきにスナップショットを撮ったものをアニメGIFにしています。
これでも速すぎるという方、じっくりみたいという方はこちらを御覧ください。

昨日早朝から約20時間分のみちびき3兄弟の各衛星の動きが分かります。ときどき衛星が消えているのはマジックではなく、この図面の書き換えの時に1瞬衛星が消えるわけです。運悪くそのタイミングでスナップショットを撮ってしまったから起きています。
QZS-1とQZS-2は8の字衛星を約1日で1周しています。これらは円軌道より少し楕円の軌道を飛行しています。そのため地球に対して毎日ほぼ同じ場所で8の字を描いているわけです。
一方、近い将来には静止軌道衛星(GEO)になるはずのQZSS-3は現在は長楕円軌道を飛行しています。このQZSS-3の軌道の遠地点は静止衛星の高度とほぼ同じですが、近地点がまだ地球表面に近いところになっています。これらの楕円軌道の焦点は地球の質量中心です。
理科や物理で習ったケプラーの法則を人工衛星に当てはめると
ケプラーの第1法則
人工衛星は地球質量中心を1つの焦点とする楕円運動を行う.
ケプラーの第2法則
人工衛星の面積速度は各衛星ごとに一定である.
ケプラーの第3法則
人工衛星の周回周期の2乗と楕円の長半径の3乗との比は全ての人工衛星について共通な一定値である.
こうした法則をわが国が打上げた、みちびき3兄弟(10月には4兄弟になる予定)で実践的に確認できるわけです。
現在のQZSS-3号の動きは非常に速くなったり、非常にゆっくりになったりします。これはケプラーの第2法則によるものです。衛星が遠地点付近にいるときは面積速度を一定にするためにゆっくりとなります。また近地点付近を飛翔するときは速い動きをみせるわけです。
そして遠地点付近では角速度がゆっくり過ぎるために、地球の自転角速度の方が速くなってしまうために地球から見ると逆行運動をするわけです。これはQZSS-3が現在、静止軌道へ移行するまでの遷移軌道の時期にあるからです。これから毎日このURLを見てゆくと静止軌道に近づいてゆく様子がだんだんと分かってくると思います。
こうした動きを正確に計算で確認するためにはケプラーの法則を全部使って数式的に解くことができるわけです。
同じことが8の字衛星でも起きています。8の字衛星は日本の上空ではゆっくり動きます。しかし南半球では速く動くことに気づくと思います。これは遠地点が日本上空に来るように、つまり近地点が豪州のほうになるような衛星の軌道要素をもつように運用管制をしているからです。