南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2020 5/30 コロナ東京新規14名 QZS-2首部太陽合⇒6月:BD三姉妹並行合⇒7-8月:BD十字星連続太陽合⇒8月:NavIC-1E,-1Iペア並行合

2020年05月30日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
本年と昨年の5/30のアニメGIFの比較については、以下引用記事内のアニメGIFと比較しながらご覧ください。本年はQZSS軌道8の字の首部にて同期太陽合でしたが、昨年は遅れていることが確認できるでしょう。また1年前記事との比較により、日本社会の新型コロナ疫などによる1年間の変化を垣間見ることができます。
2019 05/30 次のQZS-2太陽合6月上旬生起予想 インドNavIC太陽合5/25完了済 IGSO/QZS軌道2/4倍拡大アニメ
2019 05/30 NavICの東西IGSO両輪で同期太陽合は5/25でした。前後データからピーク判定をしました。次は着実なQZS-2の南下による6月上旬太陽合生起を目指して進ん......

新型コロナ疫対応での東アジア各国の科学技術力は、欧米に対して、より先進的になってきています。本ブログが扱ってきているアジアQZSS/IGSO技術を、現在の新型コロナ疫における「検査・追跡・隔離」基盤で存分に活かすためには、アジアの科学技術力は国際社会に対してより誠実かつ透明であるべきといえるでしょう。このために特にわが国とQZSS測位衛星の果たすべき役割は重要でしょう。

2020 5/30 QZS衛星群は、本日、首部で太陽合を生起した南下QZS-2、太陽合済みの非常にゆっくり北上中のQZS-4、すでに南下して太陽合場面からスケールアウトした右下部のQZS-1トレースの三種が記録されています。各QZSS3衛星について太陽合のタイミングが読み取れます。

4月にQZS-4は太陽軌道の赤線と漸近直線で4月18日に交差し、スレスレに太陽合して、ピークアウトしてきました。昨年よりは1週間以上早まって太陽合が生起しました。この春のQZS-4の太陽合進行ペースは、他のIGSO太陽合に比べて非常に長いといえます。QZS-4が準太陽合に入ってから合ピークまで1週間以上かかり、さらにピークアウトするまでに1週間はかかるというペースです。この傾きの小さいスローペースな合事象生起は、他のIGSO/QZSには無い、この時期のQZS-4の特徴である特有といえます。

南下してきたインドNavIC-1D,-1Bペアは5月21日に同期太陽合をピークアウトしました。NavIC-1D,-1BペアのプロットとNavIC-1E,-1Iペアのプロットは、それぞれ2月以降、北半球と南半球で大きなカーブを描いてきていることが分かります。

次いで日本QZS-2の単独合(5/29太陽合入り)、そして6月中旬のBD三姉妹の同期太陽合と7月のBD十字星(IGSO-2,3-IGSO-3,I2-S,IGSO-5,I1-S)の5衛星連続太陽合の開始と太陽合の生起が続くでしょう。

6月中旬太陽合予定のBD三姉妹(BD3-IGSO-1, BDIGSO-3,-6)の北上は、図の右下のよく同期した3プロット列です。この北上する三姉妹のプロット列の傾きと、長く直線状に南下してきた四姉妹の4プロット列の傾きは、いずれも直線的です。これはBDSS-IGSOの特徴のひとつであるといえます。また7月からは南下するBD十字星(IGSO-2,3-IGSO-3,I2-S,IGSO-5,I1-S)を構成する5衛星の連続太陽合と続きます。BDSSは夏季に華やかな太陽合を集中させているようです。

BD三姉妹と四姉妹の両BDSSプロットの傾きの絶対値の差は、太陽赤緯の北上角速度分の効果と見られます。太陽赤緯の北上が折り返す6月の夏至へ向けて、これら両者の傾きは±符号は反対ですが絶対値は同等になりました。夏至後は逆に北上系列の傾きは南下系列の傾きの絶対値で大きくなるものと予測します。

以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します。
2020 5/30 QZS/IGSO軌道の2倍拡大アニメGIFを記録します。


2020 5/30 QZS/IGSO軌道の3倍拡大アニメGIFを記録します。


衛星の軌道6要素は、春分点や軌道仰角や昇降点引数など殆どが太陽中心座標系と密接しています。太陽合エベントは衛星軌道運動の特徴を把握できる優れたキーといえます。特に月面着陸などの将来実験においてIGSO/QZSSの軌道運動位相を太陽系慣性座標(前世紀用語で歴表時系)規模で捉える基準として、太陽合同期状態の活用・分析が効果的といえるでしょう。

インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います。


平成期の日本宇宙陣は、欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS軌道測位衛星実現を頑張りぬきました。これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出したといえるでしょう。日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう。

中国側は日本QZSSの自立した踏ん張りを見守りながら、将来のIGSOエコシステム構築の展望を描いているでしょう。これがインドのIRNSS NavICや、ロシアのポストGlonassの実現にも大きな影響を与えるでしょう。
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