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高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

緊急地震速報誤報をしっかり受け止めた関東の人々

2016年08月02日 | 時事・歴史
「気象庁は一日、東京湾でマグニチュード(M)9・0以上の地震が発生したとの緊急地震速報を出し、直後に取り消した。首都圏では電車が運転を見合わせるなどの影響が出た。実際に地震は起きておらず、落雷による誤信号が原因の可能性があるとみて、気象庁が状況を調べている。」

この緊急地震速報の誤報には正直驚いた。私の周りの人のスマホもけたたましくアラーム音が鳴った。次にそのメッセージを見て一瞬、仰天した。「東京湾でM9.0の地震、深さ10km、予想震度7」。これを見て歩道を歩いていた私の身体は硬直した、まさに動けなかった。
まわりにも同様な警報を見て驚く多くの通行人がいた。皆さん、しゃがむくらいが精一杯で、硬直・直立している人がほとんどであった。約1分後に誤報だったらしいという訂正メッセージが送られてきた。
あの瞬間の首都圏各所の防犯カメラの映像データを、自治体や関係機関は大至急収集すべきであろう。こんな緊急訓練などはできはしないのでその時の人々の動きは今後の緊急時の貴重なデータとなるはずである。

あの緊急地震速報の誤報アラームの瞬間を認知し、しっかり受け止めた関東地方の人々の対応は、東日本大震災を体験した国民であるからこそのものではないだろうか。後になって多くの犠牲を出した3.11の瞬間の映像が蘇ってきた。

そして気象庁には、是非とも今回の誤報に対する批判に頑としてビビることなく頑張ってほしい。
現状の1箇所データからのみのP波による速報予報警報の仕組み自体は、改善は必要であろうが、このまま基本は変えないでほしい。複数箇所データのP波の到来を待って、その解析後の慎重速報警報では数秒間の遅れが生じるであろう。この遅れは日本列島に住む我々には絶対に許されないものである。

あの時の人々の身体が一瞬、硬直して動けなかったこと自体が、我々の身体が緊急警戒モードに一気にチェンジしたことを意味しており、数秒後に本震が襲ってきた時の対応に極めて大きな差を生ずるものと私は身体で理解した。武士が殺気を感じたときに近いのではないか。瞬時にさやに手が動く武士の歴史を持つ日本人の本能のような気がした。

この災害列島で天変地異に果敢に挑む気象庁は、批判にへこたれず、災害列島で生きてきた国民を信じて、堂々とこの方式を貫いてさらに高感度にシステムを研ぎ澄ましてほしい。

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