ココロニハナオ

全速力で過去を追想するのだ。
記憶はどこまで遡れるのか?

雨音にきくハルの夢の匂い

2006-02-26 07:07:07 | その日暮らし:Live!Laugh!
夢を見ていた。
日常の淡々とした映像の羅列、のような夢だった気がする。

午前5時。ふっと目が覚める。
小さい灯りだけつけて寝床から抜け出しイスに座ってみる。
夢の欠片を反芻しながら
夢と現のあいまいさのなかでぼやぼやとたたずむ。

ごうごうとすさまじい音が外から聞こえる。
窓といわず屋根や壁をたたきつける音。
ものすごい雨そして風。暴風雨。ハルの嵐。

雨音を聞きながらまだ夜も明けぬ薄暗がりのなかで
呑み残しの安ウイスキーを口に運ぶ。

半覚醒状態にさらにアルコホルを注ぎ込んで
あいまいな境界線上を浮游する。
これから夜が明ける。

今日は休日。もう一眠りしようか。
いまこうしていること自体が夢の中でのことでなければ。

融氷

2006-02-22 23:59:05 | その日暮らし:Live!Laugh!
呑む、といえば。
お湯割か熱燗。だった寒い部屋。

今日はやけにあたたかくて。のどが渇いて。
冷たいものをごくごく飲りたい!と思ったんだが。
アルコホル単価の高いビールは部屋に常駐しておらず。
なんか方法はないものかと冷蔵庫を開けてみれば。
あったあった。引越直後にセットしておいた製氷皿に氷。
ちょうど3ヶ月前の氷。

3ヶ月かけてぎっちぎちに凝縮した氷。
に、リッター200円の合成清酒を注ぎ込む。
ぴちぴちぴきりと3ヶ月前の空気が弾け、解き放たれる。

3ヶ月前。
ここで生活を始め、仕事を始め
なんとか軌道に乗ってきた。
だけれどどこかで
肩肘張ってミョーにぎっちぎちに力入りすぎてたかもしれんね。

ふぅ。深呼吸ひとつ。

3ヶ月前の空気を吸って。初心は忘れず。
けれど。肩の力は抜いて頑なな部分はゆるめてゆこうかね。
ハルニコホリノトケルヨニ

泣き上戸

2006-02-21 23:16:24 | その日暮らし:Live!Laugh!
年を重ねると。
涙腺が緩むもんなのかね。

ほんのちょっとしたことで。うるうる。
はっきりくっきりとうれしいことでもあれば号泣。
哀しいことがあろうもんなら嗚咽で息できず。
アルコホールが入ればもうそれは加速の一途。

一方。
それをものすごく冷静に見ている自分もいる。
「また泣いてやんの」
観察くん1号からの報告は鬱陶しくちくちくと刺さる。

でも。なぜか。
人の死を目の前にすると。涙はひっこんでしまう。
ただただ静かな気持ちになる。

・・・
おじさん。いままでたくさんありがとう。
新たな旅立ち。いってらっしゃい。よい旅を。

6時間×3

2006-02-18 23:59:59 | その日暮らし:Live!Laugh!
結局一睡も出来ずに特急の始発からはじまる6時間。
特急、新幹線を乗り継ぎ大分別府に急行する。

ごく少人数で回している職場には急なことで迷惑掛けてしまうけれど
快く休みをくれた。感謝。

どんなに急な、突発的な、ことでも。
こうしてすぐに動けるフットワークだけは大事にしたかった。
“忙しい”を理由に動けなくなることだけはイヤだった。
だからいまこういうふうに生きてる。

ばたばたあわただしく斎場に到着すると
すっかりご無沙汰してしまっているけれどなつかしい顔ぶれ。
その中にたった一人だけ写真になって正面をかざるおじさん。
式が始まる前に顔をみせてもらう。
4年前に会った頃と変わりないくらいの顔。
それでも。そこにはもう決して笑いながら出迎えてくれる声は、ない。

死そのものを目の前にする時。
なぜか涙は。出ない。
薄情なほどにただぢっと目を見開いて目の前を見ている。
けれど。
まわりで泣き嗚咽する声を聴くと共振してしまう。

孫が6人。(僕から見るといとこのこどもらにあたるのだが)
じいちゃんへの手向けの言葉を自分達の言葉で伝える。
彼女ら彼らがなんとも愛しい。

・・・
6時間の滞在。
あわただしく列車に飛び乗りまた6時間かけて帰路。
日付の変わる数分前に高知駅に帰り着く。
往復1300kmの日帰り強行軍。

もっとゆっくりしていたかった気持ちもあったけれど。
あまり長居してしまうと。
どこかで踏ん張っていた気持ちが崩壊してしまいそうだったから。

明朝は朝8時から仕事。むしろそれがちょうどよかった。

あたたかなあめ

2006-02-15 23:58:54 | その日暮らし:Live!Laugh!
すさまじい音がトタン屋根をビタタタンバタバたたく。

わずかな軒先で雨宿りしながら。仕事の段取りを考えつつ。
ビミョーに湿ったechoをくゆらす。
雨の日のechoは格別にうまいな。

選りによってその最も激しい降りのときに、外で水仕事。
どうせ濡れる仕事だ。
えいやっ、と外に飛び出してゆく。
雨ガッパに長靴の完全防備体制。とは言え。
顔、メガネはびしょぬれで前はよく見えなかったりする。

それでも。
どしゃ降りがむしろ潔いほどに威勢がよくて。
トラックの荷台に飛び乗りまた飛び降りる拍子に調子に乗って
そのまま何度も飛び跳ねて水滴をぶんぶるん跳ね散らして
はしゃぎ踊ってしまうほどにうきうき。

どしゃ降りって好きだよ。

今日の雨はなんともあたたかくて。
もはやハルノアメ。
水しぶきあげる。跳ねる。
ゆけっ!

風笛

2006-02-10 23:59:35 | その日暮らし:Live!Laugh!
風が恐ろしく強い日。
屋根の上の洗濯物もあやうく物干し台ごと吹っ飛んでいきそうになってる。
電線がひゅんひゅんぶんぶんうなりをあげる。
風が啼く。

そんな日だったからなのか。
一日中、頭の中で口笛ソングが流れつづけている。
そのうたは、かつてCMか何かで使われたことがあったような気もするし、
あるいは僕の夢の中で流れていたものかもしれないし、
はてはまったく唐突に降りてきたオリジナルソングだったのかもしれない。

いずれにせよ。
短いひとつのミニマルなフレーズがえんえんと頭の中でリピートしている。
歌詞はない。口笛のような響きだけが鳴りつづけている。
頭の中のその音にあわせて一緒に口笛を吹いてみたりする。
うん、確かにこの音に近い。

決して哀しい曲ではない。
寂しくもない。
かと言って。
手放しでおおはしゃぎするようなものでもなく。

テンポは軽快だ。
歩く速さにちょうどいい感じ。
リズムも歩幅にあってるかもしれない。

ココロ軽やかなのだけれど。
先を急ぐわけではなく。
淡々と。

たとえ立ち止まりしゃがみこんだとしても
そのうたは似合ってる気がする。

散歩しながらうたううた。
飄々と。風がうたう。風をうたう。

カザハナ

2006-02-08 23:18:47 | その日暮らし:Live!Laugh!
今日の空気はまたフユ。
フユとハルを行き来するゆれる季節。

日中、仕事の合間にちょいとベランダでイップク。
太陽光線がまぶしすぎて目がしばしばしてしまうほどに天気は晴れ。白い雲が多目ながら青空。

ふぅ。と吹き出す煙の先に。ちらちらひらりと。白きもの。
どこからか灰が降ってきたのかとあたりを見渡す。
ふわり。ひらり。そして。着地と同時に消える。

あぁ。雪だ。風花だ。

風の強弱で舞い散るテンポが変化する。
ゆらぎをともなったテンポ。
強弱というよりも密度や濃淡のようなゆらぎ。
螺旋回転のうねり。

北風に乗って山からやってきたのだね。

昨日は海からハルが来て。
今日は山からフユの名残。

今日は春一番が吹いた。あるいは四月の風。

2006-02-07 23:56:04 | その日暮らし:Live!Laugh!
気象庁の発表はまだないようだが。
今日2/7昼過ぎからの風は。
春一番だった、と勝手に思うことにしちゃいます。
(頭の中では『四月の風』がエンドレスリピート♪)

・・・
いざ出勤!とヘルメットかぶって玄関を出たときの空気感が明らかに違ったんだ。
あたたかく甘いような。
かかと浮かせて首筋伸ばしてぐるりとあたりをながめまわしたくなるような。
あのハルの空気だったんだ。

ジェットヘルメットは真冬には辛いものがあったけれど。
このハルの風の中を突き進む時の爽快感はフルフェイスでは味わえなかったな。
髪切りたてのうなじが風を感じやすいように
ジェットヘルではこんなうれしいことがあるんだな。

ハルの訪れは。いつものように荒々しい登場の仕方だった。
海はどうどうと白波を立て、
ちっぽけな僕のバイクなんか横風に簡単にあおられ
洗濯物は吹き飛んでた。(笑)

あぁそうかぁハルは海からやって来るんだなぁ。

渡りに船

2006-02-02 23:55:18 | その日暮らし:Live!Laugh!
昨夜は橋を渡って帰ったが。
今日は無料の県営渡船で対岸に渡ることにする。

ほんの3~5分程度の乗船時間。
けれど。水面を渡るその目線と速度はなんともわくわくする時間だった。
あぁ。このままどこか違う場所にたどりついてしまってもいいなぁ。

いつもこの船で通えれば最短距離だし便利なのだけれど。
普段は出航時刻がちょうどいい時にかみ合わないんだよな。

でも。今日は。
いつもより50分も早く部屋を出たけれど。
ほかほか陽気のなかをのんびり散歩気分で歩いて船着場にたどりついたら
ちょうど船が到着したてで。
対岸に渡って、パンクバイクと再会して
それをよっこらと押してバイク屋さんに持ち込んだら。
きびきびてきぱき修理完了。
バイクにまたがったらちょうどいつもこの店の前を通り過ぎる時刻。
なんもかんも計ったようにあつらえたように小気味よく気分よく流れに乗って。

あぁやっぱりタイミングってあるよなぁ。とうれしくなっちゃう。
困ったときこそ楽しめるゆるやかさがタイミングをも呼ぶのかもなぁ。

フラットそしてふらっと

2006-02-01 23:54:17 | その日暮らし:Live!Laugh!
バイクのタイヤがフラットになった。つまりパンクした。

21時。仕事終わって駐輪場行ってバイク動かしたら妙な感触。
パンクしてた。文字通り凹む。_| ̄|○
近くのガソリンスタンドもバイク屋さんも既に閉まってる時刻。

まぁしょうがないね。
と。歩いて帰る。

バイク装備の服装では暑い暑い。
寄り道しつつ服をじゃんじゃか脱いでニット帽の替わりにタオル巻き
どんどん軽快に歩くあるく。
どんどん楽しくなってくる。
30分程歩いたところで海岸通りに出る。
ふらっと浜辺に下りてみる。
テトラポッドに腰掛けて闇に目を慣らす。

途中で仕入れた缶ビールで海に乾杯。波音にオリオン座。
今夜はそれほど寒くもないし。雨もあがってるし。
あぁ、これもいいじゃないか。
こんなおもしろい状況もいいじゃないか。

ほろ酔いで一時間ふらっと夜の散歩。