ココロニハナオ

全速力で過去を追想するのだ。
記憶はどこまで遡れるのか?

小笠原にゆくの巻。6/6

1994-09-02 05:22:04 | 旅の記憶:trans-
94.9.2(Fri)

午後2時頃、乗船手続きをして18,000円の乗船賃も払った。
3時頃、植物検査官と植物の持ち出しがあるか、口答で応対した。
4時、いよいよ第二八共勝丸は東京へ向けて1000kmの船路に出たのだった。

今回、旅客はお一人様であった。出航して「青灯台」を離れると、操舵室に入れてもらってしばらく父島を振り返り、進路をにらみ、最新鋭の機器を眺めたりしていた。
乗員は9名のようだ(プラスわし一人)。

海を眺めていると船から逃げるように、トビウオが飛びすさってゆく。滞空時間は5~10秒ほど。しかしどうしてサカナが飛ぶようになったんだろう?

5:20pm頃さっそく晩メシ。キンキとジャガイモの味噌汁と焼さんまにたくわん、白米。うまいうまい。料理人のおっちゃんと二人で黙々とたいらげる。他の乗組員の人達はこの後だろうか?

K.グリムウッドの『リプレイ』を読み始めた。おもしろい。止まらない。輪廻転生を繰り返す人生か・・・。

夜中3時半まで、一気に読み通した。こういう本は久しぶりだ。


・・・
太平洋を漂い、再び東京に上陸したのは。
9/5(Mon) 8amになっていた。

一日中海だけの日もあった。
夕焼けをバックに羽田空港の飛行機の離発着を眺めて過ごす夕暮れもあった。

月はいつものようにそこに居た。

けれどもそれはまた別のお話。
またいずれ気が向いたら書くことにしよう。

小笠原にゆくの巻。5/6

1994-09-01 05:22:04 | 旅の記憶:trans-
94.9.1(Thu)

今日は丸一日のんびりできる最後の日。
朝メシのあと昼用のにぎり飯を作って、座礁船のある境浦に出掛け日がな一日過ごすことにする。
浜には入れ替わりはあったものの片手で余るほどの人しかいない。ほとんどプライベートビーチ。ここは以前来たときからのお気に入りの場所。魚もいろいろなのが手の届くところに居るし沈んでる船も面白い。錆びた鉄の色具合がとてもいい感じ。絵にしてみたい。
2時間ほど泳いで遊んだあと昼メシを喰っているとちょうどおがさわら丸が東京に向けて1000kmの旅に出ていくところだった。なんだか取り残されたような気分に(ちょっと)なった。

午後は木陰に陣取りタルホを読みつつヒルネ。境浦は本当に静かなところ。波も穏やか。鳥のさえずりと波の音しかしない。波が引いていくときザーッという音の最後に余韻のようにサンゴのかけらがころがる“チャラチャラチャラ”という音が涼しげで心地良い。

また気が済むまで泳いで陽が陰ってくるのを機会に宿に戻る。

今晩は同宿の二人が釣ってきた魚をお裾分けしてもらって豪勢なディナーになった。土地の人はあえて喰おうとしないほどバカスカ釣れる魚であるらしいが白い身はしっかりしていて非常に美味しくいただいた。ありがとう。

ここに来てから8pmともなると満腹と昼間の疲れのためかモーレツに眠い。という訳で逆らわずに9時か10時頃まで眠ったりフトンでうだうだしている。それから本を読んだり書き(描き)モノをし始め思考が冴えてくる。そんな生活リズムが出来上がってしまった。社会復帰できるのか?

あぁもう明日の今頃は船の中なんだろうなぁ。