帰り道は暗号の中

散歩の途中で
Cocoさんは道に迷ってしまいました。

目の前の道は三つに分かれていて
どっちに進めばいいのかが、わかりません。

右の道は、わんこの道。

真ん中の道は、人形の道。

そして左の道は、花の道です。

この三本の道のうちのどれかが
正しい道です。

Cocoさんが迷っていると
近くにいたうさぎさんが、声をかけてくれました。

私たちは、どの道が正しいか
ヒントを持っています。
でも正解を知りません。

Cocoさんが
ヒントに隠された暗号を解いてください。

うさぎさんがいうには、
三つの文章の中に、隠されている言葉を読み解けば
どの道が正解なのかはおのずとわかるのだそうです。

三つの文章は、次の通りです。

「今朝も江戸川を渡った」
「鳥を一羽分けて下さい」
「この馬めしばかり食う」

この三つです。

もしも間違った道を選ぶと

こんな怪物や

こんな怪物が待ち構えていますから
絶対に正しい道を選んでください。

Cocoさんは、首をかしげて考えます。

「今朝も江戸川を渡った」
「鳥を一羽分けて下さい」
「この馬めしばかり食う」

この三つのどこかに、正しい道を示す言葉が
隠されています。

わんこの道か
人形の道か
花の道か。

さあどれなのでしょう。

Cocoさんは一所懸命知恵を絞り
やがてぱっと、ひらめきました。

三つの文を全部ひらがなにしてみるとわかります。

「けさもえどがわをわたった」
「とりをいちわわけてください」
「このうまめしばかりくう」

「けサモエドがわをわたった」
「とりをいチワワけてください」
「このうマメシバかりくう」

このように三つの分にはいずれも
犬の種類が隠されていたのです。

「だから正しい道はわんこの道です!!」

Cocoさんはそう叫ぶと
わんこの道へと走っていきました。

気持ちのいい草原と、花畑が続いています。
この道で確かに、正解のようです。

しかし、少し進んだところで
Cocoさんは足止めされてしまいました。

「おっと。ちょっと待ちな」

どこからか、また恐ろしい声が聞こえてきたのです。

 

つづく

 

 

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