Youtubeで著名人が出しているニュース解説動画を観ていたら、ハワイだのアメリカ本土だのドバイだのに「パパ活」目的で出かける日本人女性が問題になっていると言っているのを題材にしていて、そういえば『サンダカン八番娼館』を中学生のころに読んだなぁと思い出した。
本の内容がないとわかりにくいので追記します。細かいところまでは覚えてないしデリケートな話になるのであらすじとして読んでいただきたいのですが、戦前の日本から東南アジアにわたって(か、渡らされたか)現地で娼婦として生きていた「からゆきさん」と呼ばれる方の物語です。その言葉を下敷きにバブルのころに日本に渡ってきた東南アジアの女性を「じゃぱゆきさん」と呼びます。
バブルも終わりのころ、バンコクのショッピングセンターのベンチでコーヒーを飲んでいたら、若いインドネシア人の女の子が話しかけてきたことがありました。
「あなた日本人?ワタシ、来月日本に行くの。日本で芸能プロダクションやってる人にスカウトされて歌手になるのよ☆」と言われたので、
「それ詐欺だからやめておいた方がいいよ。酷い生活させられるよ。」と言ったのだが、彼女はケラケラ笑うだけで信じようとしない。「じゃ、調べてみるからその会社の名前教えて。で明日15時にここで会おうよ。」「いいわよ、明日15時ね!」と言って彼女は去っていった。
インターネットもなかった頃の話なのでそのあと僕がどうやって調べたのかは忘れたが、とにかくそんな会社はないという確認をして翌日そこに行ってみたけれど、彼女は現れなかった、と言うことがあった。変なことばかり思い出すなぁ。年は取りたくない。
本の話に戻る。
中学生男子には少々刺激が強い内容の書籍だったが、こんな世界もあったんだなぁという感想の方が強かった。それよりも、主人公の取材対象だった元「からゆきさん」のおばあちゃんが帰国してから暮らしていた、(書籍内では少しだけ触れられていた)故郷の長崎の隠れキリシタンの集落の描写になぜかすごく惹かれてずっと行ってみたいと思っていた。
いまだに行けてはいないが、40年前にその本を読んでから今に至る間に教会をはじめとする長崎の隠れキリシタン関連のモノは世界遺産にもなった。16年ほど前に仕事の関係で東京に住むようになったが、その頃に飲み歩いていて知り合って今でもしょっちゅう一緒に飲んでいる友人が偶然子供のころ軍艦島に住んでいた人で、それで興味を持って軍艦島にも行ってみたが(非常に美しく、建物は趣があった)、長崎・五島あたりの教会群や集落はまだ敷居が高い気がして行けていない。
その数年後ちゃんぽんでも食いに行こうとふらっと長崎に行った時に、アパホテルの真裏に「日本二十六聖人記念館」という施設があり見学に行ったら、さまざまな展示物の中に隠れキリシタンの儀式の資料動画が流されていて、一見クリスチャンの儀式には見えないがひそやかで厳かでなにか侵してはいけないような、画面から伝わるそんな空気に引き込まれて見入ってしまった。
興味のある人は見てみるといいと思う。今のことだからネット上にも公開されているのかもしれない。
逆に書籍から昨今の「国境を越えるパパ活女子」や「からゆきさん」のことを思い出したことも去年あった。一部バックパッカーの皆さんにはバイブルとなっているらしい金子光春の『マレー蘭印紀行』を読んだ時だ。彼がもっとも旅をしていた時代は、ちょうどからゆきさんと同じ大正から昭和に変わる頃だと思う。
その紀行文の中で、彼はマレー半島を南下するときに某商社の支社に厄介になっていたのだが、そこでの描写で「近頃はマレー半島のからゆきさんたちも中国からくる安い娼婦に「市場」を奪われる形で、西はサウジアラビアにまで移った者も多い」(思い出して書いているので原文そのままではないです。スミマセン。)というのがあった。
団塊ジュニアの世代なので幕末から明治大正の世界のイメージはそれほどないし、政財界の要人以外で日本人がそんなに遠くまで行って、しかも暮らしているイメージなんてそれほどなかったので新鮮な驚きだった。
それに娼婦の世界の市場競争が世界規模で(少なくともアジア内で広く)ダイナミックに展開されていたことにもびっくりした。
人間ってたくましい。
それを考えると、傍から見えるような超円安でパパ活女子が国境を越えているという単純な構図ではなくて、実は彼女たちの間でもっと激しい市場競争が繰り広げられているのかもしれないなぁとなんとなく思ったのだ。
ま、お金のない僕には一生相まみえるタイプの女性たちではないから個人的な興味は全くないけれども(笑)。
本の内容がないとわかりにくいので追記します。細かいところまでは覚えてないしデリケートな話になるのであらすじとして読んでいただきたいのですが、戦前の日本から東南アジアにわたって(か、渡らされたか)現地で娼婦として生きていた「からゆきさん」と呼ばれる方の物語です。その言葉を下敷きにバブルのころに日本に渡ってきた東南アジアの女性を「じゃぱゆきさん」と呼びます。
バブルも終わりのころ、バンコクのショッピングセンターのベンチでコーヒーを飲んでいたら、若いインドネシア人の女の子が話しかけてきたことがありました。
「あなた日本人?ワタシ、来月日本に行くの。日本で芸能プロダクションやってる人にスカウトされて歌手になるのよ☆」と言われたので、
「それ詐欺だからやめておいた方がいいよ。酷い生活させられるよ。」と言ったのだが、彼女はケラケラ笑うだけで信じようとしない。「じゃ、調べてみるからその会社の名前教えて。で明日15時にここで会おうよ。」「いいわよ、明日15時ね!」と言って彼女は去っていった。
インターネットもなかった頃の話なのでそのあと僕がどうやって調べたのかは忘れたが、とにかくそんな会社はないという確認をして翌日そこに行ってみたけれど、彼女は現れなかった、と言うことがあった。変なことばかり思い出すなぁ。年は取りたくない。
本の話に戻る。
中学生男子には少々刺激が強い内容の書籍だったが、こんな世界もあったんだなぁという感想の方が強かった。それよりも、主人公の取材対象だった元「からゆきさん」のおばあちゃんが帰国してから暮らしていた、(書籍内では少しだけ触れられていた)故郷の長崎の隠れキリシタンの集落の描写になぜかすごく惹かれてずっと行ってみたいと思っていた。
いまだに行けてはいないが、40年前にその本を読んでから今に至る間に教会をはじめとする長崎の隠れキリシタン関連のモノは世界遺産にもなった。16年ほど前に仕事の関係で東京に住むようになったが、その頃に飲み歩いていて知り合って今でもしょっちゅう一緒に飲んでいる友人が偶然子供のころ軍艦島に住んでいた人で、それで興味を持って軍艦島にも行ってみたが(非常に美しく、建物は趣があった)、長崎・五島あたりの教会群や集落はまだ敷居が高い気がして行けていない。
その数年後ちゃんぽんでも食いに行こうとふらっと長崎に行った時に、アパホテルの真裏に「日本二十六聖人記念館」という施設があり見学に行ったら、さまざまな展示物の中に隠れキリシタンの儀式の資料動画が流されていて、一見クリスチャンの儀式には見えないがひそやかで厳かでなにか侵してはいけないような、画面から伝わるそんな空気に引き込まれて見入ってしまった。
興味のある人は見てみるといいと思う。今のことだからネット上にも公開されているのかもしれない。
逆に書籍から昨今の「国境を越えるパパ活女子」や「からゆきさん」のことを思い出したことも去年あった。一部バックパッカーの皆さんにはバイブルとなっているらしい金子光春の『マレー蘭印紀行』を読んだ時だ。彼がもっとも旅をしていた時代は、ちょうどからゆきさんと同じ大正から昭和に変わる頃だと思う。
その紀行文の中で、彼はマレー半島を南下するときに某商社の支社に厄介になっていたのだが、そこでの描写で「近頃はマレー半島のからゆきさんたちも中国からくる安い娼婦に「市場」を奪われる形で、西はサウジアラビアにまで移った者も多い」(思い出して書いているので原文そのままではないです。スミマセン。)というのがあった。
団塊ジュニアの世代なので幕末から明治大正の世界のイメージはそれほどないし、政財界の要人以外で日本人がそんなに遠くまで行って、しかも暮らしているイメージなんてそれほどなかったので新鮮な驚きだった。
それに娼婦の世界の市場競争が世界規模で(少なくともアジア内で広く)ダイナミックに展開されていたことにもびっくりした。
人間ってたくましい。
それを考えると、傍から見えるような超円安でパパ活女子が国境を越えているという単純な構図ではなくて、実は彼女たちの間でもっと激しい市場競争が繰り広げられているのかもしれないなぁとなんとなく思ったのだ。
ま、お金のない僕には一生相まみえるタイプの女性たちではないから個人的な興味は全くないけれども(笑)。
こんにちは。
自分もなんだかバンコクで同じよう経験があったような。自分の場合、男性だったと思うのですが、記憶があやふやです。確か、翌日の約束の時間に行かなかった気がします。
「マレー蘭印紀行」、何故か我が家に文庫本が2冊あります。
帰省の道すがらの街、博多に着きました。悪天候で飛行機がなかなか着陸できず、しかもすごい揺れでした。
今はバンコクも秩序ある大都会なので当時とは違うと思いますが、あの頃は旅してると有象無象いろんな人が自分のスペースに入ってきましたね(笑)。
またそんな話も思い出したらその都度ブログに書きたいと思います。
『マレー蘭印紀行』が2冊も(笑)。お持ちなのを忘れて再度購入したにしても、よほど心に響く何かがあったんでしょうか。我が家には『1973年のピンボール』が2冊あります(笑)。1冊の表紙が汚れてしまったので、もう一冊買い足しました。