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📖🎥『さらば、わが愛』(チェン・カイコー映画作品)

2021-08-04 05:45:11 | 日記

 

 動乱の中●を舞台に、華麗に織りなす運命の愛

📖『さらば、わが愛』-はおうべっき

リー・ビクワー 著    田中昌太郎 訳

ハヤカワ文庫NV714

 大型映画化の監督は、📖『私の紅衛兵時代』の著者、チェン・カイコー監督。

あらすじ

京劇の女役スターのテイエイーは、幼なじみの男役のシャオロウを愛していたが、彼(シャオロウ)は元娼婦のチューシエンと結婚してしまう-。あでやかな京劇の世界と、日本軍による占領、文化大革命といった激動の歴史を背景に、壮大に描きあげる男と男、男と女の愛と憎しみ。(早川書房の書籍案内より。)

 

 

(📖『さらば、わが愛』本文より、文化大革命時代の紅衛兵たちのところを抜粋。)

八.

文化大革命が勢いを増すと役者たちは、毛●東思想で武装した文芸界の革命的労働者に変身して、悪しき傾向と戦う任務を担った。反体制は乱暴に弾圧され、最も新しい運動は、「四旧、すなわち旧思想、旧文化、旧風俗、旧習慣を打倒せよ」と説いた。

キーンという音とともにラウドスピーカーにスイッチが入り、文化大革命の指導的原則が読み上げられた。その音量があまりにも大きいので、党の書記は自分の声が身体を刺し貫くのを感じて、途中で言葉を途切らせた。彼は顔を上げた。油断のない表情がそのまなざしをかすめた。彼はまだいささかの権力を行使しはじめたばかりで、早くもそれは危なっかしく思えた。

誰が犠牲にされるかわからなかった。彼自身がされるかもしれなかった。

シャオロウとテイエイーは恐怖に満ちた視線を交わした。

「革命は宴会ではない。文を作ることでも、絵を描いたり刺繍をすることでもない。そんな優雅なことではないのだ。穏やかだったり、のんびりしてはいられない。そんなもの柔らかだったり礼儀正しくしてはいられない。革命はひとつの階級が他の階級を打ち倒すラジカルな行為なのだ」

話者の声が集会場じゅうに響きわたった。

音は中●に昔から強い力だった。平和時には鐘が時間を告げた。戦時には戦死した英雄を悼(いた)んで葬送の鐘が鳴った。いまは、政治運動が始められるとき、ラウドスピーカーが権威主義的な挙国一致の雰囲気を作りだした。

解放以来ラウドスピーカーは党にとって、もっとも強力な、誰も抵抗できないプロバガンダの具になった。ラウドスピーカーはけっしてしゃべり疲れることがなく、休暇を求めなかった。途切れることのない長広告は人々の心に刻みつけられて消えなかった。

ラウドスピーカーの音で地が震えたが、音量が大きいために声が歪んで、何をしゃべっているのか聞きとれないことがしばしばだった。伝わってくるのは一連の感情、魅力的から暴力的、追従から生真面目に至る。熱っぽくもあり、悲しげでもあり、苛立たしげでもある感情だけだった。それは何よりも、群衆のショックの叫び声に似ていた。

「毛●東」のよき学生たれ」

「永遠に毛●東の足跡に従え」

これは毛首席の小さな将軍、すなわち紅衛兵たちが唱えるお題目だった。成人(おとな)は革命の敵になりかねなかったから、子供が唯一の真の革命派閥になった。授業が中止になったので、学生たちは人々の家を捜索して、何か西側文化もしくは伝統的中●文化と関わりのあるものを見つけだすことができた。

ときに彼らは批判と闘争の集会を開いた。何もかもが非常に新奇で輝かしかったので、子どもたちはそのように重要で革命的な運動の一部であることに単純に興奮していた。

紅衛兵の指導者はみな十代だった。北京出身者もいたが、残りは全国のあらゆる地方から来ていた。彼らはいなごのように家々に押し入った。革命の名において、ほしいままに打ち壊し、略奪した。

いわゆる"黒色分子"は批判され、その家族は道路掃除をさせられた。恐るべき暴徒の力が野放しになったが、紅衛兵を洗脳した当の大人たちは中南海(共産党と、政府機関の所在地。最高指導者の住居がある)の塀(へい)の内に隠れて安閑としていた。

この広範な運動がいかにして始まったかはあまり明らかではない。ある日、北京の清●大学附属中●学校の掲示板に1枚のポスターが貼りだされ、それに〈ぞうはんせいしんばんざい❗〉と書かれていたという噂がある。まもなく全国に造反の火の手があがったのだ。信号機さえ逆になって、青が「停まれ」、赤が「進め」を示した。すべて上と下がびっくり返った。

夜は妙に静かだった。終日テイエイーとシャオロウは政治姿勢と過去の行為を"批判"された。夜は帰宅して"自己批判"の文章をこしらえ、それがすむと罰として

 

(👩罰として❔自国の大切な国民が一体何をしたというの⁉️

👧結局、紅衛兵というのは国民が何をしてもしなくても気に入らなかった。国民が何をしても何をしなくてもいちゃもんをつけた。そういう風に中●共産党に教育されてしまっていた。)

 

 

罰として毛●席の詩を書き写さなくてはならなかった。

 

(👨『文化大革命』の時代の中●の国民は、何もしていなくてもいつもびくびくして、一日中謝っていなければならなかったんだね。

👴紅衛兵たちの症状はまるで『境界性人格障害(ボーダーライン)』の症状と似ている。中●共産党というのは結局は幼少時に与えられなかった『愛』を求めているんのじゃろうか❔

👩映画🎥『愛の嵐』を思い出す。

👧力や生命喪失の恐怖や、言葉の暴力で脅しても、人間の『愛は勝ち取れない』よ。

👨なぜなら権力的に片方が強い立場で、片方が弱い立場だから。『愛は平等でなければきっと、成り立たないんだ』

 

 

 

テイエイーは書き写している詩があまりよく理解できなかった。それは人●解●軍による南●占●を主題にしていた。

 

(👴例えばある『いつも変わらない「同じテーマ」』があるとする。

しかし、生まれたときから一度も『愛と倫理と道徳』を教えられていない中●共産党の人々と、紅衛兵という名の子供たちは、

確固とした自分(アイデンティティ)というものが形成されていないために、自分というものを持たないために、

自分にとって一番大切な人が自分へと発する言葉や態度に

対応する態度にまったく一貫性がない。

昨日は怒ってみたが、今日は昨日怒った事には怒らず、また別のことに対して怒ってみた、というような。

相手がどう対処してよいか考えあぐねて困り、立ちすくんでしまうような事態が起きる。

中●共産党と、彼らが教育した紅衛兵の場合は、対応する国民の命さえ危うい。テイエイーとシャオロウのように。

やはり、中●共産党と、紅衛兵は、病んでいたというほかはない。

👨中●共産党と、紅衛兵の言動には『一貫性』がないからだ。

👩この症状は、アドルフ・ヒトラーとナチス・ドイツの将校たちの犯した言動と似ている。いつも一貫性がない。

👧結局、『一党独裁政権』のドンなんて、最高に手のつけられない境界性人格障害を患った『裸の王様』だ。

👨ボーダーラインな人はお勤めも普通にできる。しかし一番の大問題は、『自分がボーダーラインなのだと認識していないこと』だ。

世界中には、独裁国家がまだたくさん存在するんだ。

👴👩👧👶それは困った‼️なぜボーダーラインな人物が一国を支配してしまうのだろう❔

👨それは、自分が間違っているなんて思っていないからでしょう。ボーダーラインの人の考え方は、『悪いのは自分じゃなく、みんな相手』だから。『あんたが自分にこうするから、自分はあんたにこうするしかない。自分にこうさせるのは、全部あんたのせいだ。』、という考え方に基づいて行動している。)

 

 

 

 

 

 

 

 

それは人●解●軍による南●占●を主題にしていた。

だが書きすすめるうちに彼(テイエイー)は、特別の愛情を覚える「覇王」という二文字に行きあたった。それ(「覇王」という二文字)は彼にシャオロウを連想させた。「老覇王のごとき英雄となるなかれ」とその詩は命じていた。テイエイーの万年筆のペン先が ざら紙の表面にひっかかって嫌な音をさせた。だがかたわらにはシャオロウが腰掛けて同じ詩を書き写しており、テイエイーは不思議に落ち着いた気持ちになった。チューシェンはそこにいなかった。