まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

麻野館に泊まる

2021-01-27 23:36:34 | 建物・まちなみ
2020年1月の伊勢・鳥羽の続き。

さて今宵の宿は、海沿いの旅館街の中の1軒、麻野館。1893(明治26)年創業の老舗旅館だ。
以前二見浦をうろついた時も、こんな宿に泊まりたいなぁと思って見ていたのだが、10年の時を超えて実現(笑)。
実際のところ比較的リーズナブルなのだ。


左側のむくりのついた破風の玄関は現在は使われておらず、その前が業務用の車の置き場になっていたのは
残念だが(苦笑)、老舗らしい風格ある佇まいに気分が上がる~~


あらかじめ指定していた「寿」の間に通される。おぉ~~、よいねぇ~~!!


海に面したいちばんいい部屋。窓の外には青い海が!!


この部屋はその名の通り、おめでたい意匠がたくさんあるのだが、いちばんの見どころはこれ!
次の間との境の2枚の欄間に、七福神の顔が透かし彫りされているのだ!




そして床の間の袖壁には、この部屋の名になっている「寿」の文字が、透かしで入っている。面白い!
どうやって作ったのだろう。土壁を糸のこで切り抜いたのかなぁ!?こんなきれいに切り抜けるのかな!?


アルファベットの「SU」の文字が見える。「寿」の音が文字の中に組み込まれているなんて、粋だなぁ!


袖壁の裏側は棚になっている。垂れ壁の小口には曲げた竹をつかって美しく納めてある。


書院の欄間には、扇型に水車(観覧車ではないよな笑)、波に千鳥、太鼓橋に松の木。おめでたい雰囲気の
モチーフが盛りだくさん!


他の部屋も皆違った意匠があるらしいので、空いている部屋を案内して頂いた。
こちらは「菊」の間。欄間には菊の垣が。


床柱に四方竹、花灯窓。


「桐」の間の欄間は桐の花が大胆にあしらわれている。


こちらは、「鶴」の間。松に鶴のダイナミックな構図。


おや、この床の間の壁を扇型に抜いた意匠、見たことあるぞ・・・デジャブかな?いや、賓日館で見たのと
同じじゃない?翁の間にこういうのがあったな。


実はこの麻野館は賓日館と同じ建築家(棟梁?)が手がけたのだとか。賓日館ほどのきらびやかさはないが
共通する意匠はこのほかにも見かけた。


こちらは「宝」の間。




この障子は賓日館のさくらの間で見たものに似ているし、その下の透かし彫りも大広間にあったのと雰囲気が似ている。


窓を開けると階段ホール。


各部屋違ったデザインの下地窓が廊下を飾る。




細竹を組み合わせた格子。うまくできているなぁ。


おや、ここは何?


ちらっと覗いたら大広間だった。賓日館の120畳の大広間には及ばないが、80畳敷きの折り上げ格天井の
大広間は十分豪華!


続く。

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2 コメント

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麻野館 (yume)
2021-01-28 22:00:51
ぷにょさん お久しぶりです。 お元気そうで何より、生き生きとしておられる様子にほっ。。としています。

ところで「麻野館」 老舗旅館だったんですか?
小学校の修学旅行の時 泊ったのが「麻野館」だったんですよ。 お昼ご飯が岩戸屋でした。 子供の頃の記憶力は抜群です(笑)

で、そんな老舗旅館だと全くしらず。。 と言っても小学生だから建築物には全く目がいかなくて当然ですが。
大広間のようなところに、6年生女子70人位が一緒に枕を並べて寝ました。
廊下に出しておいた水筒、翌朝にはお茶が入っていました。

GoToが復活したら、行ってみようかなぁ。。
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yumeさん、 (ぷにょ)
2021-02-05 20:29:42
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
滋賀からの修学旅行は伊勢でしたか。
修学旅行も受け入れられる大きな旅館がたくさん並んでいたのですね。
さすがのyumeさんでも小学生ではまだ古い建物に
特別興味なかったんでしょうね、私だってそうです(笑)
伊勢、鳥羽、yumeさんの好きな昭和の世界がありますよ!
ぜひ行ってみてくださいね。
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