まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

「タイル」名称統一90周年

2012-07-01 12:46:42 | イベント
昨日大阪歴史博物館で開催された『「タイル」名称統一90周年記念講演会 建築とタイル・煉瓦の魅力』を
聞きに行ってきた。

「タイル発祥90周年」「タイル業開業90周年」とかでなく「名称統一90周年」というのがいい(微笑)。
起源が古くはじまりを確定するのは難しいし、日本各地で使われ始めた頃は煉瓦やテラコッタとの区分が難しい
ものもあり、節目とするべき明確な日付を決められないのだろう。
各地でそれぞれ違った名前で呼ばれていたのを、1922(大正11)年平和記念東京博覧会への出展を機に
「タイル」に名称統一したことを記念日としたのはとても理にかなっているように思うし、
他で「名称統一○○周年記念」なんて聞いたことがなく、マニアックで面白い!

各講演者のタイル・煉瓦への愛情あふれるお話はとても面白かった。、
日建設計の江副氏による大阪弁護士開館や兵庫県立芸術文化センターなどは、古い建物の方が好きな私でも
外壁レンガの素敵な質感と陰影に目を引かれて写真を撮っていた。
また浦辺設計による倉敷国際ホテルもかっこいいなぁと思っていたし、現代表取締役の西村氏が滋賀県陶芸の森
を設計されたときに信楽焼のタイルで内側から火色を出したいとこだわったが不可能で釉薬による着色で妥協
したという話には、安易な選択でなく葛藤があったことを知り納得した。
現代建築でもこういうこだわりのある設計会社や建設会社が試行錯誤しながら、思い描く理想の表現を追求
していることにうれしくなった。

一方、タイルの窯元では還元焼成の窯がなくなってきているとか、現存するタイルの再現をしたいと思っても
できないというのは悲しいことだ。経済的な事情から設備も絞り込んでいくのだろうが、技術は進歩しているのに
逆に表現が限られてしまうのは残念だ。
また、上記のような大規模なプロジェクトならタイルや煉瓦をオリジナルで作るのだろうが、個人宅のような
一般向けにはカタログからの選択となる。小ロットでこだわりのタイルを生産してもらえるといいなぁ。。

10年後の100周年も楽しみ!!

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小樽のまちの端っこを歩く。 | トップ | 太子橋今市駅のタイル »

コメントを投稿

イベント」カテゴリの最新記事