中津高架下ライフ

一方、阪急線の高架下には住宅があった。
北尾遼之助の「近代大阪」にでてくる描写そのままという感じ。
阪急線の高架ができたのは、前回も書いたが、大正１５年という。


完成当初、高架下は住宅として合理的に利用されたらしい。
ＪＲ環状線でもところどころで見られるが、こういった住宅は分譲なのだろうか。
賃貸だととっくの昔に明け渡しを求められていると思うが。。
一番手前の家は人の気配がしないが、ベランダには生活の残り香。


少しばかりの荷物や植木が置いてあるのを見ると、今も住んでいる人が
いるらしい。猫が２～３匹、路地の真ん中に寝ていた。


路地の奥側、淀川寄りの数スパンは、こんなスケルトンになっていた。
ここも元は同じような住宅だったに違いない。
中身を取り除いたらこんなちっぽけな空間なのだ。
人の生活のなくなった空間は、それ自身の命をなくしたかのようだ。


国道の高架下のお店や事務所も職住一致だったのか、２階は住まいとして
使っていたような雰囲気。


柱に屋号を彫ってある！？


「縁」さんはどこに？この中に入れって？


高架下ガーデニングが賑やか。
ここの作業場は道路からさらに数段降りたところ。


軒下には軍手がずらり。ユーモラスな光景。
高架下にも確実に人の営みがあって、少しほっとした。