まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

近代建築の記憶展を見てきた

2014-02-02 18:43:08 | イベント
大阪歴史博物館で明日まで開催中の「特集展示 近代建築の記憶」を見てきた。


かつて大阪のまちの顔として多くの人の目に馴染んでいた近代建築の数々、
ここ10年ほどの間にあれもこれも、次から次へと解体され、建て替え、あるいは
売却されてしまった。
大阪朝日ビル、ダイビル、阪急百貨店うめだ本店、近鉄百貨店阿倍野店、宇治電ビルディング・・・
それらの建築の一部分が、大阪歴史博物館に保存されている。残されているのは建物の
ごくごく一部分のパーツのみであり、もちろん建物全体の存続が最も望むべきことではあるが、
避けられない解体に際しカケラをもらって保存することはやはり意味がある。
その建物が実在していた動かぬ証拠として訴えかけてくるし、
写真や模型では分からないスケール感を感じられ、「本物」の迫力を味わえる。

サヨナラ見学会に参加した双葉温泉美章園温泉のカケラもあった。

タイルの展示もいろいろあった。北野高校の青い布目タイルは、光の当たり具合によって
変わる微妙な色合いを確認でき、大阪市交通局の波打つスクラッチタイルは、溝の深さや
ワラビの立ち具合を確認できた。趣味の陶芸タイル製作で試してみよう(笑)。

そして、カフェパウリスタのパネル展示があった。
ここは2011年に、月一回の洋風建築めぐり講座で見に行ったことがあるのだが、
去年解体されてしまったらしい!あの頃はまだ文化教室としてガンガン使われていて、
今から何か始まるらしくバタバタされていたところを、何とか隙を縫って
二階に上がらせてもらったのだった。






企画展よりももっと小規模なひと部屋だけの展示であったが、とても楽しめた。
この特集展示は明日まで。見に行く人は急いで~!

特集展示 近代建築の記憶
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まちかどの近代建築写真展 in 大阪 VIII

2013-03-02 23:42:08 | イベント
今年も「まちかどの近代建築写真展」が天保山の天満屋ビルで始まりました。
本日設営してきました。
今回のテーマは、学校建築。私は今回写真を出していませんが、400枚近くの写真が
大集合しています!素晴らしい建築の数々を見に来ませんか。


会期:2013年3月2日(土)13:00~4月6日(土)15:00まで
会場:天満屋ビル 2-3階
   大阪市港区海岸通1-5-28 3階イベントスペース
時間:平日 7:30~18:00 土・祝 11:00~18:00
   (定休日:水曜、日曜)
主催:ハaハaハa
企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
協力:近代建築探訪メーリングリスト

(概要はハaハaハaさんのサイトより転載させていただきました)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「タイル」名称統一90周年

2012-07-01 12:46:42 | イベント
昨日大阪歴史博物館で開催された『「タイル」名称統一90周年記念講演会 建築とタイル・煉瓦の魅力』を
聞きに行ってきた。

「タイル発祥90周年」「タイル業開業90周年」とかでなく「名称統一90周年」というのがいい(微笑)。
起源が古くはじまりを確定するのは難しいし、日本各地で使われ始めた頃は煉瓦やテラコッタとの区分が難しい
ものもあり、節目とするべき明確な日付を決められないのだろう。
各地でそれぞれ違った名前で呼ばれていたのを、1922(大正11)年平和記念東京博覧会への出展を機に
「タイル」に名称統一したことを記念日としたのはとても理にかなっているように思うし、
他で「名称統一○○周年記念」なんて聞いたことがなく、マニアックで面白い!

各講演者のタイル・煉瓦への愛情あふれるお話はとても面白かった。、
日建設計の江副氏による大阪弁護士開館や兵庫県立芸術文化センターなどは、古い建物の方が好きな私でも
外壁レンガの素敵な質感と陰影に目を引かれて写真を撮っていた。
また浦辺設計による倉敷国際ホテルもかっこいいなぁと思っていたし、現代表取締役の西村氏が滋賀県陶芸の森
を設計されたときに信楽焼のタイルで内側から火色を出したいとこだわったが不可能で釉薬による着色で妥協
したという話には、安易な選択でなく葛藤があったことを知り納得した。
現代建築でもこういうこだわりのある設計会社や建設会社が試行錯誤しながら、思い描く理想の表現を追求
していることにうれしくなった。

一方、タイルの窯元では還元焼成の窯がなくなってきているとか、現存するタイルの再現をしたいと思っても
できないというのは悲しいことだ。経済的な事情から設備も絞り込んでいくのだろうが、技術は進歩しているのに
逆に表現が限られてしまうのは残念だ。
また、上記のような大規模なプロジェクトならタイルや煉瓦をオリジナルで作るのだろうが、個人宅のような
一般向けにはカタログからの選択となる。小ロットでこだわりのタイルを生産してもらえるといいなぁ。。

10年後の100周年も楽しみ!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヴォーリズさんの設計室展

2012-05-29 00:59:28 | イベント
NPO法人ヴォーリズ建築保存再生運動一粒の会による企画展「ヴォーリズさんの設計室展」を見に
久しぶりに近江八幡へ行ってきた。
会場である旧八幡郵便局の2階はもともと電話交換室として使われていた空間。


なんともいえずやさしく心地よい、ヴォーリズさん設計の住宅。
それは明るく健康的な暮らし、子供ののびのび健やかな成長を考えて作られているから。
著書「吾家の設計」「吾家の設備」に示された住まいの理想形を、ひと部屋ずつ読み解き机上の模型で実現。
現代日本の住宅事情からするとなかなか難しいが、そのスピリットだけでも取り入れたい。

お店も増えどんどん魅力アップしている近江八幡のまち歩きとあわせて行ってみては!?

ヴォーリズさんの設計室展 第1期は7/8までの土日曜開催。
開館時間は10:00~15:00と短め。休館日等もあるので事前にサイトで確認を。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まちかどの近代建築写真展 IN 大阪VII

2012-03-03 01:36:53 | イベント
毎年恒例の近代建築写真展。今年は私も数点出してます。
このブログでは度々鉄道や駅舎の記事を書いてるのに、なぜ数点だけかって。
それは写真が今年現在の姿と大きく変わっていると困るので、せいぜい1年前まで
のものから選んだことと、黒点入り(汗)や写りの悪いものを外したことと、
他のつわもの方が出されるであろうと予想がついたものは出さなかったからです。

「まちかどの近代建築写真展 IN 大阪VII」(第25回)
●今回のテーマは旅に出たくなる事間違えなし!全国の『駅舎』
会期:3月3日(土)午後から 4月7日(土)午前まで
会場:天満屋ビル2階「お茶と雑貨のハaハaハa」 奥展示室
   (大阪市港区海岸通1-5-28)
    企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
協力:近代建築探訪メーリングリスト
入場料:無料

会期の初日と最終日にはメンバーによるトークショーもありますよ!

こちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぐるっとまわって50年

2011-04-03 14:37:30 | イベント
現在、弁天町の交通科学博物館で開催されている、
大阪環状線開業50周年記念企画展 ぐるっとまわって50年」展を見に行ってきた。
この交通科学博物館、弁天町駅の真下で車両基地のような立地や、駅の改札口とみまごう
ようなエントランスが素敵だし、アナログで子供心を刺激する種々の展示がとても楽しく、
鉄チャンでなくとも子供でなくとも半日は十分楽しめる博物館である。
そして今回の企画展、環状線開業までの歴史がイラスト付の解説と豊富な写真でとても
分かりやすく示されている。

環状線は元からぐるぐる回るように作られたのではなく、部分的に別々の会社が
別々の事情で作った路線を、あるとき繋げたのだ。


やはり特に興味深いのは、自分が日常的に利用している西九条駅の変わりよう。
西九条~境川信号所間の線路が完成し、地図上では「環」状線が完成したあとも
西九条駅では新設の高架線と旧来の地上線がしばらく併存していたのだ。
そんな不安定な過渡期の状態だが、連絡通路を上下する人波から活気が伝わってくる。

それと阪神「なんば線」の安治川橋梁の架橋の瞬間を見たこともあり、同じく安治川に
かかる環状線の鉄橋の架橋工事の映像に興味をそそられる。船が往来する上空で、
たくさんの人々が汗を流し多くを手作業で行っている。また、高架を走っていた阪神線と
地上を走っていた国鉄線をひと晩で入れ替えた、切替工事の映像もすごい。
それに、50年前とほぼ同じ顔した電車が今も走っているというのもまた驚きである!

大阪環状線開業式の華々しさ、晴れやかさ、活気、希望、、、、
今の大阪駅の新ビルのオープンも、阿倍野再開発の完成も、環状線開業のインパクトに
比べると小さいものだろう。今までどこにもなかった大プロジェクトなのだから。
こういうものが次々に現れた時代。そんな時代を知らない世代にもお勧めの展示だ。

5/29(日)まで。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年も、まちかどの近代建築写真展 IN 大阪VI

2011-03-07 21:25:00 | イベント
今年も天保山の天満屋ビルで「まちかどの近代建築写真展 IN 大阪VI」 が開催
されています。私は写真を出していませんが設営を手伝ってきました。
今年はかわいい郵便局の建物特集。こんなに素敵な郵便局がこんなにたくさん!?と
感動することまちがいなしです。ぜひお出かけください。

「まちかどの近代建築写真展 IN 大阪Ⅵ」(第21回)
     ●今回のテーマはまちでひっそり佇む「郵便局舎」     
会期:2011年3月5日(土)午後~4月9日(土)午前
    会場:天満屋ビル2階「お茶と雑貨のハaハaハa」
    大阪市港区海岸通1-5-28 西展示室
時間:7:30~18:00 土・祝は11:00~18:00(定休日:水曜、日曜)
主催:お茶と雑貨のハaハaハa企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
協力:近代建築探訪メーリングリスト

なお、3月12日まで、天満屋ビルの3階を特別公開されています。
これが何と、すごい空間なのです!!見に行く価値ありですよ~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まちかどの近代建築写真展 IN 旧神戸生糸検査所

2010-10-11 02:48:31 | イベント
遅いですが、お知らせ。もう残り1日しかありませんが、是非お出かけ下さい。
生糸検査所の建物も見れますよ。
私は写真を出していませんが(汗)設営を少し手伝いました。
(下記案内は小道さんのサイトからコピーさせて頂きました。)


「まちかどの近代建築写真展 IN 旧神戸生糸検査所」(第19回)
     ●今回のテーマ 日本の煉瓦建築

会期:2010年10月9日(土)~10月11日(月)
時間:10月 9日(土)13:00~17:00
   10月10日(日)9:30~17:00
   10月11日(月)9:30~15:30

    会場:旧神戸生糸検査所1階旧フィラメント検査室
       兵庫県神戸市中央区小野浜町1番地

主催:まちかどの近代建築写真展 IN 神戸実行委員会
企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
協力:近代建築探訪メーリングリスト
協賛:港まち神戸を愛する会

*尚、港まち神戸を愛する会によるイベント各種あります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「水都大阪と淀川」展を見てきた

2010-10-03 01:06:12 | イベント
大阪歴史博物館で開催されている水都大阪と淀川展を見てきた。

圧巻の展示だった!
一通り古代からの地形の変遷や近世までの舟運を利用した都市の暮らしについての解説は
水都大阪に関わって近年よく目にするもの。
今回は新淀川100年という節目で、放水路としての新淀川に関する展示がメインである。


それまでも部分的に改良が繰り返されてきた淀川であるが、明治18年の大水害の被害の甚大さに
ついに、流路を変更するという本気の大改修が行われる。
オランダ人技術者を招いての調査・計画が行われ、いくつかの案を検討の末、中津川の河床と
既存の堤防を最大限利用した、現在の流路に決定された。

展示で私が一番衝撃を受けたのは、淀川改良に伴い買収対象となった用地のすべてが記された
巨大な「買収地図」!
大縮尺の地図上でルートをなぞってみても、田んぼやいくつかの集落がなくなったのだな、
ということは頭で理解できるが、マクロで見ることにより、誰々の家と誰々の畑が、という
生々しい感情が湧いてくる。

自分たちの住む地が川底に沈んでしまう人々のやるせなさ、そして同時に、この大事業を成功
させるためにここに描かれたすべての地主と交渉し換地手続した末端の担当者の苦労!!
壁一面に張られた地図を見ていると、ひしひしと迫ってくる当時の人々の治水への執念が
皮膚で感じられるような気がする。

新淀川開削工事中の写真や、完成後に廃川となった旧中津川の河川敷の様子を写した写真には
思わず見入ってしまう。廃川跡地の住宅地開発に関する資料もわずかだが展示されていた。
また旧流路に面して立地していた工場の状況について調べた資料など、こういった間接的な
影響についてもとても興味深く、もっと詳しく知りたいものである。

大河川の河口の砂州に興った他の都市でも、ほぼ同じような事情であったが、他の地に先駆けて
こういった革新的な治水事業が大阪で行われたことは実に誇らしいことである。

一番最後に展示してあった、ワークショップによって作成した淀川歴史マップは、
まさに私のやってる廃川跡めぐりじゃないの!私も前々から歩いてみようと思っていた
姫島~十三の旧中津川の蛇行跡の痕跡もすでに一昨年調査したようで、先を越された!
触発されてさっそく明日歩いてみようと思っていたら、雨の予報。あらら・・・また今度。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年も、まちかどの近代建築写真展in大阪 スタート

2010-03-14 00:32:21 | イベント
ここ数年恒例となっている、天保山での写真展。今回は個人病院です。
全国のかわいい医院建築がたくさん集まりました!

「まちかどの近代建築写真展in大阪V」(第16回)
 ●今回のテーマはこじんまりと趣のある「個人病院」      
・会期:2010年3月13日(土)午後~4月10日(土)午前
・会場:天満屋ビル2階「お茶と雑貨のハaハaハa」
    大阪市港区海岸通1-5-28 東展示室
・時間:7:30~18:00 土・祝は11:00~18:00(定休日:水曜、日曜)
・主催:お茶と雑貨のハaハaハa
・企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
・協力:近代建築探訪メーリングリスト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年も、まちかどの近代建築写真展スタート

2009-03-09 03:27:44 | イベント
今年で4回目となる、大阪・天保山の天満屋ビルでの写真展。
土曜日に無事設営が完了し、スタートしました。


お隣の商船三井築港ビルで4/1から始まる「海岸通建物物語4」との関連企画
ということで、去年に続きレンガ建築を集めた展示となっていますが、
写真の半分は去年出ていなかった建物で、今年は刻印レンガのコレクションもあるなど、
パワーアップしています!是非見に来て下さいね。
そしてハaハaハaでハヤシライスを食べよう~




まちかどの近代建築写真展
会期:2009年3月9日(月)~4月17日(金)
    会場:天満屋ビル2階「お茶と雑貨のハaハaハa」
    大阪市港区海岸通1-5-28 東展示室
時間:7:30~18:00 土・祝は11:00~18:00(定休日:水曜、日曜)
主催:お茶と雑貨のハaハaハa
企画:まちかどの近代建築写真展実行委員会
協力:近代建築探訪メーリングリスト

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

タイル きのう・きょう・あした 展

2009-02-10 03:04:53 | イベント
岐阜県現代陶芸美術館で開催されている、「タイル きのう・きょう・あした」展を見てきた。

去年、小道さんと一緒に行った多治見の笠原町にあるモザイク浪漫館、そこで見た
めくるめく笠原のモザイクタイルが、表舞台に展示される機会というので、
去年からずっと楽しみにしていたのだ。
(興奮のあまりほとんど写真を撮ることもできず、ここにアップしないままになっていた・・・汗)、

 ※写真はモザイク浪漫館にて。(美術館では写真撮影禁止)

多治見駅からバスで約20分、岐阜県現代陶芸美術館は山の上に立つ立派な施設。
エントランス通路の天井にも焼き物のかけらたちが埋め込まれていたり
建物の壁もタイルだったり、、、と、気分は高まる!
そして、展示室へ・・・・うわぁ~、あの流し台が、浴槽が、テーブルが!!
車に好きなタイルを貼りつけるコーナーでは、いろんな種類の小さなカワイイ
モザイクタイルに夢中!!あれも、これも、と手のひらに乗せて・・・・
2階には新しい機能性タイルや、タイルを使ったアート作品などの展示も。
タイルを使った服なんて重たいだろうが、とってもかわいい。

その日藤森照信氏の講演もあった。日本で最も一般的な小口タイル(レンガの小さい面と
同じ大きさのタイル)が外国にはほとんど見られないのはなぜか?という謎解きのお話を、
脱線混じりで楽しく聞かせていただいた。
いや~楽しいタイル展だった。


せっかくなので瀬戸に宿を取り、遊んで帰る計画。
瀬戸のまち歩きの話題はまた次回に。


タイル きのう・きょう・あした -笠原のモザイクタイルを中心に-
は、3/28まで。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神戸と兵庫のモダニズム展

2009-02-02 23:19:32 | イベント
神戸市立博物館で開催されている、神戸と兵庫のモダニズム展を見てきた。
元銀行や商社などの錚々たる近代建築が残る旧居留地にあり、自身も1935年竣工の
元横浜正金銀行神戸支店の建物である神戸市立博物館。モダニズム展を見る舞台として最高である。

今回の展示は川西英の描画作品がメイン。兵庫百景と題されたシリーズの100枚すべてを
一同に並べるという充実の展示だった。


モダンでエキゾチックな神戸の風景を斬新な構図と明るい色彩で表現した川西英の
木版画は、当時の人々が感じた気分をそのまま伝えるようで、とても好きだ。
今回のポスターカラーで描かれた描画は版画よりもコントラストが強く力強い。

兵庫百景はやはり都心部中心の神戸百景とは違い、自然の風景や社寺が多い。
私が気に入ったのは、「神戸港夜景」「余部鉄橋」「小野無線塔」「相生」など
近代的な人工構造物が自然の中に風景の一部として取り込まれていたり、
動と静の対比が感じられるようなもの。
また、海に赤・黄色、空にエメラルドグリーン・紫色という、通常思いつかないような
色を使って光り輝く黄昏の海を表現した「家島群島」も素晴らしい。
絵には新聞に連載時の文章が添えられ、それを読んで作者の思いに寄り添いながら
鑑賞し、2時間近く堪能した。

※この展示をひろ009さんに教えてもらいました。ありがとうございました。
 ご自身のブログで詳しく書かれていますのでご参照→こちら


三宮駅から神戸市立博物館へ行く途中に、1ブロック向こうにカッコイイビルを見つけ、
帰りに見てきた。それがこの神戸銀行協会。おぉ~~!!


1~2階のデザインがいい!
柱と柱の間を埋めるガラスブロック。大小の四角形による構成が目に心地よい。
前に置かれたフラワーポットまで、正確に同じパターンが6回繰り返される。

柱と壁の腰まではトラバーチン貼りなので温かみを感じさせる近景。

帰ってからネットで検索してみたら、長谷部鋭吉の設計らしい。1951(昭和26)年の戦後建築だ。

旧居留地には近代建築だけでなく上質な戦後建築も多そうだ。また戦後建築探訪に来よう。


神戸と兵庫のモダニズム 川西英えがく「兵庫百景」を中心に は2/8まで。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上野伊三郎+リチ展

2009-01-27 01:42:32 | イベント
京都国立近代美術館で開催中の「上野伊三郎+リチ コレクション展」を見てきた。

上野伊三郎は留学先ウィーンで、ウィーン工房を主宰していたヨーゼフ・ホフマンの
建築事務所に勤務中、ウィーン工芸学校を出て壁紙やテキスタイルなどのデザインで
高い評価を受けていたリチと出会い結婚した。
日本へ渡って京都で上野建築事務所を開き、建築設計から内装の美術工芸デザインまで、
夫婦二人三脚でこなしていく。
そして仲間と共にインターナショナル建築会を立ち上げる。


展示はリチのカラフルでキュートな「リックス模様」の壁紙デザインから。
かわいい色使い、こまやかな手描きの線、動植物や季節を感じさせるモチーフ。
空間を楽しくさせるデザインがいっぱい!

一方上野伊三郎の建築図面や作品の写真の展示も多数。
インターナショナルスタイルの建築というと素材感やクラフト感が好きな人にとっては
ちょっとつまらなく映るかもしれないが、上野伊三郎のスター食堂やスターバーの
カッコイイこと!!ガラス窓をファサードに広く配した四角い箱に、赤色のネオン
文字が浮かび上がるクールな外観。
そしてその内側には、リチによる色鮮やかで有機的でファンタジックな壁紙や
天井画が大胆に広がって一種あでやかな空間を作り出しているのである。
何と素晴らしいコラボレーション!!

上野伊三郎は、おもしろいことに玉の湯というお風呂屋も設計していた。
お風呂屋を最先端の建築家が設計とは!!
そして内装のタイルをリチがデザイン・・・とかならめちゃくちゃいいかも!

雑誌「インターナショナル建築」の展示では、大阪朝日ビルの建設中の写真が
掲載されていてとても興味深かった。向かいの新朝日ビルの場所には煙突のある
工場みたいな建物が映っている。

その他精緻な七宝の宝石箱とその下絵や、細かく織り糸を図示した織物デザインなど、
惚れぼれといつまでも眺めていたいものばかりだった。
図録も充実!


上野伊三郎+リチ コレクション展 -ウィーンから京都へ、建築から工芸へ
は、2/8まで。急いで!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

市民講座 「木造の魅力」 第2日目 ~石工事と文化財

2008-11-16 02:24:36 | イベント
京都建築専門学校市民講座2回目も聞きに行ってきた。
前回はタイルとレンガの話だったが今回は石の話で、こちらも私がかねがね
興味を持っていたテーマなので楽しみにしていた。

・・・と、その前に、講座は午後からなので、これまた行きたいと思っていた
百万遍の知恩寺で毎月15日に開かれる手作り市に朝から行ってきた。
土曜に重なったこともあるだろうがすごい人!
そしてすごいお店の数!手作りのものばかりで、見ていくとほんとに多種多様。
お菓子やパンの店が人気。アクセサリーにしてもいろんなアイデアを思いつく
もんだと感心しまくり。電気工作材料のスイッチパーツを使った「ポチっとな」とか
いうストラップは、いろんなタイプのスイッチがあって、スイッチ好きの私のツボに
ぴったりはまった品だったのだが(笑)、持ち金がなくなり買えなかった。。。

ところで片隅に設置してあった臨時の公衆トイレ、これが結構カワイイ!!
キャンピングカーみたいにどこへでも連れて行ける、コンパクトなカプセル。


さて、ついつい長居してしまいそうになるのを何とか振り切って講座の会場へ。
講師は、京都の堀川沿いで代々石材業に携わってこられた「石茂」㈱芳村石材店の
芳村誠二氏。

まずは日本の各時代における石とのかかわりの話から。飛鳥時代、奈良時代には
仏教が渡来したことにより寺院建築が作られはじめるが、御影石などの花崗岩は
まだ使われずやわらかい凝灰岩が使われた。平安時代になると仏教の広まりと共に
各地に石仏や磨崖仏などが作られ、花崗岩や砂岩が使われるようになる。
鎌倉時代には石塔などが作られ、室町時代には石を使った作庭が行われる。
戦国時代、安土桃山時代には敵の攻撃から守るための堅固な城や石垣が作られる。
江戸時代にはお墓が一般庶民のものとなり、現在のような墓標の形ができた。
明治時代には文明開化で西洋文化がどんどん入ってきて、今までにはなかった
石造建築が作られるようになる。大正末期になるとコンクリートが台頭し、
石材は装飾として用いられる。
戦前には国会議事堂など国力をあげて立派な建築が作られ、瀬戸内海などの石産地が
開発されていった。現代は公園作りに石が多く使われているという。

日本は木の文化と言うが、まさに石が「時代の足元を守ってきた」(芳村氏)ことが
こうして聞いてみると、よくわかる。

(写真は来しなに見た堀川の改修工事。間知石はこうやって積むのか。)

また、京都産の石で「白川石」というのがあったそうな。
その名の通り北白川の方で取れた白色の花崗岩で、切り石として、また風化した
砂は寺院の庭園の砂として、京都で盛んに使われた。それで白川の石工村には
江戸中期ごろの最盛期には300軒(4~500人)もの石工がいたという。
しかし明治ごろ枯渇しはじめ、昭和に入って採取制限もかかり、今では全く
取れないということだ。

岩石の成因や石材の分類、仕上げと加工方法の話など、本では読んでいたが
実際の石屋さんから直接話を聞くのはやはりとてもよくわかるし面白い。
第2部は京都のいろんなお寺の写真を見ながら礎石や狛犬や手水舎や敷石や石垣
などについての説明をたっぷりしていただいた。
盛りだくさんすぎて時間が押してしまい、質疑応答もなく慌ただしく終ってしまった。
私は京都市電の敷石について聞きたかったのだが。。。
また、もらった資料の最後の「失われた川」という項目が端折られてしまったのは
残念だった。こちらも是非別途詳しくお話を聞きたいものだ。
いや~しかし、面白かった。


前に見た堀川下立売より南の堀川丸太町の方まで府営住宅が並んでいた。
店舗のシャッターの間の狭い壁にはこんなかわいい水色のふっくらタイルが!
棟ごとに色が違っているのかな?もう暗いので隣の棟を確かめに行かなかったが。




手作り市で買った、てぬぐい、復刻柄のペーパー、タルト。楽しい!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする